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イヴリーズ「こ・・・・これは・・・・?」 カイム「これが、俺が5年も掛けて研究して作り上げたアンドロイド・・・・つ~かサイボーグの『エド』君で~っす!」 イヴリーズ「さ・・・・・サイボーグ!?」カイム「そ!しかも驚くなかれ、人間の死体で作ったんだよ~!」イヴリーズ「・・・・・・何?今ハマってるロープレの影響?それとも大昔のアニメ?(009とか・・・)あのさ、僕、本当に忙しいんだよね、冗談だったら後で好きなだけ付き合うからさ・・・」カイム「も~~~!!イヴリーズちゃんってば頭固い!俺様がイヴリーズちゃんにウソ言った事ある~~~~!?」 イヴリーズ「沢山ある。」 カイムガク・・・┏(-_-;)┓「あれ?・・・・・んまぁ、いいやとにかく、俺様がずっと手に掛けてた作品が完成したのは事実なの!元は死んじまった家族(信者)の下っ端兵士なんだけどよ。・・・・・ずっと考えてたんだよね~、いくら優秀な兵でもさ、ヘマして死んじまったらそこでお終い、もったいねぇじゃん?だからさ、そいつをもう1回蘇生させて更に兵器として利用出来ねぇかな~って」イヴリーズ「ま・・・・・まさか、いくら【天国への翼】の科学力が世界的に見てもトップクラスだとしても、そんな人間を蘇生する技術があるなんて・・・・・しかも生きた兵器になんて・・・・」カイムうんうん「ま~、イヴリーズちゃんが信じられないのは仕方ないよね~。だって、【死者蘇生・不老長寿】だなんて、世界中が長年夢見て研究してきた永遠のテーマだもの~ま、今の所これが出来るのは、優秀なザクエルとしての医療技術と、メカニックとしての優れた技術を持つ俺様(カイム)にしか出来ないだろうな!・・・・まぁ、それでも最後の一線が越えられなくて長年一人で苦しんだんだけどよ・・・・・しかし、最後の一線を越えられたのは、手に入れたあの眼球のお蔭と言っても過言じゃねぇかもな!朱雀様様だよ!」イヴリーズ「・・・朱雀の眼球か・・・・・しかし、本当にこんな事まで出来るとは・・・・・・・・! 本当だ、エドの中から微かに機械音が聞こえる・・・・」カイム「ベースは人の体で、損傷した臓器の代わりに人口臓器、四肢の中に筋肉の力を増幅する装置などを入れたんだ。ふっふっふ~どうだ?たった一人でこいつを作った俺様の事をマジで尊敬するべ?噛み付かないから近くに行って触ってみてもいいよ~」 ス・・・エドビクッ「あ・・・・う・・・?」イヴリーズ「本当に・・・・滑らかな人の皮膚だ・・・・・体温もある・・・!何だか香油のような良い香りがするね・・・・」エド「」 カイム「その香りはマアトの作った防腐剤の香りだよ、ち~っとその防腐材のお蔭で顔色悪ぃけどな。でも質感は生きてる奴と変わんねぇだろ?」 イヴリーズ「エド・・・・?自分の事が解るの?・・・・喋れる?!?カイム!まさか女とベットで過ごしている間もずっとエドをここにこのまま!?」エド「・・・・・・・・・・」カイム「あぁ~、大丈夫だよ。そいつ、な~んも解んねぇし喋れねぇから。それに『動くな』って命令すれば、忠実に守るしな」イヴリーズ「まったく・・・・良い趣味してるよ・・・・・」カイム「よく言われる~」イヴリーズ「しかし、喋れないなんてどうして?」カイム「あぁ、どうも長時間脳を凍結してたのが原因なのか、死ぬまでの生きていた頃の記憶もぶっ飛んじまったみたいで何も覚えてないらしいんだよな~。でも、脳が損傷された事が原因ではなく、ただ脳の海馬体(脳の中の人の記憶を司る部分)が赤ん坊の様にリセットされただけの事だから、これから色々教えていけば言葉も覚えていくと思うぜ?この技術を外に漏らしたくなかったし、こいつも生まれたばっかでまだこれから先どうなるか解らなかったから暫くは外に出せないんだけどよ・・・・・・だからわざわざイヴリーズ様にここまでお出で下さった訳。」