青銀狼の一匹劇場

青銀狼の一匹劇場

第18話 いこいのカフェ



玉乗り6兄弟の物語

第十八話 いこいのカフェ

アクリュ「うぅ・・・バローゼ・・・。」
「何をしているんだ!早くあの熱いのを殺れ!」
金属性のドラゴンはアクリュの上に乗せていた足をどけて、バローゼの方を向いて雄叫びをあげる。
「グガァアアアア!!」
バローゼに向かって猛スピードで突進をする。アームズクラッシュだ。バローゼは上手く身構えることに成功する。繰り返しもう一度アームズクラッシュを打ってくる。これも上手く身構えた。すると身体中が真っ赤に染まったではありませんか。いったい何が起こっているのか。
バローゼ「ぐがぁっ!・・・グォオアアアア!!」
と、金属性のドラゴンに突進していく。そう、このときクロスガードからの反撃でヒートバイオレンスを発動させたのだ。紅き炎が燃え上がる。
ドーン!!と爆発音が響き、辺りが白い煙に包まれた。次第に煙が消えていくとともに、金属性のドラゴンは気絶していた。さすがにバローゼの燃えさかる闘志にガードは効かなかったのだろう。
バローゼ「大地から天空へ・・・そして灼熱の爆撃を、罪なる者に与えよ。ボルケーノミサイル!!」
夜空から灼熱の火山弾が次々と海賊船に落とされる。どんどん船に火の手が回りはじめる。
「わぁあああ!!俺の、俺の船がぁああ!!」
ドーン!!今度は船体が爆発する音が響く。船は真っ二つに折れてしまい、徐々に海に沈んでいく。と、動けなくなっていたアクティとアクリュが海原へ投げ出されてしまった。
バローゼ「ちっ・・・!」
バシャーン!

アクティ「こぽぽぽぽっ(身体が・・・冷たい・・・きっと海の中だね・・・もう死んじゃうのかなぁ僕・・・。ごめんアクリュ・・・僕のせいで・・・。)」
アクリュ(ここで・・・終わっちゃうのかなぁ・・・。まだ僕・・・うぅご主人・・・!)


アクティ「うぅ・・・こ、ここは・・・?」
アクリュ「うぅん・・・アクティ。僕たち・・・。」
アクティとアクリュの意識が戻った。何とか奇跡的にも一命を取りとめたみたいだ。
バローゼ「どうやら気がついたようだな。」
アクティ・アクリュ「バローゼ!」
アクティ「僕たちを助けてくれたの?」
バローゼ「あぁそうだ。」
あの時、海に投げ出された後、バローゼが助けてくれたのだ。
アクリュ「それにしてもここは?」
バローゼ「さぁな。どっかの島じゃねぇのか。」
1頭と2匹はどこかの島に漂流したようだ。でも、辺りは暗くても、月が明かりを灯してくれている。
バローゼ「ったく。それよりお前ら、何であの船に居やがった。」
若干怒っている口調で言った。
アクティ・アクリュ「そ、それは・・・。」
ただ面白そうだったから、探検したくてあの船に乗ったとは言えなかった。
バローゼ「ちっ・・・くだらねぇ。」
アクリュ「で、でも、助けてくれてありがとう!」
バローゼ「礼などいらねぇんだよ。」
素直にどういたしましてと言ってもいいのでは…。何となくバローゼが我慢しているようにも見える。今日はここでじっとしておいた方がいいだろう。ここがどんな島なのかも分からない状況だった。
アクティ「あ…プッ!あははは!」
アクリュ「どうしたの?…プッ!はははは!」
突然2匹がバローゼを見て笑い出した。何があったのか。
バローゼ「何がそんなにおかしい。」
アクリュ「角のところ。」
アクティ「何か着いてておかしい!」
よく見るとバローゼの角に海藻が着いていた。まるで爆発した髪のように見える。
アクティ・アクリュ「あはははは!」
ジュウウウ!辺りに焦げる臭いが漂ってくる。バローゼは2匹の頭を鷲づかみにしている。
バローゼ「これはこれはご親切にありがとよ、氷と金のおチビちゃんよぉ。」
アクティ・アクリュ「うわぁああ!!あつ熱い!!ごめんなさい~!!」

