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プーさん大好きな忘れん坊の母日記
小説NO.1 メールフレンド①
メールフレンド
『ピー。新規メールの到着です。』
仕事から帰って琴音がほっとする瞬間。
祥一とは半年前に知り合った。
と言っても、顔も名前も知らない。
そう、二人は「メールフレンド」なのだ。
琴音は、半年前一人暮らしを始めた。
その時、家電製品を買い揃えたお店の店員さんに
「今どきパソコンくらい持ってなくちゃあ。」
と勧められつい買ってしまったのが琴音のパソコン生活の始まりだった。
店員さんの説明では、家電製品と同じくらい簡単だと言う事だったが、
いざ、使ってみるととんでもない脳みそが爆発しそうな代物だった。
それでもなんとかインターネットができるようになり、
琴音はネットサーフィンに夢中になった。
そんな中、「メールフレンド募集」のHPに目がとまった。
「そっかぁ。ここに掲載すれば友だちができるんだぁ。」
そして琴音はひらめいた。
「そうだ、パソコンに詳しい人と友だちになって教えてもらおう。」
思い付けば簡単な事だった。
早速、ボードに書き込んだ。
『パソコンに詳しい方。私にいろいろ教えて下さい。
私は二十歳のOLです。琴音』
「楽しみだなあ。返事来るかなあ。」
琴音は、わくわくしながら眠りについた。
そして、次の日。
到着メールの確認をして驚いた。
どんどんメールが入ってくるのだ。
その数は30通以上あった。
「何なの、これは・・・。」
出勤の時間が迫っていたので、メール内容を確認する事はできなかった。
車のエンジンをかけながら琴音は困惑していた。
「あんなにたくさんのメールどうしよう。」
その日は、一日仕事にならなかった。
5時になるのを待ちかねて琴音は家路についた。
家に帰ると早速パソコンを立ち上げた。
そして、もう一度到着メールの確認をした。
すると、また10通ほどのメールが来ていた。
「とりあえず内容を読んでみよう。」
琴音は最初のメールを開いた。
『僕といいことしませんか?いろいろ教えてあげるよ。』
「何なの!これって・・・」
琴音は、次々とメールを開いていった。
ほとんどのメールがいたずらや会って下さいと言うようなものだった。
読んでいく内に琴音はメールフレンドを募集した事を後悔していた。
「この世界って恐いのね。気をつけなくっちゃ。」
そして、とうとう最後のメールになった。
「どうせ同じようなメールよね。」
そう思いながらそのメールを開いた。
『はじめまして。僕は祥一と言います。
22才、会社員です。
このメールを出そうかどうか迷って遅くなってしまいました。、
でも、思い切って出すことにしました。
僕にとっては、初めてのメールなんです。
僕は仕事でパソコンを使っていますので少しはお役に立てると思います。
たぶんたくさんの方からメールが届いていると思いますが
こんな僕で良かったらお返事をお待ちしています。』
それは、たあいもないメールだった。
でも、真直ぐで飾らないそんなところが印象に残った。
琴音は、彼をメールフレンドに選んだ。
他にも真面目なメールや魅力的なメールもあったんだけど
なぜか彼を選んでしまった。
これが琴音の運命を変える事になるなんて思いもしないで・・・
『はじめまして。
メールありがとうございました。
私は、20才のOLです。
あなたさえ良かったら、パソコンの事いろいろ教えて下さい。
同世代だから、いろんな事がお話したいです。琴音』
その日から二人は毎日メール交換をするようになった。
祥一の事を知るのはとても楽しかった。
祥一は、偶然にも隣の県に住んでいた。
仕事はコンピューターソフトの開発と営業をしていて、
一人暮らしだと言う。
身長は180センチ、体重は68・のスポーツマン。
二人は、趣味も不思議と合っていた。
琴音は、祥一にどんどんひかれて行った。
でも決して会おうとは思わなかった。
祥一の事を好きになればなる程、
会って幻滅されるのが恐かった。
祥一もこの半年間会おうとは言わなかった。
それは、琴音が最初に「Hなメールがたくさん来て困った。」
と言う話を祥一にしていたからだと思う。
自分はそうではない事を琴音にわかって欲しかったのだろう。
