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-Dead or Alive- 生きたいと願う心
雨音が強く屋根を叩く音がする。
でも、僕の知っている雨音じゃない・・・。
「・・・・・・?」
僕はゆっくりと目を開けた。
僕の目に映し出されたのは鉄骨のむき出しになった天井。
ここは・・・。
「倉庫!そうだ、僕は!」
僕は飛び上がったがその瞬間、後頭部が痛み目の前がゆがんだ。
目の前がぐるぐる回り、変な気持ちの悪さに口を手で押さえる。
「っはぁ・・っはぁ・・」
ゆっくりと深呼吸をし気持ちをなだめる。
しばらく、深呼吸をすると僕は辺りを見渡した。
「ここは、昨日の倉庫・・・?」
昨日僕は、僕と幾つも年の違わない少女と交戦した。
交戦というよりも一方的に狙われただけだが・・。
「と、とりあえず逃げよう・・」
僕はとっさに起き上がり扉に向かおうと歩き始めたが足に
凄まじい痛みを感じ、顔をしかめた。
「っ・・・・っぁ・・・ぁが・・!」
言葉にならない痛み。
僕は足を見ると包帯でグルグルに巻かれていた。
「そうか・・・昨日、撃たれて・・・」
幸い今はあの子はいないみたいだ・・ならば今のうちしかないのに・・!
「とにかく・・出なくちゃ・・!」
僕は辺りを見回し、杖になるものを探した。
が・・・辺りを見回しても木箱と布ぐらいしかない。
どうする・・・・。
僕が考え込んだとき扉の開く音がした。
曇り空といえど薄暗い倉庫の中に差し込むの光に目を細める
「目が覚めたのね」
彼女はそういうとまた扉を閉めた。
この声に聞き覚えがあった、いや忘れるはずが無い。
僕の足を撃った本人。
彼女が来たからには僕は逃げられない、銃を持っているかもしれないからだ。
彼女は僕に一歩一歩近づいてくる。
僕は抵抗しないで何も喋らず彼女の行動を見ていた。
「食べなさい」
僕の横にビニール袋が放り投げられる。
「・・・・?」
「前にも言ったけど貴方には生きていて貰わないと困るの」
彼女はそれだけを言うと僕の隣に座った。
たしかにお腹がすいている・・。
僕は袋からおにぎりを出し食べた。
この状況からどうやって逃げ出す・・・。
まず彼女は銃を持っているかもしれない。
でも生きていてもらわないと困るってことは・・・嫌、駄目だ。
昨日もその言葉を信じた結果痛い目にあった。
片足は動かない。
杖になるものは無い。
彼女に殺される可能性だってある。
「僕は・・・この後どうなるんだ・・・?」
僕は逃げるという考えを一旦捨て彼女に問う
彼女は哀しい顔をして口を開いた。
「貴方はこれから組織の道具として使われるわ」
僕はこの前から気になっていた。
彼女は何故、哀しい顔をするのか。
あの大人を殺した時だって哀しい顔をしたし、僕を殺そうとした時だって。
「道具・・・・それってやっぱり殺しをさせられたりするのか・・?」
「それ以外に何があるのよ」
彼女は冷たい声で答える。
「僕はこのまま、君たちの組織で殺しをさせられて死ぬのか?」
「さぁ・・わからないわ」
僕は中学3年生。
なのに殺しの世界で生きる?
