おきらくごきらく

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○儲けのルール3



 商品戦略よりも重要なエリア戦略
  商品戦略では、成功する商品の探し方を紹介したが、現実的には競争力のあ
  る商品を見つけたり開発するのは難しい。
  ◆商品3分に売り7分。売ることに力を注ごう。

 アメリカにないエリア戦略。
  経営学やマーケティングのほとんどはアメリカからのもの。
  日本の経営学者やコンサルタントも皆、その解説をやっている。
  エリア戦略は事情が違う。
  ◆日本で営業するあなたは、日本独自のエリア戦略を学ばなくてはならない。

 お客さんが多いところは敵も多い
  お客さんが多いところには、競争相手もたくさんいる。みんな、お客さんが
  多いところの方が儲かると思っているから。
  でも、お客さんの多いところでは、競争相手があなたの会社を側面から妨害
  してくる。しかも、競争相手との力関係は、ランチェスターの第2法則のと
  おり、2乗比になる。自分が競争相手に比べて戦闘力をもっていれば有利で
  すが、戦闘力がなければ圧倒的に不利になってしまう。
  ですから、人口が多いところがいいとか、営業エリアは広い方がいいという
  のは、競争条件が有利な会社にとってはいい戦略。
  ところが、今から独立しようという人や力の弱い小さな会社は逆。
  こういうエリアで、独立して間もない会社や小さな会社が営業すれば、特別
  な商品力をもたない限りは、強い会社からまともに2乗作用を受けることに
  なる。
  ◆戦闘力は2条になって弱者を襲う。経営は戦争と同じ。だからあなたは競
   争相手がたくさんいる都心部での営業は不利になる。

 東京で三流よりも、地方で一流
  東京では三流の会社でも、地方に行けば一流か二流になることもできる。
  大都市には上がいくらでもいるから。
  東京ではどうも上手くいかんという人は、地方にUターンまたはIターン
  するのもいい。
  地方では東京ほど強い敵がいないですから、これもひとつのやり方。
  「鶏口となるも牛後となるなかれ。」
  大都市でビリよりも、地方で一番を目指す。これが弱者の戦略。
  ◆これから起業するなら田舎はいいぞ。

 地方でも誰も行かないエリアを狙う
  とはいうものの、地方にも各業界にはそれなりに強い会社がある。
  独立したばかりで、商品や営業の差別化もできない会社が、強い会社から
  圧迫されずにお客さんを作るには、営業エリアの差別化が必要になる。
  それが、「一騎打ち戦的エリア市場」。
  「一騎打ち戦的エリア市場」とは、地域の独立性が高く、経済規模が小さ
  いところをいう。
  つまり、強い競争相手がいない場所ということ。
  こういう大手が無視するエリアは、独立者や小さな会社にとってはチャンス。
  ◆田舎にいるあなたは一騎打ち戦的エリア市場でより有利な経営を

 都市なら盲点・死角を狙う
  住まい等の関係で大都市でやらざるをえない場合はどうすべきか?
  人口の多い都市の中心部は大企業や地元の大手が数多く存在し、競争も激しく
  なっている。そこへ独立したての会社や小さな会社が行っても、とても勝ち目は
  ない。人口の多い都市でも、周辺に山や丘がせり出していて、半分盆地のように
  なっているエリアがある。
  さらに、川や鉄道、高速道路、工場など建築物で分断されているエリアがある。
  こういうエリアを「都市型の一騎打ち戦的エリア市場」という。
  「都市型の一騎打ち戦的エリア市場」は盲点や死角になりやすく、大企業や強い
  会社の営業マンは無視しているので、都市の中でもライバルがいないエリア。
  独立して間もない人や小さな会社は、都市の中心部を避け、こういった都市の中
  の盲点・死角を狙うべき。
  「都市型の一騎打ち戦的エリア市場」にあるお客さんのところには、あまり営業
  マンも来ることが無いので、都市の中心部に比べると面会率も高く、断りも厳し
  くないので、販売技術が未熟な人でもそれなりに実績が出せる。
  人口の多い都市で独立した人は、まず都市の周辺部で得意先を作って実績を出す。
  それから徐々に中心部に向かって行くのが正しい手の打ち方になる。
  ◆都市で営業するあなたは、まず「都市型の一騎打ち戦的エリア市場」から攻め
   ていこう