イヴリーズ「ふぅ・・・ん・・・・。この手は?・・・・ハサミ型のグローブを嵌めているの?」 カイム「うんにゃ、事故で両手の指を失ったみたいだったからさ、昔見た映画にそういうキャラが居たな~って思い出して面白そうだったからそういう手にしてみただけ~。ちなみに名前もそいつから取ってみました~あ!ハサミは医療用メスにも使われている硬質ステンレス鋼製で切れ味が最高に良いから触んない方がいいよ?」 イヴリーズ「そういう手にしてみたって・・・・エドが生活し辛いだろ?」カイム「生活~?んなのどうでもいいし、その内どうにかなるだろ?言っただろ?そいつは兵器だって!俺にとってはそいつは生物兵器の試作品なんだからさ、好きなように作ってみただけだよ」イヴリーズ「好きなようにって・・・・まぁいい。それが将来【天国への翼】に反映されるなら僕は口出ししないよ【使者の蘇生】だなんて素晴らしい研究成果だしね。しかし、最近お前のラボの消費電力が異常に上がったなと思ってたらこんな事をしてたなんてね」カイム「たかが電気代の事でガタガタ言うなよな~!偉大な発明の為に出す金を惜しんでたら出来るもんも出来ねぇだろうが?」イヴリーズ「僕がカイムに研究費用の事に関してガタガタ言った事なんてないだろ?かなり自由にさせてるじゃないか。しかし・・・あんな大きなポッドまで運び込んでこんな研究を秘密で行なっていたとはね」 カイム「・・・・・・・ラボ? イヴリーズちゃん、俺のラボに入ったの?あの俺専用のラボの奥のポッドにも・・・・・触れた・・・・? 中を・・・・・見たのか?」 イヴリーズ「? あぁ、お前の携帯が繋がらなかったから近くに来たついでにザクエルのラボにね。その時に見慣れない形のポッドがあったから、でも中身は・・・・」 シュ・・・・ ダン! !! カイム「いくら俺様の大事なイヴリーズちゃんでも~」 カイム「あれに勝手に触れたら・・・・・・」 カイム「殺すよ?」 イヴリーズ「・・・・僕がお前の大事な物(研究材料)に、たった一度でも勝手に触れた事があったか・・・?」 カイム「・・・フ・・・・・」 ス・・・・・ カイム「そ~だよね~!いくら【天国への翼】教団の最高権力者の教祖様でも、人の物を勝手に覘き見たり触ったりはしないよね~! ゴ~メンゴメン!」 イヴリーズ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 カイム「おっと!ほらほら~~!イヴリーズちゃんの大事な説法の時間が迫ってるよ~!早く行かなくっちゃ!!エドはまた今度触らせてあげるからね~!」 カイム「説法が終わったらイヴリーズちゃんの部屋に遊びに行くからシャワー浴びて待っててねん」 イヴリーズ(僕にも見せたくないなんて、いったい何の研究をしているんだ・・・・・?生物兵器?確かにこのエドは想像を遙かに越えた素晴らしい研究成果だけれども、本当に教団の為の兵器開発の為の研究なのか・・・・・それとも・・・・・・・?まぁいい、何を考えているかは解らないが、今はカイム無しではこの教団の存続は考えられない、少し様子を見るか。・・・・・それにしても、今は僕がこの教団のトップの椅子に座っているけれども、それは表向きのお飾りで、実質のトップはカイムなんじゃないかと時々本気で思う時があるよ。カイムは教団の中では1番信頼出来るが、それと同時に1番信用出来ないな・・・・・まったく食えない奴だよ。)
2008年02月19日
