ロックの部屋

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SUPERTRAMP


Crime Of The Century

スーパー・トランプのこのアルバムを聴いた時の新鮮なショックは今も忘れません。1975年という、プログレッシヴ・ロックがやや下火になった頃、キラキラ宝石のように輝く洒落たポップなロックに驚いたものだ。高品位なポップバンドというと、【クイーン】や【10CC】がいたけど、スーパー・トランプはそれ以上だった。

ヴォーカルのロジャー・ホジソンの声がファンタスティックで、素敵で耳を楽しませてくれた。このアルバムの後ヒプノシスのジャケットデザインを採用したピンク・フロイド風のプログレ路線に戻ったりで、そこで私はこのバンドは聴かなくなってしまいました。

しかし、1979年「ブレック・ファースト・イン・アメリカ」が大ヒット。ここでは、プログレ色は払拭され、ポップなバンドに変身していた。ここからまた彼らの音楽にはまっていきました。

スーパー・トランプはロジャー・ホジソンとリック・デイヴィスという二人のヴォーカリストが中心のバンドでロジャー・ホジソンが陽の部分をリック・デイヴィス陰の部分を受け持っていて、その辺のバランスが絶妙で独特の世界を築いていた。音的にはサキソフォンやキーボードをさり気なく使用しているところが特徴になっている。

「ブレック・ファースト・イン・アメリカ」のジャケットはとても面白くて、ジャンボジェット機の車内から外を眺めたら、自由の女神がウエイトレスになっていて右手にオレンジジュースを持っている。こんなウイットに富んだ曲だったからアメリカでもヒットしたのだろう。辛辣な詩よりも何でもない歌詞とキャッチーなメロディー、これがヒットソングには重要、口ずさめるようなメロディーならなお良い。間奏に流れるサキソフォンのシャアシャア鳴る音がまた良いのだ。

「ブレック・ファースト・イン・アメリカ」にはそれが全て備わっていた。だから大ヒットした。

スーパー・トランプは、この後1984年にロジャー・ホジソンが脱退してしまい、残りのメンバーで『BROTHER WHERE YOU BOUND』を発表。どうなるかと思ったスーパー・トランプ、しかし、予想以上の素晴らしい出来で、ブルージーでジャズ風の楽風に変身していた。1曲が長く曲数がたったの6曲と少ない。ここでもサキソフォンが大活躍。アルバムタイトル曲は16分にも及ぶ大作でスケール感タップリ。

そんなわけで、私がスーパー・トランプのかなりのファンということが解って頂いた……それだけで良いのでありまーす。

でも、1997年発表のアルバムは聴いてないや。(苦笑)

おしまい。


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