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EMBRACE OF LIGHT
11th 過去
麻都 「あ、アンタ!!ここ何処だと思ってんのよ!」
麻都の家だ
刻真 「不法侵入だと言いたいらしいぞ、レオン。」
レオン 「そうか・・・こんな質素な建物でもか。」
麻都 「し!?・・・・殴りたいわぁ。」
刻真 「やめとけ麻都・・・世間話をしに来たわけじゃないんだろう?」
麻都をなだめつつも、レオン登場の疑問を抱いている刻真
レオン 「・・・・まぁな。そろそろお前も知りたいだろうと思って来た。」
刻真 「何をだ?」
レオン 「決まっている。俺たちがこの地にいる理由だ。」
刻真 「聞く気はない。仮にあったとしてもお前からなんざ聞く気になれん。」
そう言って刻真は戦闘体勢に入る。だがレオンは構える事無く話を続ける。
レオン 「そう言うな。今回の件・・・鍵を握ってるのは俺たちなんだ。」
刻真 「・・・どういう事だ?」
刻真は構えを解いた。確認したレオンは話を続ける。
レオン 「俺たちの世界とこちらを繋げる開くはずのない扉・・・ゲート。知ってるな?」
刻真 「あぁ・・・それがどうした?」
レオン 「開くはずの無いゲート・・・開ける事が出来たんだ、俺とお前でな。」
麻都 「・・・え?」
刻真 「麻都・・・リーベル達の居場所は分かるな?」
麻都 「え、あ・・・うん。」
刻真 「すぐに呼んでこい。」
麻都 「で・・・でも」
刻真 「今は戦闘にならずに済む。行け。」
麻都 「・・・分かった。」
麻都は部屋を出た。刻真と2匹の精霊、そしてレオンだけがその場に残った。
レオン 「知ってはいけない事実を聞かれないようにするためか・・・賢明だ。」
刻真 「どうでもいい・・・続きを聞かせろ。」
刻真はレオンを急かす。話にのってきた刻真を見て微笑するレオン。
レオン 「そもそもゲートは扉ではない・・・扉の形をしている精霊なのだよ。」
刻真 「・・・何だと?」
刻真は驚く。扉の形をした精霊・・・誰も知らなかった事実なのだろうと思った。
レオン 「ゲートは開かないんじゃない・・・開くために必要な力が足りなかったんだ。」
刻真 「・・・精霊を行使する力か?」
レオン 「そうだ。ゲートを開けるには莫大な行使力が必要だった・・・だが昔の人間にはそれを持ち合わせてなかった。」
刻真 「だから開かずの扉か・・・」
刻真の中で1つの疑問が消えた。だがまだ大きな疑問が残っていた。
刻真 「だが何故俺たちなら開けられる?」
レオン 「昔の人間共は開かない扉の鍵を作ったんだ・・・俺たち2人をな。」
刻真 「・・・俺たちが・・・鍵?」
理解に苦しんだ。どういう事なのか?
レオン 「1976年、ゲートに興味を持った研究者達が現れた。奴らはゲートが精霊だという事もすぐに見抜いた。勿論それを行使するために必要な力の事もな。」
刻真 「・・・・」
レオン 「研究者共は考えた・・・ゲートを行使するだけの人間を[作れないだろうか]と・・・」
刻真 「作る・・・」
レオン 「何度も実験を重ねた。その為にかなりの犠牲者が出た。奇病を発症する者、能力を暴走させる者。大半は殺され・・・残った人間は実験中の記憶を消され、能力を封印した上で開放した。」
刻真 「・・・・」
レオン 「だが1979年に異変が起きた。封印したはずの試験体の能力が再び開花・・・暴走を始めた。」
刻真 「・・・おい、まさか!?」
レオン 「そうだ・・・[イレギュラー]と呼ばれる人間は[ゲートを行使するための実験に使われた人間]だったんだよ。」
刻真 「・・・・・・・」
刻真は言葉を失った。謎とされていたイレギュラーの出現。その裏にはゲートの存在があったからだ。
レオン 「暴走はするものの、幸い試験体の記憶は戻る事無く、[イレギュラー抹殺計画]発動のおかげで研究者達は存在を知られずに済んだ。」
刻真 「・・・・・ちょっと待て。」
刻真は新たな疑問を抱いた。自分の存在だ
刻真 「間接的ではあったが、俺たちもイレギュラー抹殺計画に参加していただろう?時間が合わないぞ。」
レオン 「良い質問だ。答えは簡単なものだがな・・・」
刻真 「何だと?」
レオン 「その時には既に研究は完成していたんだよ・・・そして研究者の1人がゲートで過去へとさかのぼり、俺たちを作り上げた。」
話は過去へとさかのぼる
1979年 某研究所
研究者A 「・・・完成しましたね。」
??? 「・・・あぁ。だが[これら]はまだ完全ではない。」
研究者B 「胎児・・・だもんなぁ。母体を探すべきだろうけど・・・」
研究者C 「外はイレギュラーだらけ・・・政府が計画を発動したみたいですけどね。」
??? 「ここを知られる前に手を打たねばならん。早速だがゲートを行使する。」
研究者B 「ゲートを?どうする気だ?」
??? 「母体を探す・・・お前達はここを閉鎖、機密資料は全て処分しろ。」
研究者C 「危険すぎませんか?もう少し実験を重ねて・・・」
研究者A 「そうも言ってられないでしょう?外はイレギュラーの暴走で混乱・・・政府もいつここを嗅ぎつけてくるか・・・」