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チュン・・・・・チチチチチ・・・・コンコンカイム「あ~?」 ????「あ~?じゃないよ、気の無い返事だなぁ」 カイム!? イヴリーズ「まったく、この僕(天国への翼教団教祖)を自室に呼びつけられる人間なんてこの国の中ではカイムくらいなものだよ。で? 何の用があってこんな朝早くにわざわざ僕を呼びつけた訳?」 カイム「イヴリーズちゃ~ん」 ! イヴリーズ「・・・・・しかも女と過ごした直後に呼ぶなんていったいどんな神経してるんだよ?まったく、毎日毎日よく女が尽きないものだよな、いくら教団幹部の為の居住ビルといったって、聖地(【天国への翼】教団本部)と対を為しているビルなんだ、そうそう安っぽく女を毎日のようにとっかえひっかえ部屋に呼び込むなよな」・・・・ストッキング・・・・生足で帰ったのか? カイム「やっだ~イヴリーズちゃんってば焼いてるの~?か~わいい~大丈夫よ~!体は浮気してても、心はイヴリーズちゃんのものだからぁ~」 スリスリ・・・ さり気なく手を入れるな イヴリーズ「そんな訳ないだろ、それよりも何なんだよ?今日は2ヶ月に1回の僕の説法があるって解ってるだろ?さっさと用を済ませろよ。まさか銀狼を取り逃がした事の言い訳じゃないだろうね?」カイム「まっさか~!俺がイチイチそんな事気にする訳ないじゃん、捕獲に失敗した俺(ザクエル)の可愛いマアト君はエライ凹んでいたけどな~」イヴリーズ「あぁ・・・・ザクエルに心酔してる子だね?そりゃぁ気落ちしてるだろう?・・・・可哀想に・・・・」カイム「あ~ぁ、もう、小さな子供みたいにボ~ロボロ泣いちゃってなだめんのが大変だったよ~でも、この心優しい俺様(ザクエル)が優しく優し~く時間を掛けてなだめてやったけどな。あいつもさ、今まで大人の研究員の中で子供一人で肩肘張って仕事してたけど、失敗知らずだったから良い経験になったんじゃね?しかし、最近情緒面に問題がな~・・・・・あいつら(研究員)に任せっきりにしてた俺も失敗だったけどよ。ま、研究の事しか頭にないあいつらにとっては、研究用のマウスを飼育するのと人間の赤ん坊を育てるのはそう変らなかっただろうからな。た~だメシやって、成長促進剤を投与して、ウンコシッコの世話をして、仕事の知識を詰め込んでって感じだったんだろ?体と知識は並みの大人以上に発達してるのに、精神が幼児のままなんだわ」イヴリーズ「それで研究の方に問題はないの?」カイム「あぁ、フォローはバッチリしたから仕事面では辛うじて大丈夫だけどよ。後は俺様(ザクエル)が直接精神面の方を教育していくしかねぇだろうな~。【ノアープロジェクト】のスタッフにも入れて欲しいとかも最近言って来てるしな、そこいら辺もボチボチ余計な詮索をしないように監視していかねぇと。どこでプロジェクトの事が漏れるか解んねぇからな」イヴリーズ「ふぅ・・・・ん。で?肝心の用って? ・・・・・・あぁ、そう言えば新しい【歌姫】は決まったの?」 カイム「あぁ、良いのが居たわ、バッチリ【1/f(Fぶんの1)のゆらぎ】を持つ素晴らしい音楽家が・・・・た~だ、ちょっと問題がね~。・・・・まぁ、どっちにしろ近年には無い素晴らしい人材だから必ず引っ張って来るよ。イヴリーズちゃんや俺の説法の時はわざわざそんな仕掛けしなくても良いんだけどな、中核幹部の説法の時には必ず【歌姫】が居てくんねぇと・・・・・」イヴリーズ「・・・・そう。 もしかして用ってそれだったの? じゃぁもう用は済んだね?じゃ・・・・」カイム「って・・・・・・・・・お~い!!違う違う!! そんな事じゃなくってもっと大事な事だよ!」イヴリーズハァ~・・・「もぅ・・・いったい何なんだよ?いい加減行かないと法衣を着替える時間が・・・・僕の説法を待って、もう既に家族(信者)が集まり始めてるんだ」カイム「んなもん、イヴリーズ様に待たされたからって文句なんて言う奴なんかこの町には居ねぇんだから待たせておけばいいじゃん。それよりも、この前【眠り姫(ソフィア)】よりももっと良いもん作ってるって言ってたじゃん?あれがやっと完成したんだよ~~~!!」 イヴリーズ「え? あれって本当だったの?」