EMBRACE OF LIGHT

EMBRACE OF LIGHT

第7話

俺の中でも何かが燃えた 。俺達の敵は カオス軍 のはずだけど・・・そんな事今はどうでもいい。

・・・・今は━━━


目の前のコイツが許せねぇ!!

ウルフ : ・・・プロテクト 解除 BLS 発動



第7話
「BLS」




ウルフの異変はすぐに起きた。各部のフレームがパージされ、 隠されていた姿が露わにされる。

天山  : ・・・・な、何ですか・・・・あれは?

全てのSMSを片付け終わった天山は、ウルフの変貌ぶりに驚愕した。

━━━そして、ガラティーンに乗る2人もまた


シリウス: アミィ・・・俺は知らないぞ、こんな・・・こんなシステムの事は。

アミィ : わ・・・私も知らないよぉ!で、データ確認!!

アミィは目を閉じ、何かを模索する様に目を動かす

アミィ : ・・・・ダメダメ~!該当データ無いよぉ!!

飛鳥の味方は全員混乱したが、それは敵であるセストも同じだった。

セスト : ・・・お、おい・・・何・・・何が起こってるんだよ!あ・・・飛鳥君!!

セストの叫びに呼応したかのように、コード・ウルフの周りに風が吹き荒れた。

荒れ狂う風を 脚部のくるぶしにあたる球状の物体 に蓄えていく。そして、ゆっくり立ち上がった。


セスト : ・・・な、何してるんだよぉ・・・・お前ぇぇぇ!!!!!

自我を亡くしたかの様にウィザードを突っ込ませるセスト。だが、そのウィザードを 吹き荒れる風 が吹き飛ばした。

セスト : ぐぅぅっ!・・・な、何だよ・・・何が起こってるんだよ!!

飛鳥  : ・・・・ベルリア。

ベル  : [・・・・・・。]

飛鳥  : ・・・・大丈夫、親父さん達・・・生きてるよ、きっと。

ウィッチにウルフの顔を向け、泣く子をあやす様に優しく語りかけた飛鳥。そして、再びウィザードに視線を戻した。

飛鳥  : ・・・すぐに お呼びでないヤツ を片付けて、助けに行くぞ!!

ウルフ : オン ユア マーク・・・BRS・・・フルスタート

ウルフは大地を蹴った。一瞬のうちにウィザードの側面に到着し、回し蹴りを喰らわせる!

セスト : うあっ!!

その衝撃は確実にセストの脳を揺らした。操縦を誤られたウィザードは無様に前方に倒れ始める。

飛鳥  : まだ・・・・寝るな!

今度は前方にウルフが回りこむ。倒れかけているウィザードの頭部を蹴り上げ、体勢を上に持っていった!

セスト : ぐっ!!

軽く宙に浮いたウィザードを、今度は正拳突きで後方に吹っ飛ばすウルフ。

セスト : くぅぅぅ!!な、何がどうなって・・・!!

セストは驚いた。かなりのスピードで吹っ飛ばされてるはずのウィザードに ウルフは追いついていた。

その目は赤く、その名の通り 獲物を見つけた狼 の如く素早い動きだった。

吹っ飛ばされているウィザードの正面・・・ウィザードと密着する程スレスレの上空に来たウルフは再び、今度はウィザードの腹部を殴る。

ウィザードは地面に叩きつけられながら後方に飛んでいく。止まると今度のウルフはマウントポジションを取る形でウィザードにのしかかる。


飛鳥  : ・・・・痛いか?

セスト : ・・・・・・・。

恐怖で言葉も出ないセストに飛鳥は語りかける。

飛鳥  : ・・・・でもお前は・・・もっと痛い思いをしなきゃなんねぇ。まだまだ足らねぇよ!!!

ウルフはファングをセットし、ウィザード目掛けて振りかぶった!!

セスト : ひっ!!

ベル  : [やめて!!]

