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青銀狼の一匹劇場
※第30話 荒れ果てた地
玉乗り6兄弟の物語
第三十話 荒れ果てた地
「ううん…ここは…。」
一匹の幸運種が目を覚ます。そこは緑が枯れているところが多く見られる場所。ここがどこなのかも分からない。
「そうだ!確か城に居てジュノンを倒して、骨のドラゴンに…。」
僕は確かに城に居たはず。それなのにどうしてこんなところに。ここにとばされる前の記憶も無くなっていた。
「ご主人!アクシス兄さん!レッシュ!アクティ!ウォール、エルム!」
みんなの名前を呼んでみる。しかし、返事すら返ってこない。みんなあのドラゴンに倒されてしまったのか。ふとあることに気づいた。目の前に自分たちの住処である竜堂院があった。でも、あちこち壁などがはがれ落ちており、住むには不可能に近い状態だった。と、一つの石像が立っていた。見たところ鳥みたいなドラゴンの彫刻、彫刻?もしかしてこの石像。
「そんなぁ…竜堂院を守ってくれていたアサギリまで…。」
ポタッ、ポタッ、アクリュの目から雫が落ちて、地面に染み込んでいく。一人になった以上もうどうしようもないのか。
「?…これは…ご主人のノート。」
ちょっと先に砂埃をかぶったノートが落ちていた。これはリュシフルのノート。確かレッシュが一冊旅立ちのときに持っていたはずだったが、もう一冊何か書き記していたのだろう。アクリュはページをめくって読み始める。
「そのドラゴンを戦場に駆り立てることができるのであれば、世界は予定通りに変わるであろう・・・。これって…あの続きなのかな。確かにこのノートに書き記した通りになってる。でもこれが本当だったら…。」
ノートに書き記されていたのはネルヴァの倒し方などが載っていた。これが本当なら、元の世界に戻るはず。でもいくつか問題がある。これからどうすればいいのか、どうやって兄弟達を探せばいいのか。考えなければいけないことがいろいろあった。とりあえず小腹が空いてきた。アクリュはそこら辺を見て回ることに。数分ぐらいすると、一つのパッケージがついた缶を見つけた。それは非常食のカンパンだった。早速缶を開けてパンを食べるアクリュ。どことなく普通の味しかしなかった。
(みんなどこに行ったんだろう。何だかじっとしてられなくなってきた。)
心の中でみんなを捜さなければ。誰かが呼んでいるようにも感じた。アクリュは竜堂院から離れることにした。リュシフルのノートを持って。
一時間ほどして、辺りに少しずつ緑が見られるようになってきた。ここら辺はまだ自然のエネルギーが残っている。
「ふぅ。どれくらい歩いただろう。とりあえず、進むだけ進まないと……あれ…?」
バタッ!突然アクリュが倒れてしまった。どうしたというのか。
「ううん…ここは…。」
アクリュはいつの間にかベッドの上で寝ていた。
「ん?おや、気がついたようじゃな。ふぉふぉふぉ、こりゃよかった。婆さん!気がついたぞい!」
側に一人の老人が座っていた。どうやらこのお爺さんが助けてくれたみたいだ。
「おやおや、気がついたみたいだねぇ。よかったよかった。いまスープを温めておるから少しまっててくれよ。」
お婆さんも様子を見に来た。この老夫婦は悪い人じゃないみたいだ。
「散歩しておったらお前さんが倒れておったから、こりゃ大変だと思ってのぉ。」
「えっと…あ!(ご主人に言われてたっけ。あまり他人や見知らぬ人には喋らないようにって。)キュ~!」
僕はあえて鳴き声で喋るようにした。
「ふぉふぉ、元気になったようじゃの。」
(う~ん…困ったなぁ。早くみんなを捜さないといけないのに…しばらくの間、ここで居座るしかないかなぁ・・・。)
アクリュはしばらくここに居座ることにした。もし、急にどこか行ったりしたら心配して迷惑をかけてしまう恐れがあるからだ。せめて明日には出発できるようにしなければ。
「ほら、あったかいうちにお食べ。」
「キュ~!」
テーブルの上にスープが置かれ、アクリュはスプーンを使ってすする。スープの中にはトウモロコシが入っていた。何か懐かしい味がしてとても美味しかった。
「しかし珍しいこともあるものじゃの。」
「本当だねぇ。まさか家の近くに倒れていたなんて思ってもいやしなかったよ。家族が増えたみたいで少し嬉しいよ。」
老夫婦は棚の上に飾ってある写真を眺めた。僕もそれをみた。そこにはこの家に住む老夫婦と一人の青年が写っていた。
「孫が出ていってどのくらい経ったやら。」
「キュウ?」
どうして出ていったの?と質問するような鳴き声を出した。それを理解してか、お爺さんが話す。
「お前さん知りたいのか?よし教えてやろう。かれこれ10年は経つかのう。ある日、孫息子はドラゴンマスターになると言ってここを旅立つことになったのじゃ。もちろんわしは止める気はなかった。お前の進む道に、わしは妨害をしたりしないと・・・。じゃが、3年後に一回帰って来ると言ったのじゃが、それが帰ってこないのじゃよ。心配したわしたちは探すことにしたのだが、むやみにここから離れるのにもいかなくてな・・・。」
