ロックの部屋

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AZTEC CAMERA



やっとこさ【アズテック・カメラ】の登場です。(笑)ネオアコの定番アルバム『High Land,Hard Rain』は色んな人が書いていたような気がするので、セカンドアルバムの『Knife』についてのお話及び個人的なアズテック・カメラ考です。

私にとってのアズテック・カメラは正直いって第一印象の良いものではありませんでした。
『Knife』をレコードプレイヤーに降ろして耳に入ってきた音といったら《なんだなんだこの白けたアコースティック・サウンドは!?》です。ビックリ玉手箱でした。このアルバムを買った経緯も不確か。かすかな記憶では、アルバムカバーがメルヘンチックで『Knife』なんてタイトルがいかにもプログレぽくて良さそう、試しに聴いてみようか程度だと思いました。

なにせ『Knife』なんてコンセプトはプログレッシヴなグループのキーワードのような言葉だったのですから。【ジェネシス】の『侵入』というアルバムには「Knife」というオルガンの切れ味するどいスリル溢れる曲があるし、キース・エマーソンはステージでシンセサイザーの鍵盤にナイフを突き立てたという伝説があるほどです。

アルバムカバーも【キャメル】や【フループ】などのメルヘン系のプログレバンドを連想させるものでした。

1980年代にプログレッシヴ?随分と時代錯誤のバンド……なのかな?という先入観が入り込んでしまったことと、当時私が好んで聴いていたのが派手で冗談ぽいテクノポップやニューロマンチックスだったので、よけいアズテック・カメラのアコースティック・サウンドを聴いて良い意味でも悪い意味でもショックでした。

ロックミュージシャンが好んで取りあげる「Knife」というコンセプト。それは怒りや悲しみの象徴として使う場合が多い。【EL&P】の「KNIFE EDGE」という曲では《僕は悲しみのナイフを空に投げ上げた》というフレーズが出てきます。

アナログ盤のアズテック・カメラの『Knife』の歌詞はレコード袋の一面に書かれている。しかも1曲だけ。他の曲は7曲片面に書かれています。いかにロディ・フレイムが「Knife」という曲にメッセージを込めたかったか感じとれます。(深読みしすぎ?)

では「Knife」で言いたかったこととは?

この曲でのナイフは何か子どもの頃の感情に戻ろうとする象徴としての道具として使われているような気がします。冒頭に出てくる《子どもにはトリガーがある》という歌詞。そして《5つの色》というのは大人にはなくて子どもが持ち合わせている感情の事か。大人になりたくなかったのだろうかロディ・フレイムは。

シングルにもなった「ALL I NEED IS EVERYTHING」よりも「Knife」の方が確かに深くしっとりと聴かせる曲です。ちなみに私はラテン調の「BACKWARDS AND FORWARDS」も好きであります。

『STRAY』というアルバムはアコースティックナンバーとロックンロールナンバーとでどっちつかずの迷いの感じられるアルバムだったなぁ。ロックンロール色の強い「グッド・モーニング・ブリテン」の路線の方が良かったし、それで統一して欲しかった。

永遠の少年でいたい気持ちは分かるけど、とても難しい。外面はボチボチ老けていくし……(私を含めてね)笑。

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