ある日二人の間で初体験の話が出た。
それまでにもSEXの話とかお互いの身体のコンプレックスとか
いろいろ話し合っていた。
メールとは不思議なもので、普通異性間の友人同士では
とても言えないような事が思い切って書けてしまうのである。
それは、やはり面と向かわないという事と
喋らなくていいということが大きいのだろう。
それはこんな内容のメールだった。
祥一へ
突然の告白に正直驚きました。
でも、本当の事を言ってもらえて嬉しいです。
私は、祥一の考えは素敵だと思いますよ。
男性だってやはり好きな人と愛し合いたいと思うでしょう。
祥一の誠実な人間性や考え方がわかりますね。
とても好感が持てました。
祥一が告白してくれたから、私も告白しちゃいます。
私の初体験は高校を卒業してすぐでした。
相手は2歳年上の先輩で、高校時代からつきあっていて
卒業を待って彼に求められるまま愛し合いました。
その後、半年くらいつきあっていましたが、
彼が大学の女の子とつきあっているのを知って別れました。
高校の時はそんな人じゃなかったんですが、
大学に入るといろいろ変わるみたいですね。
とても悲しかったけど後悔はしていません。
私はそのとき彼を愛していたから。
祥一も愛する人との初体験早くできるといいね。(^_-)☆
琴音
***************************
こんなメールを毎日のように交換しながらさらに半年が過ぎた。
***************************
琴音へ
こんにちは
今日は琴音にお願いがある。
僕達がメールを始めてからそろそろ1年だ。
この1年間琴音といろんな事を話したね。
僕は、琴音の事がもっともっと知りたい。
でも、メールでは声もきけないし顔も見られない。
だから・・・会ってもらえないだろうか。
もちろん最初は友だちとしてでいい。
会えばお互い気持ちも変わってくるかもしれない。
良くなるか悪くなるかはわからないけれど、
少なくとも僕はもっと琴音を好きになると思う。
琴音がどうしても会いたくないと言うのなら会わない。
でも、少しでも僕に会ってもいいと言う気持ちがあったら
僕の方から会いに行くよ。
じゃあ、返事を待ってる。
祥一
**************************
**************************
祥一へ
いつかはこの日が来るのではないかと思っていました。
最初メールを始めた頃はこんなに親しくなれるとは
思っていなかったし、もしも変な男性だったら・・・
と恐い部分もありました。
でも、こうして1年間祥一と話してみて
とても誠実な安心できる男性なのだと思えるようになりました。
ただ、会って幻滅されるのがちょっと恐いです。(笑)
来てもらうのは大変かなと思いますが、
祥一がそれでいいというのなら会いに来て下さい。
二人で街を歩きましょう。
楽しみにしています。
琴音
****************************
メールフレンドとして一年。
二人はいよいよ会う事となった。
季節は春を過ぎもう初夏に入っていた。
琴音はうちからすぐ側の駅に祥一を迎えにいった。
お互い事前に顔写真の画像を交換しお互いの顔は覚えていた。
駅から出て来た祥一は、あたりをきょろきょろ見回していた。
琴音は祥一を見つけるとゆっくり彼のところへ歩いていった。
「こんにちは」
突然声を掛けられ祥一は驚いた。
そこには写真よりちょっと大人びた感じの琴音が立っていた。
「こんにちは。初めましてと言うべきかな。」
にっこりと笑う祥一に琴音もほっとしたように微笑んだ。
あれだけ毎日メールで話しているのに
二人はお互いに黙ったままだった。
何から話していいのかとまどっていたのだ。
「とりあえず歩こうか。」
祥一が先に言葉を出した。
「そうね。近くに喫茶店があるの。そこに入りましょう。」
二人は5分程だまったまま歩いて喫茶店に入った。
「何にする?」
今度は琴音が先に言った。
「そうだなあ、朝御飯を食べる時間がなかったから
モーニング頼んでいいかな。」
「そうかあ。朝早かったんだもんね。ごめんね無理させて。」
ちょっとうつむく琴音に祥一はあわてて言った。
「いや・・・ごめん。そんなつもりで言ったんじゃないんだ。