ベルの声がウルフを止めた。未だにその場から一歩も動いてないようだが、ベルの気はしっかりとしているようだ。

飛鳥  : ベルリア・・・・何でだよ!コイツはお前の親父さん達を━━━

ベル  : [家族だもん!!]

・・・!!

通信から嗚咽が聞こえていた。ベルは泣いている。

ベル  : [やっぱり・・・・何されたって・・・・家族だもん・・・]

セスト : ・・・・・・。

ウルフ : ・・・・タイムオーバー BRS及ビ機体 機能停止・・・

ウルフのその発言後、計器全ての光が消えていく・・・

飛鳥  : え?・・・あ、おい!!

コード・ウルフの目から光が消え、機械の止まる音と共にウルフは沈黙した・・・・



ガラティーン 飛鳥個室(仮)




あの後どうなったかってぇと・・・動かなくなったコード・ウルフからコード・ウィザードは脱出して、何も言わずに逃げていった。

ガラティーンに収容されたウルフと外されたパーツ・・・フレームって言ったっけ?それは今、Nエリアのメカニックマン達が総動員して付け直してる。

ベルリアの両親、 ロッド主任とスペラ副主任 は、ケガをしているけど、命に別状はないそうだ。

そして俺は・・・機体から無理やり降ろされて、形式上では 殺人未遂 で自室に軟禁されてる・・・何でだよ?

飛鳥  : ・・・・・・。

俺も知らなかったコード・ウルフのシステム・・・・確かウルフは BLS って言ってたな。

飛鳥  : ・・・・あれは流石にヤバイよな。

ドアを叩く音が聞こえた。誰か来たようだ。

・・・・天山か?

ベル  : 飛鳥君・・・入ってもイイ?

・・・・ベルリア!?

飛鳥  : あ・・・あぁ。

ベルが外側からかけられた鍵を開けて入ってきた。酷く疲れきった顔をしている。顔色も良くなかった。

飛鳥  : ・・・・だ、大丈夫か?

ベル  : ・・・・うん。色々と事後処理やってて。

ベルはフラフラしながらベッドに座る飛鳥の隣に座り込んだ。

ベル  : ふぅ・・・・・あ、今日から私もこの部隊に配属になったから。ヨロシクね。

飛鳥  : あ・・・・うん。と言っても、俺は 仮所属 のはずなんだけどな。

ベル  : そうなの?あんだけスゴイ操縦してるから、てっきり正式に所属してるのかと思ったw

飛鳥  : !!

・・・・スゴイ操縦って・・・やっぱ ウィザードとの戦闘 の事なんだろうな。

飛鳥  : ・・・・・あの

ベル  : うん?

・・・・言わないと。

飛鳥  : その・・・・ごめんなさい!!

ベッドの上に上がり土下座をした飛鳥。ベルは面食らった。

ベル  : え?え?な、何よ急に!!

飛鳥  : 俺・・・殺すつもりなんて無かった!ただ止めようとしただけなのにウルフが・・・

ベル  : ・・・・・

飛鳥  : あ、いや、ウルフのせいにするのはおかしいよな。・・・俺の経験不足だった。本当にごめん!!

ベル  : ・・・・言いたい事はそれだけ?

酷く落ち着いたベルの態度。飛鳥にとっては怖いものがあった。しかし━━━

ベル  : ・・・殺してないでしょ?セストを。

その言葉は、飛鳥を安心させようとするベルの気持ちが詰まっていた。

ベル  : 飛鳥君は・・・純粋に私を助けてくれようとしたんでしょ。ありがとう。

飛鳥  : ・・・・・・。

ベル  : それに・・・謝るのは私の方だよ。助けに来たつもりが助けられてるんだもん・・・・ごめんね。

飛鳥  : ・・・・・ベルリア。

・・・・突然ベルが下を向き肩が震え始める。

飛鳥  : あ・・・・え?ご、ごめん。

・・・・何で謝ってんだ?俺。

ベル  : ・・・も、もう・・・・ダメ・・・・ぷっ!アハハハハハハハ!!!

