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青銀狼の一匹劇場
第26話 永久に輝け
玉乗り6兄弟の物語
第二十六話 永久に輝け
「すぐに地獄へ送ってやるぜ!」
ガロアが突進していく。ヴァンプバイトだ。その動きを見たエルムは身構える。しかし、相手の動きが異常に素早すぎる。
エルム「きゃっ!…何て素早い動きなの…!?」
辛うじてガロアのヴァンプバイトを避けることに成功した、しかし、すぐにまたヴァンプバイトで噛みついてこようとする。
「ちっ、外したか。だが次はそう簡単にはよけられねぇぜ!」
またガロアがヴァンプバイトで攻撃を仕掛けてくる。
エルム「ホーリーブレス!」
エルムも負けじとホーリーブレスで、相手を閃光状態にして打撃を封じる作戦にでた。
「グアッ!…小賢しい真似を…グォアアア!!」
しかし、ホーリーブレスを放って怯んだものの、閃光で目が眩まなかった。
エルム「きゃあっ!」
噛みつかれるかと思いきや、エルムは必死でよけようとした反動で躓いてしまった。
「ふっ、もらった!!」
また打撃で攻めるかと思いきや、今度は魔法技を使ってきた。と、三匹のゴーストがエルムに襲いかかる。ベノムソウルだ!シールドで守ろうとするがうまく守ることができなかった。
エルム「うぅっ!!…けほっ!けほっ!…胸が苦しい…。」
まずい。どうやら毒に侵されてしまったようだ。このままでは毒によって蝕まれていく。
「もう毒が回ったか。さすが対属性とあって効果は抜群だな。それとも自分自身の不幸の予感か?ふはははは!」
エルム(痛い…今の私じゃひとときのいやしだけしか…。)
今の状況からすれば完全に相手のペースに持っていかれてる。エルムにとっては不利の状態だ。
「このままいけば餌となるのも同然。ん?」
エルムが何か呪文を唱えているのにガロアは気づく。
エルム「優しき光と暖かい心よ。傷ついたその身体を今…きゃあっ!!」
ダークブレスがエルムを直撃した。
「ちっ、小癪な真似を。回復技を使われたらやっかいだな。ならこっちから吸収してやるぜ!」
ガロアの身体が濃い紫色のオーラが出てきた。と、魔神の腕が出てきてエルムを捕まえる。デーモンズハンドだ。
エルム「いやぁっ!!放してー!!」
じわじわとエルムの体力を奪っていく。
「ふはははは!!もっと苦しめ!そのままもがき倒れたところを食われるのだ!はははは!」
デーモンズハンドがエルムの体力を蝕んでいく。と、しばらくすると魔神の手から解放された。エルムは倒れてしまい、意識が無い状態に陥ってしまった。
「ふっ、もっと手応えがあると思っていたが意外にも早く終わったか。さぁて、ここからはゆっくりその身体を貰うとするか。」
『エルム…エルム!起きろ!』
誰かの声がエルムを呼ぶ。
『ううん…ここは…。』
『エルムしっかりしろ!』
と、辺りが暗闇に包まれている場所にルクが現れた。
『ルク!…私、死んじゃったのね…。』
『何言ってやがる!お前はまだ死んでなんかいない!ただ気絶しているだけだ!』
ただ気絶しているだけ、エルムにはその言葉が信じられなかった。
『嘘よ!私はもう死んだのよ!ルクと同じように…。もうだめになったのよ!』
『話を聞け!!』
と、間発入れずルクが怒った口調で言った。
『いつものお前らしくねぇな。お前がそんなやつだったとは呆れたぜ。』
厳しい言葉をルクは投げつけた。ルクの言ったことに、返す言葉が見つからないエルムは黙り込んでしまった。
『エルム、俺があのとき何て言ったか覚えているか?』
『・・・自分との戦いに負けるなって・・・。』
少し聞き取りにくい声で言った。
『じゃぁ何故そうやってすぐ悪い方向に決めつける。俺が見てきたエルムはこんなはずじゃないぞ。』
『ごめんルク・・・。(私、何言っているんだろ・・・。戦う前にみんなのところに行くって決めたのに・・・。)』
ガロアと戦闘する前のことを思い出した。
『俺はお前にこうやって話しかけることしかできなくなったが、戦う時はいつも俺が力になっていることを忘れるな。エルム、あの闇のドラゴンを倒し、次の路へ進め!』
『ルク・・・ぐすん・・・ありがとうルク!(そうよ、まだ終わってはいけないわ!ルクの言われた約束を守らないと!)』
「このまま血祭りにしてやるぜ!」
と、ガロアが食い付こうとした時だった。突然エルムの身体から眩い光が放たれた。
「グァアアッ!!な、何だこの光は!!」
エルム「まだよ。まだ終わってなんかいないわ!神秘の輝きをもつ永久の精霊よ・・・光のベールで我を守護せよ。永久のいやし!」
エルムは清き心の精霊に祈った。永久のいやしが包み込み、体力が少しずつ回復するようになった。
「まだ死んでいなかったのか・・・とっとと終わらせてやるぜ!」
ガロアが突進していく。普通の打撃技を打ったかのようにみえたが、途中で分身が現れた。シャドーファントムだ。この一撃で決めるつもりだ。
エルム「その言葉、すぐに裏返してみせる!ホーリーシュート!!」
エルムの得意技ホーリーシュートが放たれた。
「グァアア!!前が!見えねぇ!!」
見事にホーリーシュートが当たった。ガロアが閃光で目が眩んで見えなくなった。怯んだ隙をみて、エルムは呪文を唱え始める。この大技で決める。
エルム「(光の私、ルクを見てきたんだ。私だって使えるはず!お願い!能力(ちから)を貸して!)神聖なる光の竜よ、今我が身に能力をかさんとし、いざ降臨せよ。闇にうごめくものを浄化せん!神羅烈風!!」