何を馬鹿なことを・・・。
「僕には家族がいるし、友達もいる。僕は今までどおり普通の人生を送ってはいけないのか・・・っ!?」
僕は今まで溜まっていた怒りをあらわにした。
「僕は絶対に嫌だ・・っ!そんなの!・・・何で人を殺さなければいけないんだ!」
「君は嫌じゃないのか?!僕と年だってあまり変わらないのに!なのに人を殺して嫌にならないのか?!」
彼女は下を見たまま僕の言葉を聴いていた。
「じゃあ、貴方はなんで人を殺すことをためらうの?」
「な・・っ。それは犯罪だからだ・・!」
「でも私は昨日、人を殺した。」
「私の生きる世界では法律も秩序も何にも無いのよ。ただ人を殺さないと私が死ぬだけ」
彼女はやっと僕の顔を見た。
でも彼女の目は哀しい目をしていた。
「君が人を殺すのはどうでもいい!何で僕が巻き込まれないといけないだ!」
「じゃあ、もし君の言う友達が人を殺したら君は友達を軽蔑するの?」
「もし、君以外の人が人を殺していてもどうでもいいの?君が殺すのは嫌なのに?」
彼女は僕に問う
「そ、それは・・・。」
僕は言葉に詰まる。
「人は自分のことしか考えれない生き物なの。自分が良ければそれで良い」
「貴方だってそう。」
彼女はそういうとまた顔を下に向けてしまった。
僕は彼女にそんなこと言われるとは思わなかった。むしろ現実を突きつけられた感じだった。
「君は・・・君は自分の人生を呪わないのか・・?」
「呪ったって仕方無いわ。これが私の人生。変わる事はできない」
それからしばらくの間、沈黙が続いた。
30分・・・40分・・・どれだけ経ったであろうか。
耳に聞こえるのは雨の音。
塗炭の屋根に降り注ぐ雨の音。
激しく強く鳴り響く。
「僕は・・・・どうすれば良いんだ・・。」
僕は彼女に呟いた。
しかし返事は無い。
よく顔を見ると寝てしまっている。
その時、僕の脳裏にふと考えが浮かんだ。
今なら逃げれる・・っ!
足は痛みも引いて、これなら足を引きずりながら扉まで歩いていける。
扉を開けるのに音がするがゆっくり開ければ気付かれないはずだ。
僕はそう思い扉に歩いていこうと思ったが一つ思い出した。
彼女は銃を持っているかもしれない・・・。
僕はそっと彼女の服を見た。
銃と思しきモノは見当たらない。
服装がGパンと半袖のシャツだけに入れる場所は少ない。
僕はゆっくり立ち上がりなるべく音を立てないように足を引き釣り歩いた。
途中で足が少し痛んだけど命が助かるならこのくらい・・!
僕はゆっくりと扉を少し開け、倉庫から出た。
「や、やった・・・・帰れる・・・!」
僕はそう小さき呟き辺りを警戒しながら自分の家がある方向へ足を運んだ。
雨が僕の体を濡らす。
これで僕はいつも通りの人生に戻れる。そう安堵感が僕を包んでいたがどこか引っかかることがある。
"彼女は僕に逃げられたのが組織にバレたら殺されるのか・・?"
僕は立ち止まった。
でも僕はこれで助かる・・・。それにもしかしたら彼女は生かされるかもしれない。
彼女は組織の・・・道具・・。
もし彼女が生かされたとしてもまた殺しを続けるのか。
「僕は何を考えてるんだ・・?」
彼女は犯罪者だ。僕がそんなに考えることじゃない。
「そうだ・・・僕はこれで正しいんだ。」
僕はまた歩み始める。
"人は自分の事しか考えられない生き物なの"
"君以外の人が人を殺していてもどうでもいいの?君が殺すのは嫌なのに?"
