EMBRACE OF LIGHT

EMBRACE OF LIGHT

第20話

研究施設の方向から激しい閃光を確認したのは、飛鳥が丁度全てのCタイプを沈黙させた後だった。

飛鳥  : ・・・な、何だ?

何が起きたのか全く理解していない飛鳥。ただ、何か良からぬことが起きてるという事は本能的に察知していた。

天山  : [飛鳥君、少しガラティーンの方達が心配です。こちらもすぐに片付けて向かいますので先に行ってもらえませんか?]

飛鳥  : ・・・あ、あぁ。

天山に促されてウルフをガラティーンの居る研究施設へと走らせる飛鳥。そのスピードは本人が感じた不安からだったのだろうか・・・徐々に速さを増していった。

1時間もかからずに飛鳥は研究施設にたどり着いた。いや・・・正確に言うなら「研究施設があった場所」だ。

遥か前方に2つの点がある。飛鳥はそれを拡大して見た。ガラティーンと・・・・見慣れない漆黒の機体。

漆黒の機体はガラティーンの動力部に鋭い鉄拳を突き立てた


飛鳥  : ・・・・!!

引き抜いた直後、ゆっくり・・・ゆっくりと地面に吸い込まれるかの様に墜落していくガラティーン

飛鳥  : う・・・・・

憎イカ?


飛鳥  : うあ・・・・

許セナイダロウ?


飛鳥  : あ・・・あぁぁ・・・

ナラバ我ト共ニ


飛鳥  :  アアァァアアァァァ!!!!!


第20話
「禁忌の 姿 、再び」



ガラティーンの沈黙を確認したライトハンドは、自機の損傷をチェックしていた。機体への直接的な損傷は防げたものの、防御用として身に着けていたマントはボロボロになり、自慢の大剣は途中で折れている。

Rハンド : ・・・重力砲か。なかなか楽しませてくれた・・・

Cチャイルド : (ライト・・・そちらの首尾はどうだい?)

脳に直接響く主の声・・・ライトハンドが唯一忠誠を誓う青年の声だ

Rハンド : 二代目・・・・全ての目標を達しました。艦の搭載機は散り散りに戦闘を開始。艦の方は既に沈黙しております。

Cチャイルド : (そうか・・・セストには少し道化を演じてもらう事になったけど・・・ウィッチは必ずセストを追うからね。)

Rハンド : ・・・・・・。

ライトハンドは不満を抱いていた。先程までの会話で一度もセストの名は出していない。新参者のセストを気にかけるのが気に食わない様だ。

Cチャイルド : (とにかくご苦労様♪帰ってきていいよ。)

Rハンド : ・・・・御意

ライトハンドはアジトに帰るためのゲートを開こうとした。

その時━━━


飛鳥  :  お前ェェェェ!!!

叫び声と共に体に伝わる横のG・・・・何かの突進を受けた様だ。

Rハンド : うおっ!?

飛鳥の乗るウルフだった。Gは徐々に増していき、高度も下がる。そして、2機は地面に吸い付くように激突した。

Rハンド : ・・・クッ、貴様が・・・狼か・・・・!?

ライトハンドは驚愕した。ウルフのフレームが1つ・・・また1つとパージされ、身軽な姿に変わっていったのだ。

Rハンド : これが・・・・ 禁忌のシステム

飛鳥  : [何でガラティーンを落とした・・・・]

回線に割り込んできたのか・・・スピーカーから重く低い声が流れた。

Rハンド : 貴様が狼のパイロットか?若いな。

飛鳥  : [質問に答えろ!何故落とした!?]

Rハンド : 命令だ。私は命令通りに行動したに過ぎん。

飛鳥  : [命令・・・だぁ?ふざけるな!!]

ハウリングを起こす程の大声・・・・飛鳥は完全にブチ切れていた。

飛鳥  : あれには・・・シリウスもアミィも椿さんも・・・・由紀も乗ってたんだぞ!

Rハンド : [・・・・知った事ではないなw]

笑いながらのライトハンドの発言に飛鳥は我を忘れて攻撃を始めた!

地面に押し倒したままがむしゃらに打撃を繰り返す。


ソウダ・・・


殴る━━━

モットダ・・・・


殴る━━━

我ヲ開放シロ・・・


殴る━━━

我ニ身ヲ委ネヨ!!


殴る殴るナグルなぐる殴るNAGURU殴る殴る殴るナグルなぐる殴る殴るナグル━━━

荒い息をしながら拳を止める飛鳥。だが━━━

飛鳥  : !?

Rハンド : ・・・・その程度で終わりか?