この老夫婦の孫息子は要するに世界一のドラゴン使いになると言って旅に出たのだろう。でも、一度帰ってくるといったなら帰って来てもおかしくないはず。ちょっとそこが気になった。何か事件に巻き込まれたとしか言いようがなかった。
しばらくお爺さんの話は続いた。僕は睡魔が襲ってきてうとうとしていた。そろそろ寝ないと…小さく鳴いた。
「キュ~。」
「ん?もしかして眠たいのかい?今部屋に連れて行ってあげるから、ついておいで。」
お婆さんの言われてた通り僕はついて行く。案内された場所は二階の一つの部屋だった。中に入ってみると、だいぶ使っていない様子が伺える。でも掃除がしてあってきれいだった。
「ベッドをきれいにするからね。ちょっとまってくれよ。」
少し埃をかぶっていたのか、布団を叩く。
「さぁいいよ。」
「キュ~!」
僕は鳴き声と同時にベッドに飛び込んだ。ふかふかしてて気持ちよいベッドだ。
「何かあったら遠慮なく言っておくれ。」
そういうとお婆さんは部屋の外へ出ていった。
「ふぅ、何か今日は1日が経つのが早く感じるなぁ。…あ!そういえばご主人のノート!…う~ん…まいいや。今日はもう寝よう。」
疲れたことだし、今日はもう寝ることにした。
翌日、ベッドから起き上がってみると、窓の外から日差しが差し込んでいた。外から小鳥の鳴き声が聞こえてくる。僕は部屋から出て一回へと降りていく。そこでは老夫婦が朝食の準備をしていた。
「おぉ、起きてきたか。ゆっくり眠れたか?」
「キュ~!」
元気のいい鳴き声で返事を返した。
「おぉ、そうかそうか。もうすぐで朝食ができるからの。」
しばらくして、テーブルに朝食が揃った。トーストにサラダにヨーグルト。健康的な食事でバランスよく組み合わせてある。僕は喜んで食べた。どれもすごく美味しかった。美味しかった…頭の中に光の幸運種がでてきた。
朝食が終わると暇になってしまった。僕は窓際に座ってここから見える空や景色を眺めることにした。今日の空はちょっと薄雲がかかってる程度で天気は晴れだった。
「ふぉふぉ、どうやら外が好きみたいじゃのう。どれ、わしと散歩に行こうか。」
この日はお爺さんに誘われて、散歩をすることにした。
外の空気が一番。そう思った。
そして、早くも1日がまた終わろうとしていた。何か日記でも書いてみたい。でも、書くものと下記写すものはない。仕方ないよね。
そして次の日、その次の日も僕は同じ行動ばかりをしていた。5日ぐらい続いただろうか。そして6日目の時だった。それは僕が外を眺めていた時だった。
「なぁ婆さん、最近気になっとったのじゃが、あのドラゴンずっと毎日窓から外を見ておるけど、もしかすると、主人がいるのではないかと思ったのじゃが…。」
「爺さんもかい。あたしもそれを言おうと思ってたよ。」
老夫婦が気づいた。このドラゴンには本当のご主人がいるのではと。それを聞いたアクリュはきょとんとした顔で後ろを振り返った。と、お爺さんが僕に寄ってきてこう言った。
「なぁ、お前さんひょとして主人がいるのか?」
お爺さんの質問に僕は少し小さい鳴き声を出してうなずいた。このとき思った。もう本当のことを話そうと。
「はい、ご主人が居ます。」
今まで鳴き声で喋っていたのを、言葉にして言った。
「何と!お前さん喋れるのか!こりゃびっくりした!」
「ごめんなさい・・・今まで黙っていて・・・。僕はご主人を捜すために旅に出ることにしたのです。それから仲間たちも・・・。どこに居るのかは分からないけど、きっと見つかると信じて・・・。」
「そうだったのかい。でも、私たちは気にしておらんよ。本当のことを言ってくれて嬉しいよ。」
お婆さんは笑顔で応えた。僕が来てくれたことで、嬉しかったのだろう。
「明日にはここから旅立とうと思います。少しでも早く進みたいですから。」
「よし!わかった!そうとなればお前さんの手伝いをしないとな!」
「私も手伝おうかね。」
明日のために老夫婦は僕のために旅の用意をしてくれることに。そして・・・。
「今までありがとうございました。ご飯もいただいて本当に申し訳ないです。」
「なぁに気にすることはないぞ!無事に主人の下に着くのじゃぞ!」
「気をつけて行っておくれ。」
このとき何か自分の成長が感じられた気がした。老夫婦が見送る中、僕は再び旅立つことになった。
「本当にありがとうございました!」
第30話「荒れ果てた地」おわり
大変更新が遅れて申し訳ございませんでしたm(_ _;)m
多少文章に乱れがあると思いますので、修正する可能性がある
かもしれません・・・。もし修正した場合はトップページに更新履歴に
掲載しますのでお願いしますm(_ _)m今回も短くて申し訳
ございません・・・(滅)
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