越中屋*四十五右衛門*商店

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『歌謡曲の構造』その2



意外だったのは〈長調〉も〈短調〉と同じように4・7抜きの音階で流行していたことです。

その説明もちゃんとありまして、4・7抜きが〈長調〉であってもマイナーに響く原因は、核音と主音の不一致による不安定さ、だということです。(よくわかりませんが科学的に証明できている)
具体例としては、軍歌が力強いがどこかもの悲しい、というあのイメージです。

(3)4・7抜き長音階 の過去の曲で〈右派〉的な曲を並べてみましょう。
東京キッド、お富さん、夕焼けとんび、潮来笠、北帰行、王将、お座敷小唄、アンコ椿は恋の花、柔、女のためいき、星影のワルツ、長崎は今日も雨だった、などです。
じつは、蛍の光、テネシーワルツ、ハートブレイクホテル、スーダラ節も純粋にこのグループだそうですよ。

73年の曲では、
「なみだ恋」と「女のみち」が純粋にこのグループですが、
「赤い風船」には部分的に、7度が、
「危険なふたり」、「喝采」には部分的に、(6)全音階的長音階が使用され、
「危険なふたり」、「喝采」、「私の彼は左きき」の3曲には(2)2・6抜き短音階を同時に含んでいるとされている(そうです。 私にはさっぱりわかりません)

一覧表を見ると現代に近づくほど複雑に、装飾的になっているようです。


とはいえ〈短調〉が日本人に受け入れられやすい、という事実は依然としてあります。

次は4・7抜き以外の(4)自然的短音階、(5)長7度を用いる短音階のグループから〈右派〉的な曲を上げてみます。

(4)自然的短音階
リンゴの歌、青い山脈、星は何でも知っている、夜明けのスキャット、圭子の夢は夜ひらく、よこはまたそがれ、シクラメンのかほり、わかって下さい、フィーリング、迷い道、魅せられて、順子、ルビーの指環、ハイティーンブギ、探偵物語

(5)長7度を用いる短音階
買い物ブギ、白い花の咲く頃、有楽町で逢いましょう、高校三年生、恋のフーガ、ブルーライトヨコハマ、空に太陽があるかぎり、私鉄沿線、無縁坂、プレイバックpt2、雨の慕情、スニーカーぶるーす、メリーアン

以前わたしが質問した井上陽水、かぐや姫の曲は(4)自然的短音階 とされています。
わたしが個人的にイメージしやすいのは、来生たかおのメロディーや洋楽では「哀愁のカサブランカ」「ケアレスウィスパー」、「冬のソナタ」の主題歌のラインです。

奇しくも我らが師匠の作品もこのなかに上げられていました。
ヨーロッパやロシアの民謡調にピンと来たんですが、
「ブルーシャトー」「飛んでイスタンブール」「異邦人」のグループなんですね。
「さらばシベリア鉄道」はおそらくこの路線でしょうね。


第12講 『歌謡曲の構造』その3へ


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