??? 「そうだ。俺たちは危険な物に手を出してしまった・・・極刑は免れん。だからその前に手を打つ。」
研究者C 「・・・奥さんの事は何とも思わないのですか?」
研究者A 「おい、やめないか。」
??? 「・・・思わんな。アイツは自らその身を捧げた・・・ファナの事も考えずにな。」
研究者C 「それはアナタも同じじゃないのですか?クルスさん。」
クルス・ブライアント・・・ゲートが精霊だといち早く嗅ぎつけ、研究を進めた人間。ファナの父親でもある。
クルス 「・・・・・行ってくる。」
クルスは2つの胎児を入れた試験管を抱え、ゲートの前に立つ。試験管を掲げ詠唱をするとゲートが反応し重い扉が開き始めた。
研究者B 「・・・すげぇ。」
クルス 「ゲートよ、私を過去へと送れ。そうだな・・・・15年前だ。」
応えるかのようにゲートが鈍く光る。クルスは不敵な笑みを浮かべ扉をくぐる。
数時間後
再びゲートが反応を始める。後処理を進めていた研究者達はゲートの前に集まりだした。クルスが戻ってくる。
研究者A 「・・・クルスさん?」
クルス 「・・・成功だ。2つの胎児はそれぞれ母親に寄生した。」
研究者C 「・・・寄生。」
クルス 「全員・・・荷物をまとめてこの場を放棄しろ。」
研究者A 「え?今すぐにですか?まだ処理が・・・」
クルス 「あとは私がやる。お前達はすぐに出て行け。」
研究者B 「・・・・クルス?」
研究者C 「何か・・・あったんですか?」
クルス 「・・・おそらくここに、2人の訪問者が来る。」
研究者A 「2人・・・あの胎児ですか?」
クルス 「・・・まさか。さぁ・・・無駄話はやめて行きなさい。」
1982年
渚抹殺事件の後、隊を追われたレオンは見知らぬ土地で途方に暮れていた。
(・・・何故オレだけが除隊なんだ?)
レオンはそればかりを考えていた。自分は命令通りに遂行した。だが上はそれを良しとせず、自分を除隊へと追い込んだ。レオンには分からなかった。
??? 「アナタね・・・イレギュラー抹殺計画を遂行した後、除隊になった男って。」
光宿らぬレオンの瞳が1人の女性を捕らえる。少々子供っぽい、それでいてどこか不思議な魅力を持った女性だった。
レオン 「・・・誰だ?」
??? 「ファナ・ブライアント。研究者よ。」
レオン 「ブライアント・・・」
初めて聞く名前のはずなのにどこか懐かしい・・・そんな錯覚に囚われた。
ファナはレオンに会うまでの経緯を話した。自分の父親の事・レオンと父親の関係・・・1つ1つがレオンに衝撃を与えていった。
レオン 「・・・つまりオレはお前の父親によって生まれた試験管ベビー・・・だとでも?馬鹿馬鹿しい。」
ファナ 「・・・父に会ってみれば分かるわ。私もあの人に用事があるし・・・一緒にどう?」
レオン 「・・・・」
断る理由が無かった。何もする事がない・・・。その考えがレオンを動かせた。
レオン 「・・・お前の用事とは何だ?」
ファナ 「・・・・あまり干渉はして欲しくないんだけど」
ファナは冷たい視線をレオンに浴びせながら口を開ける
ファナ 「父親を殺すのよ。」
レオンは驚きもしなかった。むしろ納得した。だから人殺し経験者の自分なのだと。
・・・その考えは大きな間違いだった。
某研究所跡地
クルス 「・・・来たか。」
クルスは2人の人影を確認した。
ファナ 「・・・お久しぶり・・・お父さん。」
クルス 「あぁ。・・・その男は?」
クルスはレオンを見る。
ファナ 「レオン。イレギュラー抹殺計画で1人に対して過度な虐殺を試み除隊になった人。そして・・・あなたの研究成果の1つよ。」
クルスは驚かなかった。
クルス 「そうか、あの・・・。大きくなったな。」
レオン 「・・・・」
複雑だった。目の前にいる今にも昇天しそうな老人。それが自分の生みの親なのだ。しかも自然に生まれたのではなく彼の手によって人工的に生み出された自分。
レオン 「・・・お前の娘はお前を殺したがってるぞ。逃げなくていいのか?」
ストレートだった。クルスを驚かそうとした。だがクルスは動じない。
クルス 「・・・知っている。見たのだよ・・・」
レオン 「・・・見た?」
クルスは話し始める。
クルス 「ゲートで過去へとさかのぼりおまえを母体に授けたあと、私は未来に行った。自分の未来が気になりな・・・」
クルスはレオンを見る
クルス 「殺されていたよ・・・ファナに・・・実の娘にな。」
逆に驚かされた。来る途中ファナからゲートの存在を教えてもらったが、にわかに信じ難い話だと思っていたのだが、この老人が嘘をついてるようには思えなかった。
ファナ 「なら話が早いわ。」
ファナの懐からナイフが現れる。今まさに殺そうとしている。レオンは焦り、最後になるであろう質問を投げかけた。
レオン 「何故・・・オレを作った?」
またまたストレートすぎた。だが老人は真面目に答える。
クルス 「・・・統一だよ。ゲートを使い、過去を改ざんし・・・世界の統一を目指した。」
ファナ 「・・・馬鹿な話ね。」
そこで3人の会話は終わる。ファナのナイフが終わらせたのだ。老人はその場に倒れ、2度と動かなくなった・・・
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