カイム「ひど!俺の言った事信用してなかったの~~~~!?」イヴリーズ「そんな訳じゃなかったけど・・・・ で?今度は何?難航していた汚染された砂漠の砂を浄化する為の浄化装置が完成したの?」カイム「違う違う!!もっとすんげ~~~~もんだよ!見て驚けよ~~~?」イヴリーズ「はいはい。まったく、マアト君の事を子供だって言ってるけど、カイムも充分子供じゃないか」カイム「ふふん!今の内に好きな事いっとけ~。おい!起きていいぞ!」 イヴリーズ!? ???「・・・・・・う・・・・・」 ゴソ・・・・ ガチャ・・・・ カチャカチャ・・・ ユラ・・・ ??「あ・・・・・うぅ・・・」 パサ・・・・ ??「・・・・・・・・・・・。」 イヴリーズ「こ・・・・これは・・・・?」
2008年02月18日
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プルルルルルル・・・・・・ ! マアト「ザクエル様だ!!もう到着されたのかな!?」 バタバタバタ・・・・・シュン! ザフィア「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 マアト「ザクエル様、お久しぶりです!もう到着されたんですか?はい・・・・・はい・・・・・・・えぇ、銀狼は隣の部屋に・・・・・・・・・・・気遣って頂いてありがとうございます!・・・・・・・・今銀狼の身体解析を進めているところですので、ザクエル様がこちらに到着される頃にはもう解析が終わっている頃かと・・・・・」 ガタン マアト!?「・・・・ザクエル様、申し訳ありません、今ちょっと・・・・・」 !? マアト「な・・・・・!こ・・・・・これは・・・・?」 ???「本当だよなぁ、やっぱ最後まで油断しちゃダメだよな」 !? マアト「そんな・・・・・・そんなバカな・・・・・」 ザフィア「薬が効いてると過信して、俺を縛っておかなかったのが運のツキ」 マアト「そんな・・・・そんなありえない・・・・・!僕の計算が狂うなんて・・・・それに、さっきの痛覚にともなう咄嗟の筋肉運動だって・・・・」 ザフィア「んな事言ってもこれが現実だからしょうがないべ?ま、そういう事で、今回は悪ィけどお前らに協力する事は辞退させてもらうわ。んじゃ、もう会う事は無いと思うけど~・・・・バイバ~イ!」 ザッ マアト「あ!ま・・・・待って! なぜ薬の効き目が・・・・・・・・・おい!!」 ザクエル『・・・・マアト君? マアト君、いったいどうしたんですか?』 マアト「・・・・・・・・・・そんな・・・・・そんなバカな・・・・僕の調合が・・・・・僕の計算が合わなかったなんてありえない・・・・・・ありえないよ・・・・・・・・・・。」 ザクエル『マアト君、いったいどうしたんですか?返事をして下さい、マアト君!?』 ザクエル『マアト君!?』
2008年02月11日
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ギュッ ザフィア「いてぇ!いきなり何すんだよ!」 マアト「あはは・・・・ゴメンゴメン、あまりにも君が元気にペラペラ喋ってるからさ、本当に体が動かないのかな~って。でも、どうやら本当に効いてるようだね、だって咄嗟の痛みにも体が反射的に筋肉運動しなかったもの。良かった危うく僕の調合に自信が無くなっちゃうとことだったよ。 ・・・・それにこの綺麗な瞳、まるで上質の琥珀の様で綺麗だね。あの方が大事に持っているあの金の眼球と似てて、とっても綺麗・・・・・・・・僕もこの眼球・・・・・欲しいなぁ・・・・・」 ザフィア「ほ・・・・欲しいって・・・・・何言って・・・・・か・・・顔近!」 マアト「・・・・・・しかし、僕って今まであまり人に興味はなかったんだけれども、何故だか君には研究対象としてだけではなく、一人の生きている人間としても、とても魅かれるよ・・・・何でかな?