青銀狼の一匹劇場

青銀狼の一匹劇場

第28話 決戦『前』



玉乗り6兄弟の物語

第二十八話 決戦『前』

「痛て…このやろぉ。不意打ちでくるとは…。これでも喰らいやがれ!」
デルタが魔法技を放つ。さっきの技より威力が大きい。
アクティ「零下の大地を守りし静かなる精霊よ、凍てつく結界を敵に与えよ。シールド!」
アクティのシールド!目の前に氷が輝くような盾を張った。魔法を打ち消したが、何も変化が無いように見えた。ところがデルタの周りに凍えるような風が吹き抜けた。
「ふっ、何も無いじゃないか。驚かしやがって。」
アクティ「まだ分からないみたいだね。僕が張ったシールドの効果が。お前も氷付けにしてやる!フリーズストーム!」
アクティのフリーズストーム!
「喰らうかよ!シールド!…何!…何故シールドが使えない!」
アクティ「お前のシールドはさっき、僕が使った盾で使えなくなった。氷付けになれ!」
そう、さっきアクティに攻撃したデルタはアクティのシールド効果により盾が使えなくなったのだ。あのときアクティはシールド封じの壁を張ったのだ。
「お、俺の身体が!」
デルタは氷付けになってしまった。
アクティ「今だアクリュ!」
アクリュ「うん!鋼鉄の鎧を纏う不屈の精霊よ、鉄拳の鋼よ敵を打ち砕け。モーニングスター!」
アクリュのモーニングスター!
バリーン!鉄球がデルタを直撃し、氷共々砕け散っていった。残りは闇亜種成竜だけだ。
「で…デルタが!ちっ…ここは逃げるしかない。まだ終わったと思うなよ!必ずジュノン様がお前たちを倒すのだからな!」
既に足元の氷が溶けていた。ルシアは暗闇の中へと消えていった。


アクティ「やったねアクリュ!」
アクリュ「僕たち勝ったんだね!」
見事に二頭の成竜を倒すことができた。とは言ったものの一頭は逃げてしまったが…。
エルム「二人とも凄いよ!2対2の戦いを制すなんて。」
アクリュ「ありがとうエルム!」
アクティ「何とか勝てて良かったよ。」
ウォール「残ったのはレッシュだけか…。」
戦いが次から次へと終わっていき、4匹の兄弟が集まった。残ったのはレッシュただ一人、いやアクシスもいる。いよいよ決戦の時が近づいてきた。話をしているうちに最後の階段が現れた。
エルム(あの階段を昇ればレッシュとお兄ちゃんが…。)
ウォール(ついにここまできたか…。)アクティ・アクリュ(アクシス兄さん…。)
みんなの思いは一緒。あの階段を昇れば…。


「クックック。ついに4匹揃いましたか。あと少しなのですがねぇ。」
「ジュノン様!!」
ジュノンの前に一頭のドラゴンが現れる。このドラゴン、アクティとアクリュを相手していた闇成竜のルシアだ。
「ルシアですか。残念なことに二匹のおチビを倒すことができなかったみたいですね。」
「も、申し訳ございませんジュノン様!…。私たちには止めることができなくて…。」
恐る恐るルシアが謝罪する。と、ルシアの下にジュノンがゆっくり近づいて来る。
「そうでしたか。まぁ気にしないでください。ゆっくりするといいでしょう。」
「あ、ありがとうございますジュノン様…。」
ザクッ!!鋭い凶器が刺さった音がした。
「うぐっ!!あ…ぐ…じゅ、ジュノン様…何を…。」
背後から突如ジュノンはルシアを刺した。赤と紫が混じった血がポタポタと落ちていく。
「何か勘違いをされたようですね。私はゆっくりするといいでしょうと言ったのですよ。もしかして意味が分かりませんでしたか?クックック。」
「ど…どういうことですか…!!グァアアアア!!」
「つまりお前にもう用は無い。ヒハハハハ!。」
ルシアの急所をえぐり出そうとするジュノン。何という残酷なことを…。
「グァアアアア!!」
「私からのプレゼントだと思ってください。goodnight.」
ザシュッ!!ルシアの背中からジュノンの腕が抜かれた。ルシアはすぐに息を引き取った。手に引きちぎった肉を持ってジュノンは食べ始める。
「(グチャグチャ)…ちっ…やはり光最強種の血がいちばんいいですかね。クックック。」
するとそこへ4匹の幸運種たちがたどり着く。目に入ってきた光景に兄弟たちは我を疑った。
エルム「な…なにこれ…。」
ウォール「血が大量に…それにあれはさっきアクティとアクリュが戦ったドラゴン…。」
幸運種たちが見たもの、それはさっきアクティとアクリュが戦ったドラゴン、ルシアが無惨に倒れている姿があった。
「おやおや。これは可愛いおチビ共ではないですか。ようこそデスドレイク城へ。私の名はジュノン・カオスデス。以前にも自己紹介しましたっけ。クックック。これは失礼。」
ウォール「自己紹介なんてどうでもいい!!レッシュとアクシスはどこだ!!」
ウォールが2匹の居場所を聞く。
「それだったらそこに倒れていますよ。クックック。」
ジュノンが指したところには一匹の幸運種が倒れていた。
アクティ・アクリュ「レッシュ!」
そこにはレッシュが倒れていた。慌ててみんなレッシュの下に駆け寄る。
エルム「レッシュしっかりして!」
レッシュ「うぅん…ここは…エルム!それにみんな!」
どうやら危害はなさそうだ。後はアクシスだけだが、何か忘れているような…。
レッシュ「と言うことはここは最上階ですか…。それよりご主人はどこですか?」
レッシュが4匹に尋ねる。
アクティ「あ…そういえば…。」
アクリュ「すっかり忘れていたみたい…。」
エルム「まさか…!」
ふっとエルムがジュノンの方を向く。もしかしてリュシフルは…。
ウォール「俺達のご主人をどこへやった!」
再びウォールが今度はリュシフルの居場所を尋ねる。すると。
「クックック。どこへ行ったのでしょうねぇ。あなた達のご主人様は。もしかしたら、私の腹の中かもしれませんねぇ。クックック。」
まさかこいつ、人間までも食していたと言うのか。でも、本当にリュシフルは食い殺されてしまったのか。
ウォール「こいつ…。」
どうしたことか。いつものウォールだったらファイアブレスを放ってもおかしくはないはずなのに。以前石化された恐怖が残っているのかもしれない。
レッシュ「(ご主人は生きてるです。信じるです。)それよりアクシス兄さんはどこですか!」
「僕ならここにいるよ。」
暗闇の中からアクシスが出てきた。よかった、無事だったんだ。でも何か様子がおかしい。
レッシュ「よかったです。早くこっちに来るです。」
レッシュがアクシスに近づこうとした時だった。
レッシュ「うわっ!な、何するですか!」
ダークブレスか、突然魔法技を放ってきた。
アクシス「僕に近づくな!お前はこの僕が倒すのだからね。」
どうしたのだろうか。仲間のはずのアクシスがレッシュに攻撃をした。
レッシュ「な…何を言ってるですかアクシス兄さん。僕が分からないですか?レッシュだよ!」
アクシス「レッシュ?知らないねそんなドラゴン。僕の目の前に居るやつらはみんな居なくなってしまえばいいんだ!」
アクシスの言ってることが分からない。もしかすると、ジュノンに操られているのか。
「クックック。これは面白いショーが見られそうですね。」
エルム「お兄ちゃんに何をしたの…元に戻してよ!」
エルムの要求にそう簡単には解放しなかった。
「それは無理ですね。これから楽しいことがたくさん起きるのですからね。むやみに私に攻撃したって無駄ですよ。私に食べられたくなければ別なのですがねぇ。さぁ闇のおチビ、お前の力を見せてやるのです。クックック。」