いきなり笑い出しましたよ!?

ベル  : あ、あのさぁ・・・・私達もう仲間なんだよ?

飛鳥  : ・・・・え?

ベル  : あ、でも飛鳥君はまだ なんだよね・・・・でも仲間だし。

飛鳥  : ・・・・・だ、だから?

ベル  : だぁかぁらぁ!・・・・その 「ベルリア」 っていうの・・・ヤメにしない?何かくすぐったいよw

飛鳥  : は・・・・はぁ。

ベル  : 普通に 「ベル」 って呼んでよ。同い年なんだし。

飛鳥  : あ・・・やっぱそうなんだ。

ベル  : あっ♪年下に見える?それとも・・・・年増って言いたいの?

・・・・怖い、目がすわってる!!

ベル  : ・・・・ぷっ!アハハハハ、冗談よ!

いや!冗談に見えなかったんですが!?

ベル  : 私も今度から 「飛鳥」 って呼ぶから。ネッ♪

飛鳥  : あ・・・・うん。

何だか・・・・ちょっと照れるぞ?

ベル  : ・・・・あれ?何で顔赤くしてるの?

飛鳥  :  ひぇっ!? (裏声)

ベル  : なぁに?もしかして照れてるの!?あはっ、か~わ~い~い~♪(抱)

飛鳥  : うおっ!?お、おいこら!!抱き・・・抱きつくなって!!!

・・・・コイツ、ぜってぇおちょくってる!! 俺を!!

飛鳥がにわかに怒りを感じていると、ベルの動きが止まった。

飛鳥  : ・・・・・?ベルリア?

ベル  : ベルだってば!!

ベルの大声に飛鳥は少し驚いた。

ベル  : ・・・・ゴメン。少しだけでいいから・・・このままにしてもらっていいかな?

?・・・・どういう事だ・・・・!!

理解できてない飛鳥だったが、その後すぐに聞こえたベルの嗚咽で理解できた。

飛鳥  : ・・・・・うん。

そう・・・だよな。明るく振る舞ったってやっぱり・・・・辛いよな。

飛鳥  : ・・・・簡単にはいかないかも知れないけど、俺も手伝うから・・・セストを止めよう?

ベル  : !!・・・・・うん・・・・うん!!

今回の事・・・誰よりも辛いのはベルなんだ。・・・・何とかしてやりたい。その為には━━━



??? ???




Cチャイルド : 一時はどうなるかと思ったけど・・・・よくやったよ、セスト。

セスト : ・・・・・・。

カオス チャイルドの前にセストは立っていた。それを背後で見ていた2人の男女・・・・

??? : この小僧・・・本当に信じてよろしいので、2代目?

??? : あらぁ♪少なくてもアンタよりかは使えそうよ?・・・腹の内は見えないけどね。

Cチャイルド : やめなよ、2人共。これから僕らは 仲間 になるんだからさ。

セスト : ・・・仲間になるのは構いませんが、僕は僕の好きなようにやらせていただきます。

??? : な、何だと!?

??? : あららぁ♪かなりの困ったちゃんねぇ。

セスト : ・・・・それでは、ウィザードの調整をしてきます。

セストはカオス チャイルドに背を向け歩き出した。

Cチャイルド : ・・・・ふふっ、面白いね・・・彼は。

??? : よろしいのですか!?あの様な者を野放しにしておいて!!

Cチャイルド : 構わないさ。道は違えど、行き着く先は同じだ・・・ってね。

??? : あら♪お優しいのねぇ、2代目は。



??? ???




セスト : ・・・・・。

セストはウィザードが記録した ウルフとの戦闘映像 を見ていた。

セスト : (・・・・こんなシステム、見たことがない。コード・ウルフ・・・一体あれは?)

映像を切り、コックピットシートに深く座り込む

セスト : (・・・まぁいい。今度会った時は必ず・・・・そしてベルも。)

━━━そのままセストは深い眠りについた。



続く


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