ただお腹すいたなあと思って・・無神経だったよ。」
女の子とのデートなんてほとんど経験のない祥一は
そこまで気が回らなかったのだ。
「ううん、いいの。そうよね、もう11時だもの。
私も早めのランチ食べちゃおう。」
そう言うと琴音はメニューを広げた。
「そうか、じゃあ僕もランチにしよう。ここは何が美味しいの?」
琴音の持っているメニューに目を落として祥一は聞いた。
「ここはミートスパゲティーが美味しいらしいわ。」
「そうか。じゃあミートスパゲティーのセットにしよう。」
二人は同じものを注文した。
すぐに熱々のミートスパが運ばれてきた。
お腹がすいている祥一は待切れないと言うようにそれを頬張った。
そして10分位であっという間に食べ終えてしまった。
ふと前を見ると琴音は悪戦苦闘しながら食べている。
「やっぱり他の物にしておけば良かった。
美味しいけど口の周りにソースがつくのが
気になってうまく食べられないよ。」
祥一は思わずくすっと笑った。
そんな琴音が可愛いと思った。
「いいよ。僕の前でそんなこと気にしなくても。
いつものように食べればいい。ゆっくりでいいからね。」
そう言うと、食後のコーヒーを頼み少しずつ飲み始めた。
琴音は、そんな祥一の気遣いにありのままの自分でいようと思えた。
琴音が食事をすませ紅茶を飲んでいる。
祥一は一息ついて切り出した。
「琴音。僕と正式につきあってくれないか。
こうして会っても、君を好きだという僕の気持ちは変わらなかった。
君は僕に会ってどう思った?」
琴音にとって期待していた事ではあったが突然の申し出でもあった。
祥一の事は好きである。
でも、正式にと言われるとまだ少しとまどいがあった。
「祥一。好きだと言ってくれて嬉しい。
でも、私達はまだ会ったばかりだよ。
私は友だちとして祥一の事が好きだけど、
恋人としてはまだ考えられない。
これからも会う事はできるけれど、
今は祥一の気持ちを受け入れる事はできないな。」
一生懸命話す琴音に祥一はうなずいた。
「そうだね。僕はちょっと焦り過ぎたかもしれない。
でも、僕の気持ちが真剣だと言うことだけはわかっていて欲しい。
これからも僕は逢いに来るから琴音には待っていて欲しい。」
そして祥一は一枚の紙を渡した。
それには彼の本名と住所そして電話番号が書いてあった。
「これからは、メールだけじゃなくて電話でも話そう。
君の気が向いたらかけて来てくれ。
もちろん僕からもかけるから。いいかなぁ?」
「祥一って本名だったんだ。実は私も本名なの。
普通メールフレンドってニックネーム使うのにね。
じゃあ私も電話番号と住所教えるね。
夜は大体いるから・・・」
そう言って琴音は祥一のアドレス帳にそれを書いた。
「ありがとう。きっと電話する。
もちろんメールも毎日書くから。」
二人は約束の握手をした。
その日は街の中を二人でぶらぶらし夕方には祥一は新幹線で家に帰った。
本格的な夏が来た。
あれから何度かデートを重ねた二人は
今日海に遊びに来ていた。
夏の日ざしと抜けるような青空にふたりは開放的になっていた。
琴音の水着はその年流行のビキニだった。
今まで洋服姿しか見た事がなかった祥一に
琴音の水着姿は刺激的だった。
思わず元気になる股間を琴音に気づかれないように
海に飛び込んだ。
琴音は、「つめたーい。」と言いながら少しずつ海に入っいく。
スポーツマンの祥一はその間に沖の方まで泳いで帰って来てしまった。
「祥一泳ぐの早いんだね。私あんまり泳げないの。教えてくれる?」
そう言って琴音は祥一にくっついてきた。
「それじゃあ沖の方へいってみようか。ついてきて。」
琴音の手を自分の肩にのせて、ちょうどおんぶに近い形で
琴音を引っ張っていった。
ずいぶん沖に来た時大きな波が二人を呑み込んだ。
「きゃー!」
琴音は手を離してしまい、沈んでしまった。
祥一はあわてて海に潜り琴音を助け上げた。
「恐いよ、祥一。」
琴音は夢中で祥一にしがみついてくる。
柔らかい胸の感触と股間に当たる恥骨の感じが
祥一の理性を吹き飛ばしてしまった。
「琴音!」
思いきり抱きしめてキスをした。
思い掛けない展開に琴音は呼吸ができなくてもがいた。
「あっ、ごめん」
祥一は急いで唇を離すと琴音をおんぶして海岸に戻った。