神秘なる光がエルムを包み込み、ガロアに突進していく。一時的にルクの姿が現れたような気がした。
「ば、バカな!この・・・この俺がぁあ!!グァアアアア!!」
眩い光に包まれガロアは消え去っていった。
エルム「すぅ~・・・ふぅ~。勝てたわ!」
深呼吸をして勝利の喜びを言う。しかし、まだこれで終わったわけではない。次の階に進んで他の仲間を助けないといけない。と、ゴゴゴォ!という音がして目の前に階段が現れた。
エルム「早く次の階へ行かないと!」
急いでエルムは次の階へ進み階段を登っていく。そして次の階で待っていたものは・・・。目の前に1匹の炎幸運種が倒れていた。
エルム「ウォール!!ウォール、しっかりして!」
ウォールの下へ駆け寄って起こす。
ウォール「うぅん・・・ここは・・・エルム、俺どうしてここに。」
エルム「私たちは罠にハメられたのよ。他の皆はそれぞれの階に居るみたいだけど、急がないとこの城に居るドラゴン達に食べられてしまうわ。」
今の状況をウォールに伝える。
ウォール「何!じゃぁここに居る暇はない。階段はどこにあるんだ!」
ウォールが階段の場所を聞くが、辺りを見回すと、さっきエルムが登ってきた階段もなくなっていて、次に進める階段も見当たらない。と、1頭のドラゴンが暗闇の中から現れた。
「どうやらガロアを倒したみたいですね。全く、彼も大したことありませんでしたね。まぁ死んでくれてせいぜいしますよ。」
このドラゴン、黒装束を纏っている。
ウォール「貴様城に入っていったときの!そろそろその黒い服を取って正体を見せやがれ!」
「ふふふ、いいでしょう。貴方達も城の中へ入って来たことですし、正体を明かしてあげましょう。」
と、黒装束を脱ぎ捨て正体を現す。このドラゴン、闇の亜種濃だった。
「改めて紹介しましょう。私の名はイプシロン、ジュノン様に仕えし闇のドラゴン。それにしても、幼竜より美味しそうですね。」
ケンタウルスのような姿をしたドラゴン。いったいどんなドラゴンなのか。
ウォール「こいつ・・・俺達を食う気でいやがる・・・。」
「では早速始めましょうか。炎幸運種のウォールよ。」
ウォール「ちっ、食われてたまるかよ!」
ウォールとイプシロンの戦いが始まった。
エルム「ウォール!私からのサポートよ!」
戦う前にエルムが輝く光をウォールに与えた。
ウォール「これは・・・永久のいやし!助かるぜエルム!」
輝く球体はウォールを包み込み、永久のいやしがサポートしてくれるようになった。だが、これが不幸の予感を発動させるようなことになろうとは思ってもいなかった。
ウォール「行くぜ!炎の力を見せてやる!」
イプシロンに突進していく。ヒートブレイクだ。早々とけりをつけて先に進む気持ちでいて、更にめまいで相手を怯ませる攻めだ。
「お急ぎのようですが、ここはじっくり戦いましょうか。ふふふふ。」
ウォールのヒートブレイク!が、しかしイプシロンは両手に紫色の球体を作っている。
「初めは打撃と来ましたか。ならば私の祈りで動きを止めてみせましょう。ハァアッ!」
と、イプシロンは紫色の球体をウォールに放った。
ウォール「何!・・・うっ!・・・力が入らない・・・。」
「それは私が預かっておきましょうか。」
するとウォールに纏っていた光の球体が消えた。と、イプシロンの周りに光の球体が現れたではありませんか。このときウォールの身体から永久のいやしが消えたことにより、イプシロンに永久のいやしが移ってしまった。イプシロンは祈り交換の念を発動させたのだった。
ウォール「エルムから貰った永久のいやしが・・・このやろー!!」
またヒートブレイクで突進する。
バシッ!しかし、ウォールは弾き飛ばされてしまった。
ウォール「うわぁあっ!!」
「ふふふふ。ずいぶんと元気がいいですね。では少し遊びましょうか。」
今度は口から霧状のブレスを放ってきた。ところがウォールはシールドを張ろうとはしなかった。どうせたいした技ではないと思ったのだろう。しかし、この判断が誤りだった。
ウォール「こんなの大したこと・・・あれ・・・?何か前が見えなくなって・・・。」
徐々にウォールの身体に異変が表れた。どうしたことだろうか、後に暗闇で目が見えなくなってしまった。更にそれだけではなかった。
ウォール「うぅ・・・めまいまでしてきやがった・・・どうなっているんだ・・・?」
「効果ありましたね。これがカオスブレスの能力なのですよ。」
エルム「カオスブレス・・・。」
カオスブレス。混沌のブレスで相手に様々な影響を及ぼしてしまう魔法技。ウォールは暗闇とめまいに侵されてしまった。
「何も見えないのが恐怖だろ?次はこの技でいきましょうか。」
前が見えない。ここは身構えるしかない。そう思ったウォールは防御体制に入った。しかし、イプシロンの姿が見えない。と、その時だった。
エルム「ウォール後ろ!!」
「もう遅い!!」
ガスッ!!
ウォール「うわぁあっ!!」
ウォールの背後から突如として現れ攻撃をしてきた。シャドーブレイク。吹き飛ばされたウォールをイプシロンは踏みつける。
ウォール「うぁあああ!!」
「ふはははは!もう貴様は私に勝つことはできぬ!そのまま死ぬがいい。」
このまま押し潰されてしまうのか。
第26話「永久に輝け」おわり
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