あ!そうか、今まで僕の周りには君みたいなタイプが居なかったから新鮮なんだね、きっと!」 ザフィア「だ~か~ら! 人の体を無断でベタベタ触るなって!それとも身動き出来ない人間にそういう事をするのが趣味な訳?でも、あんたがいくら綺麗な顔してても俺、恋愛対象女性だからっ!」 マアト「?何勘違いしてるの?僕、男だよ?どうして男の君にそんな気を起こさないといけないの?」 ザフィア「あそ?俺はてっきりそっちのヒトなのかと思ってたけど?女の子みたいな顔してるし。その【あの方】って奴の夜のお相手もしているのかな~と思・・・・・・・」 バシッ ! ザフィア「って~~~~・・・・・」 マアト「・・・・君がいくらあの方が欲しがっている【ノアーの住人】だったとしても、あの方を侮辱する事はこの僕が許さないよ!? それに・・・・君、自分の立場解ってないんじゃないの? 今は僕の薬で指一本動かせない状態なんだからさ、もうちょっと態度を改めたら?場合によっては最悪、生きていなくっても一向に構わないんだからさ・・・・だって、あの方が必要なのは君の細胞なんだもの・・・・」 ザフィア「・・・・チ! 森での事を根に持ってやがんな? つーかさ?お前が今やっている事とかそういうセリフって、地球浄化や世界平和を唱える宗教団体には相応しくねぇ言葉なんじゃねぇの?」 マアト「偉大な医療の発展には多少の犠牲は仕方ないものなんだよ」 ザフィア「ひでぇ!その為には俺様が死んでも一向に構わないってか!?思いっきり極悪人のセリフじゃねぇかっ!!お前絶対友達居ないだろ!?」 マアト「最悪のパターンの話だよ? って言うか、僕は友達なんていらないし・・・・・あの方さえ居れば他には何もいらないもの。・・・・・・あの方が喜んで下さるのなら、僕はあの方の代わりにどんな汚い事でもやってみせるよ・・・・・」 ザフィア「チッ『あの方あの方』かよ、完全にあっち側行っちまってるなぁ」 プルルルルル・・・・・・
2008年02月11日
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ザフィア「って何?」 マアト「え!? 君DNAも知らないの!?小学校低学年科学の基本中の基本でしょ!?」 ザフィア「・・・・・悪かったな~!俺の家は山奥の山村で、町まで片道半日掛かるし、どっちにしろ貧乏だったから学校なんて行けなかったんだよ!」 マアト「ふぅ~ん、なんだ、君も親の居ない子供だったのか?」 ザフィア「違う、両親は居たよ。ただ、二人共俺が5歳の頃事故で死んじまったけどな。後は・・・・・まぁ、よくあるお決まりのパターンで俺の事を引き取る親族が居なかったから同じような境遇の子供らとグループを組んで逞しく生きてきた訳だな。・・・・って何?君もって事はあんたも児童施設かなんかで育ったの?俺ぁ神父になんてなってるような奴だから、てっきり裕福な家のおぼっちゃんだと思ってたけど・・・・・悪かったな」 マアト「え?何が悪かったって?」 ザフィア「え?だって」 マアト「あぁ、僕は別に親なんて今まで必要と思った事なんてないから何とも思わないけど、他の人間は親が居ないって事に何らかの感情があるらしいよね。・・・・まぁ、確かに例え素晴らしい能力があったとしても、今の一般社会では親が居ないってだけで就職もままならないものね、それを考えたらやっぱり親って必要なのかな?とは思うけど」 ザフィア「あのな~、さっきから有利とか不利とか言ってっけどよ、親ってそんなもんじゃねぇだろ?もっと~・・・・そう、例えば親が居たらこういう風に一緒に暮らしたいとかさ、親に抱きしめられたいとか・・・・子供だったら誰でもそういう風に思うもんだろうが?」 マアト「抱きしめられたい・・・・・・?親に?何で?」 