第七話 「星のかけら」





 レッドポンドの街が黄昏時を向かえている。

軒をつらねた町の家々からは夕食の支度をする煙がモクモクと高く上がっている。

イエムが旅の宿を目指して歩いていると一人の少女が夕焼け時に大きな声を上げて泣いている。

「一体どうしたの?」

見れば迷子に違いない。

「わーん」

少女は益々声高に泣くばかりである。

到底イエムにこの子の家がわかるはずもない。

イエムはなんとかその子を泣き止まそうと考えた。

見ると空には金星が輝き出している。

「お星様がちゃんと見てるんだ。そんなに泣いたらあのお星様が怒って落ちてきちゃうぞ」

少女はイエムの言葉が聞こえたのか泣き声を潜め、チラリと空を見上げた。

その時である光の線が真っ直ぐに西を目指して走った。

少女は何かを感じたらしいふらふらとその西の方向に向かって歩き出した。

丁度、七軒程行った曲がり角を渡りきった時である。

「パレットこんなところに居たのか!心配したぞ!」

どうやらそのこの子の父親が心配して探しに来たらしい。

「どこのどなたか存じませんがありがとうございました。

日中私が居ないものでたまにこいつ一人で外に行ってしまうときがあるんです。

妻が実は二年前に亡くなりまして、日中誰もこいつの面倒をみれないのが辛

いところです。

いやいやありがとう」

父親は深々と頭を下げた。

「いやしかし、今日は星がとても綺麗だ。」

父親は遠い目で星を見つめた。

パレットも父にしがみついたまま星を見上げてた。

そして手を伸ばした。

おそらくパレットは星のカケラがつかめるだろうと思ったに違いない。



                                               -つづくー

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