青銀狼の一匹劇場

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第22話 片方の翼と腕



玉乗り6兄弟の物語

第二十二話 片方の翼と腕

レッシュ『はあ、はあ・・・うわっ!・・・はあ、はあ・・・痛い!』
必死で逃げるレッシュ。後ろから黒い影が忍び寄ってくる。
『お前の能力が必要なのだぁ。さぁ、姿をかえ、世界を葬るのだ!』
レッシュ『いやです・・・いやです!う、うわぁああああ!』

バサッ!
レッシュ「はあ、はあ・・・夢・・・ですか。ふぅ、よかったです。それにしても嫌な夢です・・・ふぁああ・・・。(でも、姿を変えてってどういうことだろう・・・まぁ気にしないです。)」
夢から突然目が覚めたレッシュ。すぐにまた眠りについた。少々夢の中での事を気にした。

翌朝、リュシフルと兄弟達はカフェの外に。
「短い期間でしたが、今までどうもありがとうございました。」
リュシフルはこのカフェでお世話になったサリカに別れを告げる。泊めてもらったおまけに食事まで頂いた。
「此方こそ、リュシフルさんのおかげで自信が持てた気がします。またいつか遊びにいらしてくださいね。」
「はい、いつかまた遊びに来ますね。それでは。」
アクティ・アクリュ「またね~!」
リュシフル達はカフェを後にした。そして、北西にある森を目指すことに。

数十分歩いて、イルートの街からかなり離れたみたいだ。目の前の景色も変わって、直線の道がまっすぐに伸びていた。辺りは多少草が生えていて、遠くには自分達が進む森も見られる。
「ふぅ、まだ遠いけど、あの森を抜ければ城も見えてくるはずだ。」
アクティ「はあ・・・はあ・・・もう歩けないよ。」
アクティが座り込んでしまった。汗も出ていて体力を少し消耗している様子だ。この日は日差しも強く気温がやや高めだった。
「大丈夫か?アクティ。ほら。」
ボトルに入れておいた水をアクティに与える。
アクティ「(ごくごく)けぽっ・・・まだフラフラするよご主人・・・。」
ちょっとこの日はアクティにきつかったか。それとも体調が万全ではないのか。そう思いリュシフルはアクティを背負っていくことにした。
「よいしょ、と。仕方ないか。しばらく我慢してろよ。」
休む間もなく再出発です。
ウォール「今日の天気は最高だぜ!」
ただ1人ウォールだけ絶好調だった。それもそのはず、気温が高めだしもってこいの日和。
レッシュ「ウォールは元気がいいです。」
アクリュ「でも、何かアクティきつそう。大丈夫かなぁ・・・。」
心配そうに見守るアクリュ。アクティの顔が少し赤くなっているのが窺える。風邪でもひいたのでしょうか。
「もう少しで涼しいところに着くからな。」

再び数十分して。ようやく森の入り口にたどり着くことができた。
「ん?何か居るな。」
リュシフル達に1頭のドラゴンが目に入ってきた。そのドラゴンは幼竜で、属性は炎だろうか。身体の色からしてそうだろう。でも、暴れている。よく見てみると、足に何かが挟まっている。誰かが仕掛けた罠にかかったのだろう。と、リュシフルが近づいていくと低いうなり声をあげはじめた。かなり警戒している様子だ。気にすることも無く近づき、罠を外そうとしたその時だった。
「うわぁっ!!」
エルム「ご主人!」
そのドラゴンはリュシフルの腕に噛み付いた。
「大丈夫・・・今助けてやるからな・・・。」
尚、食いつかれながらも罠を外そうとする。暫くするとドラゴンは噛み付くのを止めた。このドラゴン自身リュシフルは悪いやつじゃない。そう思って少しずつ慣れてきたのだろう。
ウォール「野生のドラゴンなのに、すぐにテイマーに慣れるなんて・・・。」
ウォールが独り言を言う。普通の大きい野性のドラゴンだったら、食べられてもおかしくは無い。でも、今助けているのは幼竜だ。そして、罠が外されリュックから包帯を取り出して巻き付けてあげる。
「もう大丈夫だぞ。」
そのドラゴンは森の中へ姿を消した。もう罠にかかるなよ。
「さてと、次はアクティだ。大丈夫か?」
木に寄り添ってぐったりとして座っている。
アクティ「身体がだるいよご主人・・・。」
さっきより容態が悪化しているように見える。アクティの頭に手を当てると、熱かった。
「風邪・・・かなぁ。ほら。」
リュシフルにも分からなかった。アクティがどんな病に侵されているのか。
エルム「症状がアクシス兄さんと似ているわ。」
「え?アクシスにも似たような症状があったのか?」
エルム「うん、薬の原料となる氷雪草がこの森にあれば治せるかもしれないけど。」
以前にアクシスが頭痛を訴えたとき、氷雪草の粉末とマテリアルエキスを与えたことがあるエルム。少し薬のことにも詳しいが、その原料となる氷雪草がこの森の中にあればアクティの病を治すことができる。
「氷雪草か・・・よし、この森の中を探そう!ちょうど通らないといけない場所だしね。よいしょ、もう少し我慢してくれアクティ。」
アクティ「うん・・・ご主人・・・。」
アクティを背負って兄弟達と森の中へ。急がなければ・・・。


