あの日の僕をさがして

あの日の僕をさがして

約束の3時に森男は穂高駅のホームにいた。「きっと未知は来る」という確信が森男にはあった。(中略)

森男はついに諦めて立ち上がった。一度も自分を裏切ったことのなかったのは高校生の未知だ。今の未知ではない。それに、自分はそれこそ数え切れないくらい未知を裏切っているのだから...。

森男はすべてを吹っ切って帰ろうとした。と、目の前にトランクを持った未知が立っていた。
「四時間も遅刻しやがって」
森男は照れ隠しに怒って見せた。未知が来たことで内心では腰が抜けそうな程安心していた。
「ごめんなさい...」
素直に謝る未知の顔はなぜかひどく強張っていた。
「でも、ま、仕方ないか。俺なんか、七年も遅刻したんだからな」
「違うの」
「え?」
ホームに滑り込んで来た列車の轟音が、未知の言葉をかき消した。
列車が停車して、未知はあらためて森男に告げた。
「宏樹のとこ、行くの」
列車のドアが開き、二人を招いていた。ホームにじっと佇む七年越しの恋人たちを。
「やっぱりダメなの、私...」
                                (あの日の僕をさがして/山永明子 より)


安曇野を舞台にしたドラマ(織田裕二・仙道敦子主演)でした。あれからもう10年たちます。
ドラマとしての出来栄えにはいろいろ意見がありましたが、私としては印象深いものでした。
ちょうどその頃は信州願望が強いときで、毎週見てましたね。その時はビデオにとっておらず、あとでレンタルビデオで探しましたが、確か視聴率は10%ちょっとだったのでビデオ化はされませんでした。(たぶん)

その後しばらくして信州に滞在することになったんですが、その時に信越放送で夕方再放送され、それをしっかり録画しました。
何回見たでしょう...。背景からロケ地を探して、松本から松川村まで方々に行きました。すっかりあの日の僕オタク状態。(笑)

ロケ地は観光地でもあるので、今でもたまに立ち寄ったりしますが、ずいぶん変わってしまったところもあります。中学校の体育館などは建て替えられたというし...。

そういえば「永井真理子がドラマ出演」で話題になったものでした。

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