ロックの部屋

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I POOH





イタリアはミラノ出身のロック(ポップス)バンド。1964年ごろに結成されていて、まだ現役のような超ベテランバンドです。

バンド名は当初【I Pooh】だったのですが、途中Poohに短縮されました。といっても日本ではプーとは呼ばずイ・プーと呼ばれているようです。イタリア語のIは英語でいうTheのようなものらしいです。

70年代80年代には日本でも日本盤が発売されていて、FM放送でも彼らの曲が流れていました。丁度プログレブームとユーロ・ロックブームに乗っかった形でした。私もそのころにイ・プーの音楽に接しました。

アルバムとしてはこの『Buona Fortuna』しかありません。(邦題『美しい幻想』)普段馴染みのない全曲イタリア語による歌詞でしたが、優しくて美しいポップな曲ばかりでイタリア語の不思議なニュアンスと相まって気に入ってしまいました。

今でもたまに聴きたくなって聴いているのですが、10数年前から他のアルバムも聴いてみたい欲求にかられて探しています。CD店へ行くと必ずヨーロッパの陳列棚へ向かうのですが、イ・プーのアルバムはありません。日本盤も現在では発売されていないのか入手困難、現地から直輸入で買うしかなさそうです。HMV等で1か月待ちのネットショッピングしかなさそうです。

ちょうど、初恋の人が忘れられず何年も探し求めて待ち続ける感覚。イ・プーの音楽にはそんなロマンチックな気分にもなります。

『Buona Fortuna』は1982年発表されたアルバムですが、すでにこの時で通算17作目でした。凄いですね。

イ・プーの音楽を表している言葉でメンバー自らこのように言っています。

《ぼくたちの音楽の世界は一言でいえばカクテルなんだ。つまり、真実と幻想と感動の混ざり合ったもの。現実に起こる様々なことから生まれたりするもので、心にストレートに訴えかけてくるものなんだ。ぼくたちは真実を実現させる手助けをしているにしかすぎないんだ。喜び、生きることへの愛、強い感動というものは愛を知ったときにわかるわけだ。》


《GENTE DELLA SERA》(夜のやさしさに)
♪7月の平日の夜 ミラノの中心地は
 猛烈な暑さ
 駅には 居眠りする人 こそ泥や 煙草をふかす人
 そして 町を出て行く人達
 ありとあらゆる人がいる ここはこの世の監視所

 夜の人々 恐ろしいなんて誰が言ったのさ
 小悪魔や人形達の どんちゃん騒ぎ
 こんな夜は 誰も彼も無邪気なものさ
 夜の人 こうして座っている僕のことさえ気付かない
 奇妙な想いに ようこそ
 この時期は 孤独 本当さ

 夜の人々 誰も彼も 何らかの存在
 今日も又やって来た朝という戸口にたたずむ
 お面をかぶった 見せかけの孤独達

 まじまじと自分を見つけなくても 地に足をつけて
 自分を信じていけば それでよいのさ
 新聞でも買って 世の中どうなっているか見てみよう♪


イ・プーの音楽を聴いている人達は、日本ではよほどのマニアだけかもしれません。それはとても惜しいです。なぜなら、彼らの音楽ほどロマンチックでファンタジックで美しいものはないから。広く聴かれて欲しい高品位なポップスです。

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