ザフィア「何でって お前・・・・ 」 ピー! コンピューター『解析完了しました』 マアト「あ! どうやら君の身体解析が完了したようだね」 コツコツコツ・・・・ ザフィア「ってお~~い! 人の話を聞けよ!」 マアト「・・・・ふぅ~ん、やっぱり君の身体能力、凄いよ!骨密度・筋肉量、内臓・・・・・どれを取っても理想的なバランスだよ。 後は血液の成分分析とウィルスチェック、DNA解析を待つだけだけど・・・・・これはDNAも期待出来そうだな~・・ふふ・・・もしかして君には【ディファ】の血が入っているのかもね。」 ザフィア「【ディファ】!?オイオイオイ、何で俺があんな奴らの仲間な訳?俺の両親はちゃんとした人間なんだからさ、勝手に俺をあいつらなんかの仲間にすんなよな!」マアト「あれ?君って【ディファ】排除派なの!?今はもう殆ど【ディファ】と人類の垣根って無くなっていたと思っていたんだけど・・・・・まだそんな化石みたいな考え方を持ってる人間が居るんだ。今となっては【ディファ】と人類のハーフだって産まれているんだからさ、差別は良くないよ?彼らの能力は素晴らしいし、それに・・・・・・・・」 ザフィア「・・・・・・・・ウルセェな~、あんたには関係ねぇだろ?てかさ、それよりも、そもそも何で俺がこんな目に遭わされなくちゃいけない訳?」 マアト「まぁ待ってよ、ちゃんと説明するから・・・・・簡単に言えば、僕達は君の噂を聞いてその優秀な細胞を難病の遺伝子治療に役立てられないかと考えていたんだよ。だから、協力をして貰う為に何度か使者を君の所に送っているのに、それに君が応じようとしないから最終手段でこんな事をせざるを得なかったんだ。・・・・・でも、どうやら使者と君の間ですれ違いがあったようだね・・・・・。」 ザフィア「どうやらそのようだね~。・・・・・まぁ、こんな事をした目的は解ったよ。でも、どちらにしろ最初から説明されていたとしても、協力する気にはならないね」 マアト「どうして!?君が世界に蔓延している難病を治せるかもしれないんだよ!?言わば・・・・」 ザフィア「言わば・・・?あんたんとこの教えで言う所の【世界を救う救世主】になれってか?冗談じゃないね!そんな事言って本当のところ何されるか解ったもんじゃないし、モルモットになるなんてごめんだね!」 マアトフゥ・・・・「まぁ、家族(信者)でもない人間からいきなり有効的に協力を得る事は難しいとは解っていたけれども、思った通り強情だね。・・・・・まぁいいや、どちらにしても、もうこうなった以上君は僕らに協力せざるを得ないんだからさ。 ・・・・・・それにしても、本当に綺麗な筋肉の付き方をしている」 ス・・・・ ザフィア「は?」 マアト「首から胸にかけてのライン、上腕二頭筋、腹筋・・・・・本当に無駄の無い綺麗な体してるよ、男の僕から見ても惚れ惚れしちゃうよ」 ザフィア「おいおいおいおい~~~何勝手に人の体撫で回してんだ~?急に怪しい雰囲気醸し出してんじゃねぇぞコラ」
2008年02月11日
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???「あ~ぁ。」ピッピッピッ ピッピッピッ・・・・ピピーーー! ザフィア「参ったな~、ハハ・・・・見事に首から下は動かないでやんのやっぱアイツに打たれた薬のせいか?ったく!得体のしれねぇもんを騙し討ちで打ちやがって・・・・・・。・・・・・チッ確かにな~、俺最近負け知らずだったもんな~。狩り(山賊)も今までそうそう失敗なんてしなかったし、あそこを通る奴らってばただの町民ばっかだったから楽過ぎて油断してたよな。・・・・・・・・うん、やっぱ油断した俺様がわりぃやね」ピッピッピッ コンピューター『・・・・身長・筋肉量・骨分量・解析完了。血中ヘモグロビン量・・・・・・』ザフィア「な~んか勝手に血ィ抜かれてるみたいだし変なベッドにも勝手に俺の体を調べられてるみたいだし・・・・・いったい何が目的なんだ~?」 