海岸に戻った二人は、お互い照れくさく
黙ってビーチパラソルまで歩いた。
そして、腰を下ろすとしばらく無言のまま視線を合さずにいた。
祥一が砂浜に寝転んだ。
「琴音。さっきはごめん。突然で驚いただろう。
でも・・・僕はいつも琴音にキスしたいと思ってた。
本当はそれ以上の事も・・・僕のこと軽蔑する?」
琴音は祥一の隣に寝転んだ。
そしてしばらく考えて言った。
「私・・・嬉しかった。
あの時はびっくりしたけど落ち着いて考えたら
私は祥一にあんな風に抱きしめられたかったんだって思えた。
軽蔑なんかしないよ。
私も祥一に・・・なんか恥ずかしいな。」
二人はいつのまにか愛し合っていた。
ただ、それを言い出すきっかけがなかっただけだったのだ。
いつのまにか太陽は西に傾いていた。
海に沈む夕日を見ながら祥一は琴音の肩を抱いていた。
琴音がぽつりとつぶやいた。
「今日は祥一と一緒にいたい。」
祥一はとまどった。
こんなときどういう態度をとればいいのかわからなかった。
このまま一緒にいたいと言うことは当然琴音もそのつもりだろう。
しかし、祥一はまったくその経験がない。
おまけに琴音は経験者である。
祥一には自信がなかった。
「とにかく帰ろうか。」
そう言って砂浜を後にした。
更衣室で着替えながら祥一は考えた。
(今日こんな事になるなんて思わなかったなあ。
なんの準備もしてないし・・・どうしたらいいんだ)
とりあえず財布の中身を確認しなんとか大丈夫そうだとほっとした。
更衣室を出てしばらくすると琴音が出て来た。
「お腹好いたね。なにか食べようか。」
明るい笑顔に祥一はほっとした。
「じゃあイタリア料理でも食べに行く?」
(今日は特別なごちそうじゃないと・・・)
祥一なりに気を遣ったつもりだった。
「私、カレーライスが食べたいな。」
「え?」
意表をつかれ祥一は聞き返した。
「だってカレーが無性に食べたいんだもん。」
琴音はあっけらかんとしたものだ。
「そっ、そうか。じゃああそこのカレー専門店に入ろう。」
祥一は琴音の腕を引っ張ってつかつか歩いていく。
「そんなに急がなくても・・・腕がいたいよ。」
「あっ、ごめん。」
祥一は自分ではわからなかったが、かなり動揺していた。
二人は仲良く2倍カレーを食べてちょっぴりひりひりする
口の中をカレーショップの前の自動販売機で買ったジュースで冷ました。
「祥一、これからは私にまかせてくれる?
この辺りのことは私にしかわからないでしょ?
だから・・・いいかなあ?」
確かにそのとおりだった。
祥一にはホテルの場所さえわからなかった。
その先はもっとわからないのであるが・・・
「うん、お願いするよ。
やっぱり土地カンがないと特に夜の街はね。」
「じゃあ、いこうか。」
祥一の腕に琴音は腕を絡ませネオンのある方へ歩き始めた。
そして、あるホテルの前についた。
「ここにしようか。」
琴音の方が堂々としている。
祥一は早くこの場から消えたくてとにかく中に入った。
初めてのラブホテルである。
部屋に入ると大きなダブルベットと広いバスルームがあった。
「先にシャワー浴びるね。」
琴音は祥一の返事を待たずにバスルームへ入っていった。
祥一は部屋の中を見回し天井の鏡やベッドのそばにある
いろいろなスイッチに驚いた。
ライトが変化したり音楽が流れるようになっているようだ。
テレビをつけるとAVが流れていた。
琴音の様子が気になりながらも祥一のそこは正直に反応していた。
「あぁ・・・いいわあ・・・そこもっと突いてぇ・・・」
AV女優は歓喜の声をあげている。
しかし、肝心のところはモザイクがかかっていて見えない。
これでは参考にならないじゃないか・・・
などと妙な事を考えながら、しかしその視線は画面に釘付けになっていた。
「あれ?祥一何見てるの?」
夢中になっている祥一は琴音がシャワーから出て来たのに気づかなかったのだ。
「いやっ、これは・・・違うんだ・・・」
あわてて言い訳をする祥一に琴音はくすっとわらった。
「いいわよ。祥一だって男だもの。そういうのも見るわよね。
シャワー終わったから祥一も浴びて来たら?」
冷静な琴音に祥一はあわててバスルームに飛び込んだ。
(琴音はもしかして僕の事バカにしてるんじゃないか?
