多重債務者の交差点

多重債務者の交差点

(08)A.niの場合


◯中学を卒業、集団就職で名古屋の◯に勤務(手取13.000円)しながら◯附属高校(夜間)で頑張りましたが、昭和42年7月、母の病で退職帰省しました。
昭和42年9月、
◯市民会館(食堂部、手取19.000円)に入社、一流の調理師を夢見て2年勉強、そ
の後、◯ホテルにコックとして(手取50.000円)修行しました。
昭和46年、
熊本の◯レストラン(手取80.000円)を皮切りに、都城、加世田、谷山、日向店と◯の入籍を含め、昭和56年2月まで借金もなく順調に生活しました。
昭和56年4月から◯センターを平成1年8月まで勤務、夢実現にあと一歩と迫ったのです。 
まず平成2年1月10日、
都城市◯の不動産を妻、◯と共同名義購入するに同年同月17日、
◯労働金庫M支店1400万円の金銭消費賃貸借設定を◯と連帯債務で順位1番の登記移記しました。
平成2年9月2日、
開店不足資金200万円を◯労働金庫◯支店から借り、家一部を改装して念願の仕出し宅配弁当専門◯をオープンさせたのです。
最初の1年はパート2名、人気を得るため荒利益の35%で1日3万円前後の売上げでしたが、
2年目にはいってパートの欠勤がおおくなりました。
宅配弁当はコースを100%回らなければ売上げは下がります。
あげく備品、材料購入に資金が足らず、日掛け「B」から10万円借りる羽目になったのです。 
平成3年にはパートが辞め、私1人で切り回すことになりました。
1人で調理して配達までなんてとうてい無理な相談です。
売上げは極端に落ちてゆきます。
借金を返すために「T」「S信販」から各20万円借用もしかたないところでした。
平成6年、同居の母が痴呆症になり外で働く妻の立場と看護の両立は難しくなってきました。
将来を考え、妻と◯を閉める相談をしましたが、
内緒の日掛けを思うとそれもできず、
市に相談、デイケア(火、木)朝9時から16時まで預け、商いに精ををだしたのです。
ところが1年たった頃、母が病に倒れ寝たっきりになったのです。
こうなると看護しながら◯の営業は不可能です。
平成7年、日掛け「T」から30万円借入。
他社返済のため日掛け「K」から30万借入。
私はここまでに至る日掛けを妻に内緒したことで悩みウツ病にかかりました。
現金売上げも5.00円前後になりました。
これでは日掛けは返せないと「L」「A」から各20万円を借用、
さらに「O」30万円、「M信販」10万借入は日掛け返済悪循環の繰り返し、
まさしく自転車操業そのものでした。
平成9年7月、母が亡くなる。
その頃から借金返済のため17時から22時までパートにでるが、給料は焼け石に水でした。
平成10年、
心身無理がたたって脳梗塞で倒れ入院30日間、静養10日間を店休しました。
債権者の取り立ての仕事はわかります。
とはいえ病室までの脅迫的言動には生き返ったことを悔やんだものでした。
1銭の売上げもない状態でも日掛け返済だけはあります。
私は「A」の増額営業に、渡りに船と枠一杯の70万円を借りました。
毎日の売上げは50日間店休のせいで千円札3枚程度、
逃げた客は取り戻せなかったのです。
いまさら日掛けに手を出したのを後悔しても意味ありません。
とはいえ妻に内緒の借金をどう説明、改善するかの案は底をついてお手上げの状態です。
退院10ヶ月後、ふたたびにパート、私は昼夜、体にムチを打ったのです。
平成10年後半、
理解してながらも「N」40万円,日掛け「R」からの20万円借入も他社日掛け返済のためとはいえ地獄の苦しみが連続します。
いったい私はなんのためどんな夢を描いて◯をオープンさせたのか。
自分の人生を苦しめるつもりはなかったはずです。
妻に苦しい◯の事情を白状できればどれだけ楽になるでしょう。
なのに私は3月以降も自ら墓穴を掘り続け、日掛け「A」「B」「K商事」
「T」「Ta」と枠内借入とは情けない。
現在、債権者16件、負債総額2500万円、月の支払い74万円。
収入は◯の15万円、「6◯」8万円、妻の給料19万円、計42万円です。
どうあがいても支払い不能の数字です。
後遺症の手の震えが将来の自分を案じしてるようで死んだ方が楽と考えます。
しかし、子もなく話し相手もないまま独り人生を妻にさせるのは夫として無責任です。
できるものなら一から出直し、
新たな夢に生きたいと◯14年の未練を捨てここまでと悟ったのです。
以上が自己破産申し立てに至った経緯です。

(その後、A.niは立ち直り元気に頑張ってる様子だが不動産調停が今一とのこと。それでも土地家屋を取られずこれたのは「幸せ」と表現していい)

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