ロックの部屋

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STEVE WINWOOD





【スペンサー・デイヴィス・グループ】や【トラフィック】【ブラインド・フェイス】などの主要メンバーとして60年代から活躍していたスティーブ・ウィンウッド。

中でもトラフィックは70年代前半、私の好きなバンドの一つでありました。しかし、日本では知名度のわりには人気はあまりありませんでした。ところが、本国イギリスでもトラフィックはそんなに人気があったバンドではなかったらしいです。ソウルフルなスティーブ・ウィンウッドのヴォーカルスタイルが、地味すぎて一般受けしなかったようです。音的にも初期のサイケぽさや中期のクロスオーバーがかったR&Bスタイルが、いかにもマニア受けのようでした。

そして一旦トラフィックは解散し、ソロとして活動を始めます。1986年には、ようやく『BACK IN THE HIGHLIFE』が世界的な大ヒットになりました。R&B臭さが抜けきって垢抜けたスティーブ・ウィンウッドに変身したからかな。このアルバムも素晴らしいのですが、私の好みとしてはこの前のアルバム『TALKING BACK TO THE NIGHT』がスティーブ・ウィンウッドの全アルバム中一番好きなのです。

『TALKING BACK TO THE NIGHT』は1982年に発表されていますが、全編に流れているのはムーグシンセサイザーのきらびやかで心地よい響きです。多分、当時のロックシーンの流行だったニューウェーブ(エレクトロニック・ポップ)からの影響が強かったんだと思います。

シンセの円やかな響きが、スティーブの安定したソウルフルな渋い声とバランスよくマッチングして、明るくて気持ちが良い楽風になっているところが最高に良いです。

スティーブ・ウィンウッドがスペンサー・デイヴィス・グループに参加したのが15歳ごろの時で当時はゴスペル調のヴォーカルスタイルをこなす天才ヴォーカリストとして恐れられていた少年でした。今現在まだ50歳代のようで、キャリア40年以上のベテランです。

ポール・ウェラーなんかは、彼の影響が大きいですよね。

「VALERIE」「STILL IN THE GAME」「HELP ME ANGEL」をはじめとしてポップでダンサンブルな曲が多いのもこのアルバムの特徴です。黄色を基調としたアルバムカバーも象徴的です。スティーブの声も、より伸びやかに甘く聞こえるのだな。

これも愛聴盤ですよ。

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