ピッピッピッ ピ―!コンピューター『・・・・レントゲン照射完了・・・・・・。』ザフィア「勝手に人の体ん中見んな~~~!ウルセェっつ~の! ・・・・・ん?」 ザフィア「何だ?これ・・・・・・・・・デッカイ香水瓶?」 ???「何を一人でブツブツ言っているの?」ザフィア!? ウィーー・・・・ン・・・・・ マアト「しかし、君の身体能力には本当に驚かされるよ。僕の計算でいったら、普通の成人男性だったらまだ眠っているか、普段体を鍛えている兵士でも暫くは意識が朦朧としている筈なのに・・・・・・君は元気に独り言を言っているんだもの・・・・・クスクス・・・・・。でも、首から下はまったく動かないだろ?僕がそういう風に睡眠薬を調合したからね。」 ザフィア「・・・・・・・・・・・・・・・・。」 マアト「あれ?怒ってる?」ザフィア「こんな事をいきなりされて怒らない奴が居たら是非お会いしてみたいもんだねぇ?」 マアト「ふふ・・・・・まぁ、確かにね。それよりもそのブルーの瓶が気になるようだね?どう?綺麗だろ?」 ザフィア「あ? ・・・あぁ、ご自慢のお貴族様の趣味ってやつぅ?どうせ香水か何かだろ?良いご身分だねぇ~、この部屋には似合わないけどなっ」マアト「ふふ・・・・違うよ。この瓶の中にはね、僕の大事なアルカロイドや毒が入っているんだ。隣の部屋にはもっと色んな種類の物が置いてあるよ、あの方が僕の為に世界中から取り寄せて下さった僕の大事な宝物なんだ」ザフィア(・・・・あの方?)「っほ~、ホンット! 良い趣味してる」マアト「趣味じゃないよ、僕はこれらのアルカロイドや毒、薬品を使って、薬剤師や麻酔技師としてあの方のお役に立ってるんだ、立派な研究・・・・・・仕事だよ。君に打った物も僕がこれらのアルカロイドや毒から調合して作り上げた睡眠薬なんだよ?アルカロイドや毒って分量や調合次第で病気を治す薬や手術で役に立つ麻酔にもなるし、鋭い牙や爪を持たなくても、自分よりもうんと大きくて強い動物だって一瞬で倒せるんだよ?それを考えたら、毒ってこの地球上で最も繊細で最強な素晴らしい防具でもあり、武器でもあるって思わない?」ザフィア(・・・・・あ~ぁ、こいつ、完全にあっち側行っちまってるよ)「ふ~ん、で?その薬剤師さんが何で俺をこんな目に合わせてる訳?」マアト「僕だってさ、本当はこんな騙し討ちみたいな事、したくなかったんだよ?でも、あの方が何度も君の元に使者を出して僕たちに協力してくれるよう頼んだのに、君がいう事を聞いてくれないから・・・・・・本当はとっても名誉な事なのに・・・・・」ザフィア「は?何言ってんの?そんな使者だなんて一度も・・・・・あの森に住む前だったら兵士がよく勧誘に来てたけどな。・・・・・・・・それに、その名誉って何だよ?」マアト「ここまで来てウソを言うのは止めてよ。あの方は何度も君の元に使者を送ったけれども【ノアープロジェクト】の協力を要請したけれども、拒否されたって言ってたもの。だから今回は側近の僕が直々に動いたんだよ。」マアト「だ~か~ら~!そんな【ノアープロジェクト】の事なんて今が初耳だっつ~の!っつ~か【ノアープロジェクト】て何!?いったいこんな事をしてまで俺に何をさせたいのよ!?」マアト「・・・・・その様子だと・・・・・本当に知らないようだね・・・・?おかしいな?ザクエル様は確かにそうおっしゃってたんだけど・・・・・・・・・・。まぁ、いいや、どちらにしろ君には【ノアーの住人】になって貰うんだ。協力って言うのはね、君の細胞を使わせて欲しいんだ。正確には人ゲノム・・・・DNAが欲しいんだけどね」 ザフィア「DNA~!?」
2008年02月05日
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