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青銀狼の一匹劇場
第13話 旅は道連夜は危険
玉乗り6兄弟の物語
第十三話 旅は道連夜は危険
森の中に入っておよそ30分。さっきの入り口より全く違う風景が漂っていた。進んでいく道の周りは草木で生い茂っていて、いつどんなモンスターが出てきてもおかしくはない。そんな感じだ。
ラード「私が案内できるところはここまでです。まだ私には他の場所を巡回しなければいけないところが残っています。あとは所々木に若干傷が入っている道を通っていけば、ルブルの街へいくことができるはずです。」
ラードの道案内はここまで。まだやらなくてはいけない仕事が残っていた。この先は自分達で進んでいっていくことだ。
レッシュ「どうもありがとうです。」
エルム「せっかく出会えたのに何だか残念ね。」
ラード「いつかまた会えますよ。自然が生きている限り。それでは私はこの辺で失礼します。」
そういうとラードは走り去っていった。
アクティ・アクリュ「またね~!」
レッシュ「さて、ここから先は若干傷の入った木を目印にして道を進むです。」そして5匹はラードに言われた目印を頼りに道を進んでいく。しばらくすると幸運種達にせせらぎの音が聞こえてくる。
アクリュ「何だろう、何か聞こえてくる。」
エルム「あっちの方から聞こえてくるわ。」
5匹はその音が聞こえる方へ走っていった。するとそこには、清らかな水が流れる大きな川があった。
レッシュ「川です!こんなところにあったなんて。」
エルム「これで水も何とかなりそうだわ。」
ウォール「まぁそうだな。しかし、もう今日は進むのを止めておいた方がいいかもしれない。」
空を見渡すと、さっきまで青かった空が、きれいなオレンジ色に染まっていた。ウォールの言うとおり、これ以上進むのは止めておいた方がいいかもしれない。夜の道は危険だ。いつどんなモンスターが現れるのかもわからない。
レッシュ「今日は野宿です。アクティ、アクリュ、リュックの中に細い鉄筒が入っているから、それを取り出して組み立ててくださいです。」
アクティ・アクリュ「りょ~かい!」
双子の兄弟はレッシュに言われた通り、リュックからアルミ製でできた鉄筒を組み立てる。
レッシュ「ウォールとエルムは槇を拾ってきてくださいです。」
エルム「わかったわ。」
ウォール「槙拾いか。仕方ねぇな。」
次にレッシュはウォールとエルムに槙を拾ってくるように指示をだした。各自それぞれ作業に取りかかった。
そして刻々と時間が過ぎていき。
レッシュ「できたです!」
アクティ・アクリュ「できたできた!」
レッシュ達が作ったもの、それはテントだった。普通のテントとは少し違い、屋根の部分はシート状で覆われ、周りはむき出しになっている。でも、ここの気候は今の時季5匹にとってはちょうどいいはず。
エルム「レッシュ、拾ってきたわよ!」
そこへ槙拾いに行っていたウォールとエルムが戻ってきた。
レッシュ「ありがとうです。」
ウォール「まぁこんなものだろ。」
そしてその槙を予め、石で丸く囲っていたところに置く。
アクティ「これでなにするの?」
アクリュ「何かして遊ぶの?」
アクティとアクリュがレッシュに聞く。
レッシュ「違うです。火を熾すです。」
エルム「でも、火を熾すものって何も…あ!」
レッシュ「ふふふ、そうですぅ。」
レッシュに少し悪の微笑みが。キラン!と目を光らせた先の視線は…。
ウォール「な、何だよ!」
そして
ウォール「ったく!何で俺がこんなことしなくちゃならないんだよ!」
エルム「ウォールがいなかったら私の料理が冷めたものになるところだったわ。」
そう、ウォールは炎属性の幸運種。唯一口から火を吐けるといえばウォールしかいない。
アクリュ「やった!火がついたついた!」
ウォール「はあ、はあ…。」
何とかウォールの能力で火を熾すことができたようだ。
レッシュ「ありがとうですウォール。まさかここで役に立つなんて。」
ウォール「レッシュてめぇ、俺が居ると知ってて、わざと溜めていただろうがぁ?どうなんだよ、あぁ?」
レッシュ「ぐ、ぐるじいでずぅ…。」
ウォールはレッシュの首を締め付ける。
アクティ「まあまあ、火がついたからいいじゃないの?」
ウォール「ちっ、まぁいいや。」
ともあれ火がついたことだし良しとしよう。
エルム「ここからは私の出番ね!」
非常食でもあろうが、これでエルムのおいしい料理が食べることができる。中から小さな鉄板を取り出し、食材を炒めていく。しかしよくこんなものを持ってきたものですね…。やはり最初からこうなることを意識していたのかもしれません。そしてエルムの特性料理ができあがりみんなに振る舞われる。エルムの作った晩御飯を美味しそうに食べていた。
辺りは暗闇に包まれ、虫の鳴き声が聞こえてくる。
レッシュ「(うとうと・・・)はっ!いけないです、また寝るところでした・・・。寝なくても朝まで頑張らないと・・・。」
ただ1人レッシュは起きていた。夜は何が起こるかわからないし、みんなの安全も確保しなければならなかった。
ウォール「少しは眠ったらどうなんだ?」
するとそこにウォールがやってきた。
レッシュ「ウォール、まだ起きていたですか。」
ウォール「まぁな。ちょっと眠れなくてよ。それに火に当たりたかったしな。しかし、どうしたものか・・・やはりアクシスがいないと空気が変わっちまうものだな・・・。」