アクシス「さあ僕と戦うです。」
アクシスはレッシュに戦いを挑んだ。
レッシュ「いやです!僕は兄さんと戦わないです。」
仲間同士の戦いなんて嫌だ。レッシュは拒否する。
アクシス「僕は兄さんなんかじゃない。どうしても戦わないなら、こっちから攻めるまでだ!」
とアクシスがレッシュに体当たりをする。ボディブレイクだ。ドスッ!
レッシュ「うわっ!…いたた。アクシス兄さん目を覚ますです!うわっ!」
更にアクシスは体当たりをする。
アクシス「お前の力はそんなものか。そんなことであれば僕に勝つことはできない!ダークブレス!」
今度はダークブレスを放ってきた。しかし、レッシュはシールドを使わなかった。
レッシュ「うっ!…僕を…僕を忘れてしまったのですか兄さん。僕は絶対に戦わないです!」
お願い、元のアクシスに戻って。レッシュはその気持ちで精一杯だ。
アクシス「まだ言うか。なら力尽きるまで攻撃は止めない!」
もはやアクシスに何を言っても無駄のようだ。ジュノンに操られているかぎり。アクシスはレッシュを殴り続ける。といっても小さな身体からして平手打ちをしているように見える。バシッ!バシッと何度も繰り返す。
レッシュ「(いやです…絶対に…絶対に戦わない…。)うぐっ!!」
怯んだせいか、レッシュが地面に両手をついた。
アクシス「もうおしまいか。面白くないなぁ。ん?」
アクシスが何かに気づいた。レッシュの方に目を向けると様子がおかしい。
レッシュ「うっ!…グルルルル…うがぁっ!兄さん…止めるです。僕から離れ…ぐあっ!…グォアアアア!!」
突如レッシュの身体から眩い光が放たれた。この光はあのときの!また暴走してしまう。
アクシス「何だこの光!うわっ!眩しいぃ!」
暫くすると、眩い光が治まった。そこにあった光景は一頭の雷最強種の姿があった。
エルム「あのときの雷最強種…レッシュがまたあの姿に…。」
誰もが驚いた。普通は幸運種から最強種に姿を変えることは不可能。有り得ない光景にみんなは沈黙した。
レッシュ「グルルルル…。」
低いうなり声をあげてアクシスを睨みつける。
アクシス「あぁ・・・な、何なんだこれ・・・・・・・・・!!うわぁああ!!何なのこのドラゴン!」
アクシスの目つきが変わった。どうやら雷最強種になったレッシュの姿を見て、恐怖感があふれ元にもどったのだろう。と、レッシュがボルトストームを放った。地面を壊し、アクシスを吹き飛ばした。
アクシス「うわぁあああ!!」
ズザァア!!
エルム「大丈夫お兄ちゃん!」
運良く兄弟達の所へ飛ばされた。
アクシス「み、皆・・・来てくれたんだね!よかったよぉ・・・。」
思わず涙が零れ落ちる。よほどここに居たのが寂しかったのだろう。
エルム「泣かないでよもう、こっちまで泣きたくなるわ・・・。」
アクリュ「それよりレッシュが!」
こうしている場合ではない。最強種に姿を変えたレッシュを何とかしなければ。それに闇最強種のジュノンも居る。この2頭のドラゴンを止めなければいけない。しかし、幸運種達だけで止めることができるのだろうか・・・。

第28話「決戦『前』」おわり

台詞が沢山あって、何だか台本ですね・・・f^^;
今回は一部グロいシーンが含まれていましたが、お気になさった
方、誠に申し訳ございませんm(_ _;)m
次回はいよいよ終盤へ、幸運種達はジュノンを倒すことが
できるのだろうか。

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