EMBRACE OF LIGHT

EMBRACE OF LIGHT

第18話

ウィッチHPTとドラグーンの戦闘は攻守の入れ替わりが激しいものとなっていた。

天山の駆るドラグーンの刀を紙一重で回避し、逆にウィッチHPTが銃剣一体型の インペリアル改 で突きを与える。それをまたドラグーンが回避・・・


・・・・すっげぇ。

飛鳥は口を開けたままその戦闘を見守っていた。


第18話
「炎にたたずむ黒と白」


ロッド : ・・・まさかここまで仕上げたとはな。

飛鳥  : ・・・え?

スペラ : 本来、ウィッチは中・遠距離の戦闘に特化した機体なのよ。つまり、ドラグーンの様な 近距離に特化した機体 には全くと言って良い程対処できないの。

飛鳥  : いや、でも・・・今のウィッチ、どう見てもドラグーンと張り合えてるぞ?

シリウス: おそらくウィッチの追加武装が近距離でも効果を表してるんだろ。

確かにそうだった。スキを見て懐に飛び込んできたドラグーンをウィッチHPTは ある武装 で引き剥がしていた。

ベル  :  K・B・D・S

改良されたウィッチHPTのフェイス部分、ちょうど口の辺りから発射された高出力ビーム砲がそうしていた。

・・・・怖っ!Σ(゚д゚lll)

スペラ : K・B・D・S・・・・Kiss Before Dying System。接近してきた敵に対して自動ロック、その後高出力のビーム砲をお見舞いする自動迎撃システムね。

カタリナ: Kiss Before Dying・・・・ 死の接吻 かぁ。そのまんまねぇ。

・・・・そのまんまねぇってあーた、 あれ見て引かねぇのかよ!

迎撃システムにしては少し威力のある代物だった。下から狙われたウィッチHPTは、そのシステムのポテンシャル通り下を狙ってビームを放った。かろうじて回避したドラグーンだが、地面は焼け焦げ抉れていた。

ロッド : ・・・・敵には回したくないな。

・・・・その反応が一番正しいんだろうな(;´∀`)

ドラグーンとウィッチHPTは再び距離を取り対峙した。

ロッド : ・・・ベル、そろそろ SMS の性能をテストしたいのだが。

ベル  : [え~!?も、もうちょっとだけ!もうちょっとだけやらせてよ!!]

ロッド : ・・・・これはリベンジマッチじゃない。あくまで 性能テスト だ。忘れるな。

ロッドの説得にしぶしぶ返事をするベル。そして、SMSを起動させた。

・・・・誰もが驚いた。棺桶から出てきたSMSに。


・・・な、何だアレ?3つだけ棺桶でけぇと思ったけど・・・何だかゴツい感じになってる( ; ゚Д゚)

5機中2機は以前と変わりが無かった。ただ、残る3機は2機と比べ2回り程大きく、肩部に何やらスピーカーの様な物が取り付けてあった。

ベル  : ・・・・それじゃあ、行くわよ。(フォーメーションRSS、スタート!!)

ベルの思考がSMSに瞬時に送り込まれた。同時に大型SMS 3機がドラグーンの周り、トライアングルを組む形で陣形を組んだ。

天山  : 速い!?

ベル  : 遅い!!

ドラグーンが飛び上がるより前に3機のSMSはその機能を始動させた。

スピーカが細かく振動している。外からはその様にしか見えなかった。だが━━━


天山  : なっ!か、身体が動かない!?

天山は慌てた。彼の乗るコード・ドラグーンはパイロットの動きをダイレクトに機体に伝えるシステム MAS を採用している。つまり自分の身体が動かない事が意味していたのは━━━

カタリナ: RSS・・・データでは リストレイン・サイレン・システム とありますねぇ。リストレイン・・・ 束縛 ですか?

スペラ : あらあらぁw

飛鳥  : あらあらぁwって それだけか感想はぁ!?(゚Д゚#)

あ、あれはもう魔女じゃねぇ・・・S○女王だっつの!!

恐らくモニター室で見ていた男性は満場一致でその気分を味わっただろう。同時にそれ以上の恐怖を味わってる天山を同情していた。

ベル  : ・・・・さぁて、どう弄ってあげようかなぁ♪

・・・・性格までソレらしくなってんぞ!?

ベルが行動を起こす前にテストが終了したのは・・・・言うまでもない。



Nエリア 格納庫



飛鳥  : ・・・だ、大丈夫か天山?