エルム「う~ん・・・違うわ・・・これも違う・・・。」
アクリュ「エルムこれは?」
手に取った草をエルムに見せる。
エルム「ううん、それも違うわ。なかなか見つからないわ・・・。」
一生懸命氷雪草を探すが、それらしきものは見つからない。
アクティ「はあ・・・はあ・・・。」
更に容態が悪化している。このままではアクティが危ない。
ガサガサ!奥の草むらで何かが動いた。
レッシュ「何か居るです。」
ウォール「敵か・・・?」
兄弟達は身構える。ウォールとレッシュは前に、アクリュとエルムはリュシフルとアクティを守るように体勢をとった。
ガサ!
「シャアアア!!」
と、草むらから大きな蛇が襲いかかってきた。
レッシュ「よっと!危ないです。」
ウォール「何だこいつ。にしてもどこかで・・・。」
この蛇、どこかで身に覚えがある。その蛇には角があって、片方の腕と片方の翼しかなかった。間違いなくドラゴンであろう。体つきも大きく体長も10m近くはあった。
レッシュ「ウォール、こいつラードと出会ったところの森でも。」
以前ラードが居る森で戦ったドラゴンと似ている。でも、以前戦ったあのドラゴンとは、色が違って濃い灰色をしていて模様の形は違うものの、色は赤で同じだった。
ウォール「あぁ、でも何か殺気が違う。もしかすると強力な技を持っているかもしれない。」
レッシュ「ここは戦うしかないです!」
ウォール「おうよ!」
戦闘が始まった。
ウォール「ファイアブレス!」
レッシュ「サンダーブレス!」
ウォールとレッシュはそれぞれ手始めに魔法技を放った。しかし、相手ドラゴンもそこまでおろそかではない。ウォールとレッシュの魔法技を防ぐためシールドを張った。魔法を打ち消す。と、その時だった。
ウォールが放ったファイアブレスが氷塊に、レッシュが放ったサンダーブレスがダガーになって跳ね返ってきた。
ウォール・レッシュ「うわぁあっ!!」
自分の弱点である魔法が襲いかかってきた。これは普通の反射の盾ではない。
「あれは・・・反転の盾!ウォール、レッシュ。気をつけろ!そいつは自分の放った魔法を弱点として跳ね返してくるぞ!」
リュシフルが2匹に忠告する。
レッシュ「わかったです!」
ウォール「なら打撃で攻めるまでだ!いくぞ!」
身体から炎が燃え上がるウォールのヒートブレイク!だが、相手は身構える体勢をとった。鈍い音がし、ウォールのヒートブレイクは全く効かなかった。すぐに反撃が返ってくる。
ウォール「うわぁっ!」
尻尾を上手く使って攻撃された。
レッシュ「ウォール!大丈夫ですか!」
ウォール「あぁ・・・やっぱり妙な感じがする。あの時戦ったドラゴンと関係があるかもしれない。」
片方の翼に片方の腕。やはりあのとき倒したドラゴンと関係があるのか。双方しているうちにそのドラゴンは襲いかかってくる。
レッシュ「うわぁっ!!」
地面が砕ける音がし、レッシュが吹っ飛ばされてしまった。それを見ていたウォール、むやみに動くと危ない。身構えて体勢を整える。しかし、これがハズレになるとは思ってもいなかった。片方の翼と腕を持ったドラゴンは口に青白い光を溜め込む。
「エアロストライク!ウォール危ない!」
たまらずリュシフルがウォールを庇う。と、青白い光が放たれた。
エルム「ご主人!」
アクリュ「危ない!」

第22話「片方の翼と腕」おわり

さて、今回のお話はと・・・ちょっと分かりづらかったかもしれませんが、
ここで解説を。以前13話に片方の翼と腕しかないドラゴンが現れまし
たが、今回はその森に出てきたドラゴンと関係があるのか、という
お話でした。
毎回中途半端に終わって申し訳ございません・・・m(_ _;)m
辛口のコメント、感想お待ちしております音符

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