そしてこちらはリュシフル達。日が昇り始め早朝に次の街、イルートに到着したようだ。
『本線はまもなく終点イルート港に到着します。お降りの際はお忘れ物の無いようにご注意下さい。』
エルム「ご主人、起きて。着いたみたいよ。ご主人!」
まだリュシフルは寝ていた。エルムが起こそうとするが起きる気配がなく、まだ夢の中にいた。
ウォール「はぁ、面倒くせぇ・・・。」
エルム「むぅ・・・ホーリー!・・・。」
レッシュ「あわわわわ!だめですエルム!!」
起きないリュシフルにエルムは、いつもアクシスに放っているホーリーシュートを放とうとするがレッシュが止めに入る。
エルム「シュート!!」
レッシュ「うわぁああ!!」
眩い光がレッシュを直撃した。
エルム「ああ!レッシュ、ご、ごめん!」
ウォール「まったく・・・しかたねぇな。」
ギュウゥ!!ウォールがリュシフルの頬を両手で思いっきり抓んだ。
「いででで!!うウォール。」
ウォール「着いたみたいだぞ。」
「あ、ごめんごめん。俺また寝てたみたいだな。あははは・・・。ん?レッシュ、どうしたんだ?」
さっきホーリーシュートを喰らったレッシュに気がつく。星が上で回っている。
レッシュ「な・・・何でもないでふ・・・。」

何事も無かったかのようにフェリーから降りるリュシフル達。さて、ここで気がつくのでしょうか。ウォールがリュシフルに話しかける。
ウォール「なぁご主人。」
「どうした?ウォール。」
ウォール「何か忘れていないか?」
船内から外に出るときにちゃんとチェックはしたはず。一見忘れ物は無いように見えるが、何かが足りない。
「え?荷物はちゃんと持ってきたぞ。」
ウォール「そうじゃなくて・・・ほら。」
ウォールがエルムとレッシュを指すとその後に自分を指す。
「あぁそういうことか!なぁに心配するなよ。エルムにウォールにレッシュにアクティとアクリュ。ほ~らちゃんと・・・・・・あれ?・・・え~っと・・・エルムにウォールにレッシュに・・・・・・・・・・・・・・・。」
繰り返し幸運種達を確認するが、そこにはアクティとアクリュの姿はない。暫くの沈黙が続いた。
「ああああ!!双子の兄弟がいないぃぃい!!」
ウォール(俺達のご主人って・・・。)
やっとアクティとアクリュが居ないことに気がついたようだ。慌ててリュシフルは船員に尋ねて探してもらうことに。船員は無線を使って、それぞれの各持ち場に就いている船員に氷の幸運種と金の幸運種を探すよう命じた。しかし、しばらく経って待っていたものの、全ての返答がNOだった。確かにあの時船に乗ったはずなのに。
「そうですか・・・。」
「そう気を落とさないでください。また我々もこのフェリーでルブルに折り返しますから、もしルブルに残っていたら連絡いたしましょうか?」
「あ、お願いします。わざわざすみません・・・数日はこの街に居ますのでよろしくお願いします。」
リュシフルはその船員にアクティとアクリュの捜索願を依頼した。
エルム「何処に行ったのかしら・・・。」
レッシュ「困ったです・・・。」
リュシフルと3匹の幸運種に不安が募る。今頃高い鳴き声をあげて探しているはず。
だが。

アクティ「(もぐもぐ)おいふぃよこれ!」
アクリュ「本当だ!やっぱり焼いたすぐが美味しいよ!」
何をしているかと思えば、アクティとアクリュは焼いてある魚を食べていた。どうやらこれら、バローゼが捕ってきたものみたいだ。尻尾を使って火を熾して魚を焼いている。
バローゼ(ったく、何で俺がこんなことしなきゃならねぇんだよ!こいつらのご主人に会ったら、焼くしかねぇな。・・・しかし・・・何で俺・・・このチビどもの世話してんだよ・・・ちっ・・・。)
今は無事のようだが、リュシフルは心配している。まだたどり着くには先になってしまいそうだ。