ドラグーンから降りてきた天山を心配する飛鳥。動きがぎこちなく、妙にグッタリしていた。

天山  : え、えぇ何とか・・・・しかし、何と言うか・・・・凄いですねぇ、あのSMS。

汗を拭いながらウィッチHPTを見上げる天山。ハッチが開きベルも下に降りてきた

ベル  : 敵機の機体を抑制するシステムなんて、今までありませんでしたしねぇ。私もあそこまで凄いとは思ってませんでしたw

・・・・パイロットが把握してないのは如何なものかと(;´∀`)

ベル  : 評価・・・改めてもらえました?

ベルが悪戯っぽく天山に話しかける。天山は苦笑いを浮かべながら━━━

天山  : あそこまで追い詰められれば考え直すしかないでしょう?w

ベルは満面の笑みを浮かべた。「天山に勝った」という事実がベルにとっては嬉しかったのだろう。

その後、3人で他愛もない話をしていた。和やかな雰囲気を漂わせていたが、ソレを突如鳴り響いた警報が打ち砕く。


飛鳥  : な、何だ!?

シリウス: お前たち!

深刻な顔で3人に近づくシリウス。只事ではない様子だった。

天山  : 何かあったんですか?

シリウス: この施設周辺の4都市が攻撃を受けてる・・・・ 同時 にな。

飛鳥  : ど、同時に!?

Nエリアは研究施設を中心に4つの都市が囲む形で作られている。その4都市が同時に攻撃をしかけられていた。今までに無い状況だった。

天山  : 敵は?

シリウス: それが・・・3都市はカオス軍の汎用タイプらしいんだが・・・・・・

飛鳥  : ・・・もう1つは?

次にシリウスの口から出てきた言葉でベルは飛び出した。

飛鳥  : ま、待てベル!危ねぇよ!!

天山  : 罠かもしれません!ここは作戦を━━━

ベル  : 考えてる間に壊滅でもしたらどうするんですか!?私行きます、後の3都市ヨロシク!!

コックピットに消えていったベル。同時にウィッチHPTは起動し、施設を飛び出していった。

飛鳥  : あのバカ・・・シリウス、その情報・・・本当だろうな?

シリウス: 間違いない。識別は・・・・ ウィザード だった。

天山  : ここに居ても仕方ありませんね。散開して僕たちも迎撃に当たりましょう。

飛鳥  : でもあと3つだろ!?どうすんだよ━━━

??? : 残りは俺が引き受けよう!!

・・・・聞き覚えのある声に天山と飛鳥は絶句した。



Nエリア 第1都市 フレイマス



ベルが到着した時は街は既に 酷い有様 だった。

建物は、そのほとんどが全壊。火の海と化していた。逃げ惑う市民の叫び声が嫌と言う程スピーカーから聞こえてくる。


ベル  : 酷い・・・・なんて事してんのよ。

新たな爆音が聞こえた。音のした方向を向くベル。何かが素早く動いてるのが見えた。

ベル  : (あれは、SMS!?・・・・やっぱそうなんだ。)

シリウスから聞いた言葉・・・ここまで来るまでその情報が本当なのか信じられなかった。しかし今見えた物が事実だと物語っていた。

ベル  : アンタ・・・・何してんのよ・・・・セストォーーーーー!!!!

ベルは叫んだ。彼の行っている非道と自分に対しての裏切りを一まとめにして。

散開していたSMSが1点に集中し、収納された。そこに居たのは・・・見間違えるはずが無い。ウィッチの兄弟機 ウィザード だった。


セスト : 久しぶりに会いに来たっていうのに・・・随分と酷いじゃないか、ベル。

セストの声だった。街1つを全壊させた人間とは思えない程、落ち着いた口調だった。

その態度が逆にベルの逆鱗に触れていた。


ベル  : こんな光景見せられて挨拶も何もないでしょ!アンタ、自分が何してるのか判ってるの!?

セスト : 判ってるさ・・・・ 毒素の排除 だよ。

ベル  : 毒素・・・・ですって?

壊れた建物、逃げ惑う人々、親と逸れて泣いている子供・・・セストはこれを毒素と言っている。ベルの怒りは頂点に達していた。

ベル  : アンタは・・・こういう事する人だとは思ってなかったけど・・・

ベルの怒りに反応したのか、無意識のウチにSMSを格納している棺桶は開け放たれた。

ベル  : どうやらそれは・・・私の見る目が無かったってオチみたいね。

生きる屍の様にゆっくりとした動作で起き上がるSMS達。ベル同様にセストの乗るウィザードに敵意を剥き出しにしている。

セスト : ・・・ふぅ、判ってないのはキミだよ。

ウィザードはセストの意思に反応してSMSを射出した。2機だった戦場が今ではSMSを含め10機になっていた。

ベル  : 判んないし判りたくもないわよ・・・・アンタのくだらない考えなんてね!!

ウィッチが走り出したのをきっかけにSMSも動き出した。



続く


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