歩いているうちに僕は彼女の言葉が頭の中でグルグル回っていることに気がついた。
「ここにいたのね」
気がつくと彼女は僕の目の前に立っていた。
「なっ・・なんでここに・・!?」
僕は目を疑う。
「貴方に発信機をつけたの」
「え・・?」
僕は体を手で触った。
すると僕の手に確かに固いものがあたる。
僕の背中に付いていたのだ。
気付かなかった自分に苛立ちが込みあげる。
「僕を今、ここで殺すのか?」
僕は彼女に問う。
「ここで殺すのも構わないわ。でも貴方は死にたいの?」
彼女は腰辺りから銃を取り出すと僕の目の前に銃口を向ける。
「僕を殺すのは命令違反じゃないのか?」
僕は言う
「この前も言ったけど組織の一員になる見込みがなければ殺す」
彼女は言う。
「今ここで死ぬ?それとも生きたいの?人を殺しながら」
雨はいっそうに強く降り始めた。
僕は膝をついて地面に座った。
体温がどんどん冷たくなっていき体が震え始める。
耳には鼓膜を突き破るような雨の音。
「僕は・・・」
彼女はずっとそのまま立ち尽くしていた。
「僕は・・・・たい・・・・・・」
言いたくない。言ったら僕は一生後悔するだろう。
「僕はぁ・・・いき・・たい・・・」
言うな。僕の心が魂が叫ぶ。その言葉を口に出してはいけないと。
しかし僕の別の心が・・・生きたいと願う心が僕を動かしていた。
「僕は・・僕は・・僕は・・僕は生きたいっ・・・!!!!」
「僕はこんなところで死にたくない!!!!生きたいんだっ!!!!」
言ってしまった・・・。僕は強く降りしきる雨の中で口を大きく開け吼えた。
雨音にも負けない声で僕は強く生きたいという言葉を吼えた。
もはや僕は逃げるという考えは無い。
僕は後々に来る後悔の念と生きたいと願う心に負けた悔しさで涙が溢れる。
雨が降りしきる中で僕は泣いた。
「そう・・・・」
彼女は銃をしまいながらそれだけを言う。
僕は涙と雨でにごった視界を拭い彼女を見る。
彼女はまた哀しい顔をしていた。そして見間違いだろうか微かに泣いていたような気がする。
彼女は僕の手を取ると強く握り僕を立たせた。
僕は何も言わずに彼女に手を引かれ歩いていった・・・・・・。
強く強く激しく冷たく寒く僕に討ち付ける雨。
強く強く握り締める細い手。
悲しく涙を流す僕の心。
僕は手を引かれてさっきの倉庫に戻ってきた。
倉庫の中は冷たい空気が充満している。
服はビショビショに濡れ体温は下がっていた。
吐息が作る白い煙がそれを表す。
彼女は僕の手を離すとそのまま奥に歩いていきストーブをつけた。
「こっちで暖まって」
彼女は手をストーブにかざしたまま僕に言う。
僕は歩きストーブの前に立つ。
暖かい。
彼女はさっき僕が座っていた木箱をあけタオル2枚出した。
木箱が空いた瞬間僕は驚いた。
木箱の中には無数の銃が入っている。
ハンドガンやら銃弾、ライフルと呼ばれる奴であろうか。
全部ゲームとかでしか見たことの無いの奴だ。
彼女はタオルを取り出すと僕に渡した。
「・・・・・・」
僕は何も言わずに渡されたタオルで頭を拭いた。
彼女もタオルで自分の髪を拭く
本当に僕といくつも違わない子なのに・・・。
しかし僕はこの世界に足を踏み入れてしまったのだ。
僕もいつかこの子みたいになってしまうのだろうか・・・。
僕はものすごい罪悪感を感じていた。
学校はどうするのか。高橋くんや飯塚さんが心配しないだろうか。
母親は心配しないのだろうか。
「僕は・・・これからただ人を殺して生きていくのか?」
「今は違うわ。これから色々と覚えてもらうわ」
彼女はタオルを首にかけ言う。
「ここ(日本)に居る間は貴方はいつもと同じ風に過ごしてもらうわ」
「・・・・・そうか」
「貴方は私の言うことに従って」
彼女は冷たい声で言う。
「学校が終わったらここに来てもらうわ。時間とかはメールで送るわ」
「・・・・・。」
僕は頷いて了承した。
