貴方との幸せ



 お久しぶりです。

 忙しくてなかなか此処に来ることができませんでした。

 それにしてもやっぱり此処は良いところですね」

 奈々は目の前にある墓石の前に座って花を供えながら言った。



























































 貴方との幸せ









































































 ここはとある海辺。

辺り一面草木でいっぱいで、波の音が綺麗に響く。

「私ね、結婚したの。

 とても良い人で・・・。

 もう少ししたら来ると思います。

 それにね子供も生まれるの」

 恥ずかしながら全て報告した。

「・・・私、お父さんとお母さんが殺されたとき私も死のうと思ったの。

 だけど、私、今、幸せだよ?

 死ななくて良かったって思ったよ?

 あの人に出逢えて良かったって思えるようになったよ?」

 薬指の指輪が太陽の光を反射して眩しくて、指輪の存在が大きかった。

「あ、来たみたい」

 『こっち!』と手招きする彼女の目線の先にはある男の人が走ってくる。

だけどその男の人は彼じゃ、なくて。

「・・・っ!?」
































































「奈々っ!!」

 俺の目の前で彼女は殺られて倒れた。

胸の辺りから血が滲み出てきていた。

「祐・・・。

 私ね、祐に出逢えて幸せだったよ。

 ありがとう」

 血混じりの咳をしながら彼女は目を閉じた。

そして一生目覚めぬ眠り姫になった。




























































































 俺は眠り姫になった彼女を己のキスで起こすことができなかった。

























































































「お父さんっ!!

 待ってください!!」

「黙ってついておいで。

 お前に会いたがってる人が居る」

「僕に?」

 後ろからちまちまと歩いてくる息子が愛しくて抱き上げようとしたが甘やかすのは駄目だと思い俺は我慢した。

「此処だ。

 ・・・久しぶりだな、奈々。

 お前のお母さんだ。

 そしてこの横にいるのはお前のお母さんのお父さんとお母さんだ。

 つまりお前のおじいちゃんとおばあちゃんだ」

「僕の?」

「4年ぶりだな。

 こいつは4歳になるんだ。

 ってことは奈々の生まれ変わりだな」

 っふっと笑って息子を見た。

息子は複雑な顔している。

だけどくすっと笑って『お母さん、初めまして!なひろです!』と言った。

「奈々、ありがとう。

 奈祐は俺がちゃんと育てるから、見守ってくれ」

































































 ―祐、奈祐をよろしくね・・・。































































































 2人の元に風が吹いた。

































































































 ありがちなストーリー


2004.12.28

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