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トレント家で開かれた夕食会の席上、人には第六感があるのだろうかという話題がもちあがります。ジャック・トレントの親友ダーモットは、来たるべき危険〈赤信号〉を感じる体験を何度もしてきました。
そして、実はこの日も…。
ダーモットの伯父で精神病理学の権威アリントン卿が撃たれ、ダーモットも巻き込まれてしまったのです。
降霊会で、霊が家に帰るなと警告する、霊媒師が「今夜は死がここに漂っている」と告げるシーンなど、幻想小説、ホラー小説の色が濃いのですが、現実の事件は現実的に解決されます。
人物は類型的です。
この役者たちを動かして、読者をぐんと引きつけながらダイナミックにストーリーを展開するところに、短編ならではの魅力があります。
超常現象を扱っても、クリスティーの作品は最後に人間ならではの悲しさ、優しさに帰着します。クリスティーのノンシリーズ短編は、皮肉な結末もハッピーエンドもありますが、次の作品も読みたいと思わせてくれます。
再再読ですが、クリスティーには色あせない面白さがあります。
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