1匹の幸運種がさらわれたことで、いつもの場の空気というのは変わってしまうことだ。6匹揃えばもっと面白いはずなのに。
レッシュ「うん、そうだね・・・早くアクシス兄さんを助け出さないといけないです。」
2匹は夜空にアクシスの顔を浮かべた。無事でいるといいのですが・・・。
ウォール「今夜は星空がきれいだなぁ。」
レッシュ「ご主人もアクシス兄さんもどうしているかなぁ。」
2匹の会話がしばらく続いた。
ウォール「さてと、レッシュ、少し眠ってきなよ。しばらくは俺が起きているからよ。」
レッシュ「ありがとうですウォール。それじゃお願いするです。」
番をウォールに交代した。レッシュがテントに戻る。と、・・・ガサガサ!草むらの方で何か動く音がした。
レッシュ「ウォール。」
ウォール「あぁ。」
ジュゥウ!ウォールは側に置いてあった、バケツの水で焚き火を消した。2匹に緊張が走る。と、その時だった。
「シャァアアア!」
レッシュ「うわぁっ!」
草むらから何かが飛び出してきて、レッシュに襲いかかった。辛うじてレッシュはよけることができた。よく見ると襲いかかってきたのは、白くて赤い模様が入った蛇だ。しかしなんという大きさなのだろう。10メートルはあるだろうか、体つきも大きい。
ウォール「大丈夫かレッシュ!」
レッシュ「えへへ、何とか大丈夫です。それにしても、やっぱり出てきたです。」
どうやらこの蛇、お腹を空かして襲いかかってきたのだろう。しかし、よく見ると角が生えていて、翼が片方しかない。それに腕も片方しかない。
ウォール「ファイアブレス!」
ウォールのファイアブレス!炎の息吹が大きな蛇に襲いかかる。だが、ここで思いもよらぬことが起こってしまう。
「シャアアア!」
何とその蛇は反射の盾を張ったのだ。
ウォール「なに!ぐうっ!…ふぅ、反射の盾で助かったぜ。それにしてもこいつ、ただの蛇じゃないみたいだなレッシュ。」
レッシュ「そうですね、こいつ、どうやらドラゴンです。それにしても変わったドラゴンです。何で片方に翼と腕がないですか…。それとも何かに襲われてあんな風になったのかなぁ。」
不思議に見入っていると、そのドラゴンが強力なブレスを放ってきた。エアロシュートだ。
レッシュ「うわっ!…痛たたぁ…。」
衝撃と共にレッシュは吹き飛ばされてしまった。しかしもう次の攻撃に移っている。周りを囲むとレッシュを巨体な身体で締め上げる。
レッシュ「しまったです!・・・うぅ…苦しい…。」
ウォール「やろぉ!」
見ていたウォールが突進していく。ウォールのヒートブレイク!しかし、うまく身構えて尾の部分で攻撃を返す。
ウォール「うわぁあ!」
ズザァア!ウォールは大きく飛ばされた。
レッシュ「うぅ…このままじゃ…ぐぅ…意識が…。た…たすけ…て。」
このままではレッシュが危ない。
ウォール「くそっ…あれ?…今一瞬目の前が止まったように見えたが…。」
目の錯覚だろうか、一瞬時が止まったように見えた。
(クスクス!)誰かが笑う声が聞こえた。
ウォール「(まただ。誰かが俺に力を貸しているのか…それとも…!)一か八かだ。地中に身を潜み大地を守りし荒れ狂うものよ…爆炎の力を今、我に与えよ。ファイアテンペスト!」
灼熱の火球が蛇のドラゴンを焼き尽くす。ドーン!と大きな爆発音が響き渡る。
アクティ「な、何なの今の音!?」
爆発音でさっきまで寝ていた、幸運種たちが目を覚ました。レッシュはどうなったのか。
レッシュ「けほっけほっ…た、助かったです。」
どうやら無事みたいだ。だが、またそのドラゴンは攻撃を仕掛けてこようとした。
レッシュ「もう同じ手にはかからないです!ウォールいくです!」
ウォール「おうよ!」
殺気で辺りが静まり返る…2匹は同時に技を放った。
ウォール・レッシュ「魔法覚醒!サンダーテンペスト!!」
強大な稲妻と火球が重なって蛇のドラゴンに放たれた。
ドーン!再び大きな爆発音が響き渡った。
「ギュアアアア!」
そのドラゴンは気絶した。
レッシュ「やったです!」
ウォール「ふぅ、手こずらせやがって。」
見事2匹で蛇のドラゴンを倒すことができた。
アクリュ「ウォール!レッシュ!」
ウォールとレッシュの下に眠っていた幸運種たちが駆け寄る。
アクティ「すごいよ!今の技どうやって使うの!?」
レッシュ「あ、いや、さっきの技はとっさに出てきた技です。」
ちょっと困りながらレッシュは言った。
エルム「それにしても、あのドラゴンいったい何だったの?」
ウォール「わからない。突然草むらから姿を現し俺たちに襲いかかったきたんだ…。」
このドラゴン・・・本当の正体があるのか。片方の翼に片方の腕。一瞬ギロリと睨みつけられたような感じがした。
第13話 「旅は道連夜は危険」おわり
あちゃぁ・・・また戦闘シーンがいまいち浮かばなかったところが・・・(滅)ここ最近、まともにイメージができていないような・・・。目で追うのもいいのですが、私としてはどっちかというと声を出して読むほうが多いようです(^_^;)
次回はいよいよ主人と再会をはたします。街に着くまであとどれくらいだろうか。感想・アドバイス等のほうをお待ちしております(^-^)
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