 営業エリアは狭くしよう
  営業エリアを広げると市場が大きくなる→見込み客が増える→売上げも利益も上が
  ると考え、小さな会社でも「関東一円どこでも行きます」的な企業が多い。
  しかし、少ない人数で営業エリアを広げると、特定の単位面積あたりに投入する販
  売力がそれだけ低下する。
  例えば営業マンの人数は同じなのに、営業エリアの半径を2倍に広げると、円の面
  積は半径の2乗となり、単位面積あたりに投下する販売力は4分の1になってしま
  う。
  外に出て営業する業種の、日々の仕事時間を分けると、移動時間・社内時間・面談
  時間、になる。
  当たり前ですが、移動しているときや、会議そのものからは、何の売上げも利益も
  生まれない。
  経営で利益を生むのは、商品とお客さんのお金を交換したときだけ。
  つまり、利益を上げるには、面談時間をいかに増やすかが大事になってくる。
  特に、配達弁当などのような小口の取り引きは、移動時間を少なく抑えないといけ
  ない。
  移動は新規開拓のときに限らず、その後も納品、集金、アフターサービスなど頻繁
  に発生する。
  とにかく、移動コストほど高くつくものはない。
  目に見えないロスをなくすことが非常に大事なのです。
  とにかく、見えざる敵は移動時間だということを忘れてはなりません。
  バタ貧支部長にはなるな!!(バタ貧は詳しくは本書をみてください(笑))
  ◆利益が生まれるのは、商品とお客のお金を交換したときだけ。移動時間を短くす
   るために、営業エリアは狭くしよう。

 究極のとっあんエリア戦略。
  絞ったエリア内で集中的にお客さんを増やすには、まずそのエリアをいくつかに分
  け、そのうちのひとつのエリアに集中する。
  まずひとつ片付けたら、二つ目のエリアに展開し、ひとつずつ片付ける。
  このようなやり方を「各個撃破主義」とか「個別目標達成主義」と言う。
  配達弁当、保険、リフォームなど、どんな家庭や会社でもニーズがあり、1回の取
  引金額が小口の場合、「各個撃破主義」が有効。
  まず、自分の営業エリアを決めよう。
  それを、電車の踏切、川、国道などで仕切り、そのエリアをいくつかに分け、ここ
  を集中的に回ります。ここで一位になるまで頑張る。
  一位になったら、巡回数を減らして横のエリアへ移動する。
  そして、自分の営業エリア内にお客さんを少しづつ増やしていき、敵を追い出す。
  「敵を追い出す」ことが出来たら、もう怖いものなし。
  ◆敵を追い出すには営業エリアは区切って、1つずつ攻略していこう。

■信念の人になるには、やけどが必要なこともある。
 競争条件が不利だったら不利でも勝てるところを探す。
 そして、エリアも不利な人手も勝てるエリアを探す。そして、原則を検証してみる。
 検証することで信念になる。
 迷っていると信念の人では力が違う。
 賢者は人の失敗を見て自分の教訓にするが、愚者は人の失敗を見ても自分の教訓にし
 ない。自分が失敗して初めて学ぶといいます。
 ただ、失敗と挑戦は紙一重ですし、自分と会社の命に別状がない範囲でなら、やって
 みてもいいでしょうか。
 ◆競争条件が不利なあなたは、それでも勝てるエリアを探す。失敗してもそれを信念
  に変えるくらいの気持ちで。


◎まとめ
 エリア戦略3大原則と四つの効能
  原則1.「強い競争相手が少ないエリアを選ぶ」
  原則2.「営業エリアを狭い範囲に絞る」
  原則3.「絞ったエリア内で集中的にお客さんを増やす」

  効能1.ムダな移動時間が少なくなる!
  効能2.お客さんとの面会時間が増えて売上げが上がる!
  効能3.エリア内でのシェアが高まる!
  効能4.競争相手が逃げ出す!・・・業績アップ!



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