だってメールでセックスのことも随分話したもんな。
僕が童貞だって言うことも知ってるし・・・どうしたらいいんだ)
祥一はシャワーを浴びながら不安を打ち消す事ができなかった。
そして、シャワーを終えてバスルームから出てくると
琴音はベッドでテレビを見ていた。
さっき祥一が見ていたAVだった。
「琴音・・・」
祥一は琴音がそんなものを見ている事が意外だった。
琴音は背中を向けてベッドに横になり上から布団をかけていた。
「祥一、ここに来て・・・」
振り向かず琴音が言った。
祥一は言われるまま裸で琴音の後ろに滑り込んだ。
琴音は祥一の両腕を自分の前に回すようにした。
丁度祥一のお腹と琴音の背中がぴったり密着し、
祥一は琴音を後ろから抱きかかえる形になった。
「祥一。私達これからああなるんだね。
メールでSEXのこといっぱい話したけど、
現実にこういう状況になるとなかなか思い出せないものね。
祥一の胸の鼓動が聞こえるよ。私の胸の鼓動もほら・・・」
そういって、琴音は祥一の手を胸に押し当てた。
「祥一。私・・・初めてじゃなくてごめんね。
でも、今は祥一の事一番好きだから・・・愛してるから・・・
今日は慣れてる振りしてわざと恥ずかしい気持ち隠してたの。
遊び慣れてると思った?私の精一杯の強がりだったんだよ。」
祥一は何も言えなかった。
琴音の気持ちが痛いほど伝わって来た。
そして、自分が初めてだと言うことにこだわっていたのが
ばかばかしくなった。
「僕は琴音を愛している。それだけで十分だろ?」
琴音が初めて祥一の方を向いた。
その目には一杯涙が溜っていた。
「祥一・・・」
琴音は祥一の胸に顔を埋め涙を流した。
祥一はそんな琴音をしっかり抱きしめ顔を上げるとキスをした。
海でしたのとは全く違う長く深いキスだった。
そしてこの夜二人は初めて結ばれた。
祥一と琴音が結ばれてから5ヵ月が過ぎた。
それまでは祥一が琴音に会いに来ると言う形をとっていたが、
あれからは琴音も祥一に会いに行くようになった。
その回数は月に一度から週に1度に増えていた。
もちろんメールは毎日交換した。
でも、メールでは相手の肌の暖かさを感じる事はできない。
二人とも、それを我慢するのは1週間が限度だった。
そして、今日は二人が待ち焦がれていたクリスマス。
初めてホテルのスイートルームを予約した。
夕食にはワインで乾杯し二人は幸せの絶頂にいた。
部屋が違うせいか今日は二人とも気持ちが高まっていた。
いつも控えめな祥一が、今日はとても情熱的だった。
それは初めての事だった。
「琴音今日は、自然のままの君を感じたい。」
今まで、子供ができないようにと祥一は避妊していた。
でも、今日は本当に自然でいたかった。
そして、琴音も同じ気持ちだった。
「私も、そのままの祥一を受け止めたい。」
二人はどちらからともなく肌を重ねた。
それは、愛し合う二人にとって心から安らげる思い出の夜になった。
そしてこの日を境にお互いの運命が大きく変わってしまう事を
この時の二人はまだ知らなかった。
*********************************************
祥一へ
一週間メールが書けなくてごめんなさい。
祥一からは何度もメールを貰いましたね。
でも、どうしても私からは書けませんでした。
この一週間私は悩みました。
そして、結論が出たので祥一にメールを書く事にしました。
たぶんこれが最後のメールになると思います。
実は、一週間前病院に行きました。
あの祥一と結ばれた日からずっと生理がなかったんです。
それで、もしかしたらと期待して病院に行きました。
お医者様から「おめでたですよ。」と言われた時は本当に嬉しかった。
祥一の赤ちゃんが私のお腹の中にいるんだって
私、嬉しくて先生の前で泣いちゃった。
そしたら、先生は「その子供は産まない方がいいかもしれません。」って言った
の。
そう、私・・・HIVに感染していたんです。
この病気は子供に感染する確率があって、
現在薬は開発されていないの。
もしも発病したら・・・たぶん助からない。
先生の説明を聞きながら私は赤ちゃんの事とあなたの事を同時に考えていた。
(もしかしたらあなたにも感染しているかもしれない・・・)
(この子は死んでしまうの?)
看護婦さんに促されるまで私は先生の前に呆然と座ってた。
「良く考えて結論が出たらまた来て下さい。」
そう言って診察室を送り出された。
病院から家までどうやって帰ったかも覚えてないの。
気がついたらパソコンの前に座ってた。
「祥一と別れなきゃいけない・・・」
混乱する思考の中でそれだけは、はっきりしていた。
だから祥一、あなたとはもう会いません。
会えばきっとあなたに甘えたくなって、抱かれたくなって、
あなたまで同じ苦しみに巻き込む結果になりそうだからです。
この子は一人で産んで育てます。
もしかしたらこの子はそれを望んでいないかもしれないけれど、
あなたの愛の証をこの世から消してしまうなんて
私にはどうしてもできません。
たとえどんな結果になっても私は後悔しません。
あなたを愛した・・・それだけで十分だから・・・
愛を一杯ありがとう。
なにもお返しできなくてごめんね。
その分の愛情を精一杯この子にあげるから許してね。
さようなら・・・祥一・・・
琴音
************************************************
祥一はそのままパソコンの前から動けなかった。
突然の告白、そして別れ。
「そんな・・・」
呟いたまま祥一は画面を見つめていた。
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