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道尾秀介の『花と流れ星』は、連作短編集。
亡くなった妻に会いたくて『霊現象探求所』を構えたのに、霊と関係ない謎解きばかりに関わってしまう、真備と助手の凜、友人で真備の記録係のような作家の道尾が登場します。
『流れ星のつくり方』
海辺の宿での1泊旅行で、凜は夜の散歩中に、窓辺でラジオを聞く少年に声をかけられました。少年は凜に「流れ星のつくりかた」なるものを教えてくれます。
人が殺されるミステリーは嫌いだと言って、少年は友人が両親を殺されたからだと話します。
その家は始終玄関が人に見られている状態であったのにも関わらず、宅配業者を装った犯人が入るところは目撃されていますが、出る姿を見た人がいないのです。
「どうやって犯人はみつからずに出て行ったと思う?」と少年は凜に出題します。
謎は半分凜が解き、後の半分は、心配して電話してきた真備が解きます。
凜と少年の会話が多くを占める作品ですが、言葉の使い方がきれいです。少年に対する凜の思いやりも伝わって、素敵な作品だと思います。
凜が見えたという流れ星に、少年が願い事をするラストがいい。願いが叶えられますようにと、願わざるを得ません。
参照元:道尾秀介『花と流れ星』から『流れ星のつくり方』
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