心の中でアクティとアクリュを気にしながらも、リュシフル達はイルートの街を探索することに。この街もルブルと変わらないくらい賑やかなところだ。おそらく流通があるのかもしれない。
グルルルル・・・。どこからかお腹の虫が鳴いた。
「そういえば朝食まだとっていなかったな・・・。」
レッシュ「お腹空いたです・・・。」
でも、こんなに朝から開いている店なんてそんなにあるはずが無い。しかし、一件の店に目を向けると開いている様子。どうやらこの店カフェのようだ。看板にも「ドラゴンの餌もあります」と書かれていた。何と都合のいい店なんだ・・・。リュシフル達はその店に入る。
「いらっしゃいませ。お客様は一名様ですか?」
「はい、それとドラゴンが3匹です。」
「どうぞお好きな席へ。」
出迎えてくれたのは女性のウェイターだった。雰囲気は一般的なカフェとは変わらない感じだ。でも、店員は1人だけだった。早速メニューを見てリュシフルは注文をする。
「え~っと、野菜と、玉子サンドをそれぞれ四つずつお願いします。」
「かしこまりました、少々お待ち下さい。」
店員は調理場へ行ってサンドイッチを作り始める。少し時間がかかるだろうとみたリュシフルは、店の中を見渡す。すると一枚の額に入った写真が目に入ってきた。
「あれ?・・・これ親方・・・だよな。」
その写真には、ここにいる店員とルブルの街で出会ったあのオヤジ、そしてドラゴンが写っている写真があった。
「お待たせしました。」
レッシュ「美味しそうです!いただきますです!」
エルム「きれい!私もこれくらい作れるように練習しなくちゃ!」
ウォール「(もぐもぐ)結構美味しいな。」
サンドイッチが運ばれてきてすぐに頬張る3匹。どうやらこの料理に満足したようだ。と、リュシフルは写真のことを店員に聞くことに。
「すみません。この写真、親方と貴方の写真ですよね?」
その質問に店員は応える。
「はい、親方ってことは、もしかして私のお父さんの知り合いですか?」
私のお父さん。という事はこの人はあのオヤジの娘なのか。
「ええ、いろいろと修行を積んでて、わけあって旅に出ることになってまずこの街に来たんです。」
「そうだったのですか。私はこの街でカフェを営んでいるサリカと申します。勿論、お父さんの娘でもあります。私は小さい時からお父さんのように店を持ちたくて夢を持っていました。今もこうやって実現したのですが、お父さんみたいに上手くいかなくって・・・。」
あのオヤジと同じ職業で営んでいるこの仕事。でも、店は店でもあのオヤジとは少し違う景色がでている店だ。元々このサリカもルブルの街の出身でもあり、1人で店を開こうと決めてこのイルートにやってきたのだろう。
「でもお客さんは来ているんですよね。それだったらまだ光はありますよ。」
「え?それってどういうことですか?」
ちょっとリュシフルがいったことがいまいち分らなかった。
「自分で決めたことは必ず成功する。過去を変えることはできないが未来を変えることはできる。ってね。」
うまく分らなかったサリカに慣性のある言葉で伝えた。
レッシュ「ふぅ!お腹いっぱいですぅ。」
エルム「美味しかったわ。また食べてみたいわ。」
「ああ!!お前ら俺の分が無いじゃないか!!どうして残さないんだよ!!あぁ・・・俺のサンドイッチ・・・。」
既にお皿の上にサンドイッチは無かった。あまりの空腹と美味しさに3匹が全部食べてしまった。
「くすっ!面白い方ですね。幸運種達も可愛いですね。」
「え?あぁ、まぁその・・・ありがとうございます!こら!お前ら!」
イルートの街で最初に訪れたところが小さな憩いの場。
離れ離れになったアクティとアクリュは無事にたどり着くことができるのでしょうか。

第18話「いこいのカフェ」おわり

更新が大変遅れまして誠に申し訳ございません・・・(滅)
予想通り17話以降から詰まってしまい、場面の変化がかなり
複雑になってしまいました・・・(爆死)
しかし、ここで終わるわけにはいかないのがこの小説!!
自ら書こうと決めたことですし、しっかりと終わりまで書かせて
いただきます(?)ちなみに予定としては100話まで書く
つもりにしています(その内死ぬな)げふぅっ!!(吐血)
ごふっごふっ!で、では感想をお待ちしております・・・。

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