青き天体研究所

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第三話  町の崩壊    



『『『了解!』』』

隊長機だと思われる白いゲシュペンストが命令を下し、一斉に攻撃を始める。

『さぁて、お宝は何処にあるんだろうねぇ。』





「エクセレン、まだか!!」

キョウスケは住人をシェルターへ誘導し、通信機に向かってそう叫んだ!

「ごめん、フルスピードでそっちに向かってんだけど・・・」

通信機から聞こえるエクセレンの言葉からも焦りが見える。

「なら、ヴァイスでアルトを持ってきてくれ。そちらの方がスピードがある!!」

「了解!後5分待って、すぐ行くから!!」

(5分か・・・。最悪の結末にならなければ良いが・・・)

キョウスケは舌打ちをし、出来る範囲の住民救助を行った。






マグネイト=テンでは、この襲来によって大騒ぎとなっていた。

「早くシェルターへ!ここは危ないわ!!」

クスハが叫んでここの地下にあるシェルターへと向かおうとすると、

「いや・・・。屋上から飛び降りるぞ!そちらのほうが早い!!!」

そう言ってセインは、何処からか持ってきたかなり長いロープを手すりにくくりつけてロッククライミングのようにおりていった。

「早く降りろ!時間が無いんだぞ!!」

その声を聞いて決心したのかクスハ、フィス、リュウセイ、ブリットの順に降りていった。

「どうするんだ、セイン!これから・・・」

「ここのシェルターも危ない!もっと丈夫なところへ向かう。」

そう言って、近くにあった林から一台の自動車を持ってきて、

「早く乗れ!!」

セインの気迫に圧倒されながらも、全員乗り込みセインはアクセルを踏み進んでいった。





静まり返った町の中、一台の自動車が猛スピードで走っていた。

「セ、セイン。何キロで走ってる!?」

「知るか。メーターがすでに振り切っている!」

「それ以前に、無免許運転なんじゃ・・・」

「緊急回避だ!違法じゃない!!」

数々質問されていくなか、セインは一言で答えを返していた。

「しっかりつかまってろ!舌噛んでも知らんぞ!!」

そう言うと急ブレーキをかけ一同に衝撃は走った。

約一名、外に夢中で話を聞いていなかった馬鹿がフロントガラスを突き破って外へ出て行ってしまった。

「リュウセイ君、大丈夫ですか?」

「生きていたら返事をしてください。」

「な、なんとか・・・」

自動車のフロントガラスに突っ込んでいったにもかかわらず軽傷ですんでいた。

「ここ、お前んちじゃないか。」

そう、着いた先はセインの家であった。

「早くしろ!早く家の中へ!!」

そう言われ、不満ながらも全員家の中へと入っていった。





「何がしたいんだよ、セイン。」

「封印を解く・・・」

そう言って和室に連れて行き、中央の畳をはずした。

そこには分厚い扉があり、パスワードを入力しないと入れないようになっていた。

セインはパスワードを入力し、扉を開ける。

「さぁ、早く中へ。」

全員セインに続いて、出てきた扉の中に入っていった。

扉の中の階段を下りていくとなにやら広い場所に着き、セインは証明をつけた。

「こ、これは・・・」

「パーソナルトルーパー・・・?」

そこにあったのはリュウセイでも今まで見たこと無い、2体の機体であった。

いったいは接近戦用、もう一体は砲撃戦用のものであった。

「これは二年前から俺が作り出した機体だ・・・。」

そう言って、近くにあったコンソールを打ち始める。

「今から全プロテクトを解除する!フィス、手伝ってくれ。」

そう言われてフィスは、隣にあったコンソールを打ち始めた。

「セイン・・・。お前、一体・・・」

ブリットは小さくつぶやいた。







一方、地上では

「くそ!まだか、エクセレン。」

そのとき、上からコンテナが落ちてきた。

「キョウスケ、お待たせ♪その中に入ってるわ」

「了解!」

キョウスケはコンテナの中に入っていき、その中の機体のコックピットに入った。

「システムオールグリーン!いくぞ!!」

そう言うとコンテナの中からぶち破り、外へと出て行った。

破れたコンテナの中から真紅の機体が現れた。

「いくぞ、アルト!」

そう叫び敵陣の中へと突っ込んでいった。

「エクセレン。援護を頼む!」

「了解!」

言い終わるとキョウスケは更にスピードを上げて、近くのゲシュペンストの方へ向かっていった。

「止められるものなら止めて見せろ!バンカー、食らえ!!」

ゲシュペンストのパイロットは気付いたものの、回避運動が間に合わず直撃を食らってしまう。

バンカーと呼ばれた杭打ち機のような物から弾丸が発射され、ゲシュペンストは爆散した。

『た、隊長、アレはまさか』

『アルトアイゼン・・・。ベーオウルフか!?』

隊長機は、そうつぶやき一歩ずつ後退していった。

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