最新作の『ALL THAT YOU~』では、シンプルな曲構成になっているとはいえ、原点回帰的な面も見られる。『ACHTUNG BABY』までの実験的な要素は影を潜め、今後の彼らの音作りに対しての指標に成りうる作品となっている。絶頂期のエッジの鋭角的なギターが聞けないのは残念だが、2000年代の姿勢としては、納得できる。
U2のアルバムには、いつも期待が大きくて90年代の『ACHTUNG BABY』以降の作品には正直‘悪くはないけど……‘という感想ばかりでした。『HOW TO DISMANTLE AN ATOMIC BOMB』ではエッジのギターが初期に戻ったかのように冴えています。気持ちいいっす。これだったんだなぁ、U2に求めていたのは。プロデューサーが初期に手がけていたスティーヴ・リリーホアイトを採用。意図した音作りだったのだな、これは。でも2004年らしく厚みと空間表現は初期のものとは比較にはなりません。
「CRUMBS FROM YOUR TABLE」スケールの大きさに参りました。ギタープレイがうねっております。「A MAN AND A WOMAN」の切なさにもやられました。