機体は動じないどころか・・・傷1つすらついてなかった。

飛鳥  : チッ!硬い装甲しやがってぇ!!

今度は両手を組み、振り落とす。だが、その攻撃は漆黒の機体の手のひら1つで止められた。

飛鳥  : なっ!?

Rハンド : ・・・怒り狂った 猛獣 の拳・・・・我には効かず!

静止していた両手を押しのけ、ウルフの重心がずれた所にすかさず鉄拳を喰らわせるライトハンド。ウルフは後方へ飛ばされた。

地面に機体が付いたと同時に新しい衝撃が走った。敵は既にウルフに追いついており、地面に向かってウルフを殴っていた。


飛鳥  : ガハッ!

衝撃に耐えられず、飛鳥は若干の汚物を口から吐き出した。

Rハンド : 先程の威勢はどうした!そちらが来ないならこちらからかける!

呻く飛鳥を無視し、今度はライトハンドが猛攻を加えた。

飛鳥  : (グッ!・・・くそぉ・・・・ちくしょう!)

かろうじて敵の拳を止める事に成功した飛鳥は再び攻撃を開始しようとした。だが━━━

ウルフ   : ・・・・タイムオーバー BLS及ビ機体 機能停止・・

飛鳥  : なっ!ふ、ふざけるな!!もう少し動けよ!!

ウルフが急に動かなくなったのを好機と見たのか、ライトハンドの猛攻が再開された。

メインカメラが潰され━━━

右腕が引き剥がされ━━━

コックピット内までもベコベコになり━━━

計器からは火花が飛び散った・・・・。




それから数分後━━━

天山がようやく施設跡地に到着した。そして━━━


天山  : ・・・・酷い。

それしか言い様が無い有様だった。

施設が破壊され、ガラティーンが落とされたまでは予想できていた。だが━━━


天山  : 飛鳥君!!

ウルフ だったであろうボロボロの機体 に近づく天山。

白星とまでは期待していなかったが・・・ここまでやられるとは天山も想像していなかった。


天山  : 飛鳥君、返事をしてください飛鳥君!!

飛鳥  : [・・・・すぐ来るんじゃなかったのかよ。]

弱弱しくも、返事をした飛鳥の声に安心した天山。

天山  : すいません・・・思いのほか増援が多くて・・・・大丈夫ですか?

飛鳥  : [大丈夫じゃねぇし・・・・それに・・・ガラティーンが・・・]

涙をこらえているのが天山にも判った。天山はガラティーンの落ちている方を向く。

飛鳥  : [オレ・・・ガラティーン・・・守れ・・・・]

天山  : ・・・・・。

飛鳥  : [みんな・・・オレの前で・・・死んで━━━]

??? :  勝手に殺すな!(゚Д゚#)

聞き覚えのある割り込み通信に2人共驚いた。

天山  : ・・・・フゥ。飛鳥君?とりあえず・・・泣かなくて良いみたいですよ?w

飛鳥  : ( ゚Д゚)ポカーン

ガラティーンのハッチが豪快に吹っ飛んだ。シリウスと由紀が鼻を黒くし、息を荒げながら足を上げている。

天山  : (・・・蹴り破ったんですね・・・2人で。)

シリウス: [早とちりにも程があるぞ飛鳥・・・そういうお涙頂戴のセリフはしっかり俺たちの死体を確認してから━━━]

シリウスの後方に居た椿に殴られた。

椿   : [アンタも縁起悪い事言うんじゃないよ!しかも何さこの醜態!あれだけ艦を労われって言ったのにこれかい!(゚Д゚#)]

天山  : あ、あのぉ・・・喧嘩はやめましょうね?(;´∀`)

椿   : [あんだってぇ!?]

天山  : い、いや・・・一応ここに 状況を理解してない人 が1人居るので・・・・

飛鳥  : ( ゚Д゚)ポカーン

椿   : [あ・・・ゴメン。]

椿は鼻を掻きながら謝る。

由紀  : [・・・・飛鳥?]

飛鳥  : ほ・・・本当に無事なの?

由紀  : [まぁ・・・こんなナリしてるけどw・・・・みんな無事だよ。]

飛鳥  : ・・・・・・・。

天山  : ・・・・飛鳥君?

シリウス: [おおかた感激のあまり言葉が出ないのだろう?]

シリウスは何度も頷きながら言った。だが━━━

飛鳥  :  無事なら無事って言えアホ~!!(゚Д゚#)

シリウスの予想とは全く正反対の言葉が一帯に響いた・・・・。



続く


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