「それと」
彼女はふいに呟いた。
「これ使って」
彼女はまた木箱から何かを取り出した。
彼女の手にはケータイがある。
「私の予備。」
彼女はそれだけを言うと木箱から服を取り出し奥へ行ってしまった。
僕は木箱に座りケータイを開く。
僕は指で番号を押し、母に電話を掛けた。
《もしもし?》
「あぁ・・母さん。僕・・・」
《英治?!あんた昨日ドコ行ってたの?!それより学校は!アンタどこいるの?!》
「ごめん、昨日は・・・・・友達と遊んでて今帰るとこ」
僕は嘘を付いた。
《本当に心配させないでよっ!そのお友達に今度お詫びにし行かなくちゃいけないじゃない!》
「う、うん・・・」
《帰ってきたら覚えておきなさい!それと早く帰って学校に行きなさい!》
「は、はーい・・・」
《あと、この電話誰かの借りてるの?電話番号違うけど》
「あ、あぁー・・・番号変えた。」
《いつ?》
「昨日・・」
《あんたお金持ってたっけ?》
「うん」
《そ。じゃあ学校絶対いきなさいよ》
「はい」
久しぶりに母さんに怒られた。
僕はケータイを閉じ、彼女が奥から出てくるのを待っていた。
ここの倉庫は中央に僕の座っている木箱3つ。
あとはところどころに廃材やパイプと箱があるだけ。
「誰に電話していたの?」
彼女は服を着替え聞いてきた。
「親に・・・」
「そう」
僕はケータイをポッケにしまい彼女に言う。
「今日は学校なんだ。」
「じゃあ、今日の午後5時30分にここに来て」
彼女はそう言うと木箱から銃を取り出し銃の手入れを始めた。
僕はこれからどうなるのであろうか。
そう思いながら僕は倉庫を出た。
足の痛みはもうほとんどない。
雨はいつのまにか止んでいて、曇り空の間から青色の綺麗な空が見えた。
僕はこの先、人を殺すのだろうか、そして罪悪感に追われながら
罪を一生抱えながら死ぬ運命なのだろうか・・・。
家に帰って僕は制服に着替え学校に行く。
はたから見れば普通の学生。
でも僕はもう普通の学生じゃない。
この晴れない気持ちのまま学校に着き、友達と話した。
もうこの他愛の無い会話も出来なくなる。
「はぁ・・・・」
僕が小さく溜息をつくと聞き覚えのある声がした。
「なにしてんだよ、お前」
「高橋君・・」
高橋くん・・・もう話せなくなるのか・・・
「辛気臭ぇ顔すんなよ。」
「うん」
僕はそう答えた。
「なんか悩みでもあんのか?」
高橋くんは鋭い
「・・・いや、何も無いよ。ちょっと調子悪いだけだから」
高橋くんはそうかとだけ答えると教室に戻っていった。
空は青く清々しくてとても澄んだ空気をしている。
「ごめん」
そう僕は独り言を言うと教室に戻った・・。
授業中も頭の中は混乱していて授業も頭に入らなかった。
だが、僕の頭の中に浮かんだことがある。
"彼女に利用されながらも僕は彼女から逃げる方法は無いのか"
もし、僕が殺しの道具になるのであれば銃やら殺しについて教えられる
はずだ・・・。
ならば、その隙を付いて僕は彼女の言う組織から逃げられないか?
「イチかバチか・・・」
僕はそう呟くと心の中に何かの可能性を感じた・・・。
午後5時30分。
昨日の夜とは変わって眩しいほど紅い色をした夕焼けが綺麗な風景を作り出す。
僕は彼女のいる倉庫・・・海辺のすぐ近くにある工業地帯の倉庫に来ていた。
この辺は幾年か前に事件が起きて廃工場になったため誰も近づかない。
工場の騒がしい音は無くただ波の音が響くだけの寂しい場所だ。
倉庫の扉を開けると薄暗い中に人影を見る。
その時だった。
倉庫の中を照らす夕焼けに反射して黒光りしたものが目に入る。
次の瞬間倉庫内にタン!という音が響く。
音と共に出た鉛・・・銃弾は僕の頬をかすめた。
「・・・っ?!」
僕はいきなりのことに驚く。
「今のは避けてもらわないと困るわ・・・」
倉庫の奥から出てきたのは僕を殺しの世界に巻き込んだ少女・・。
「無理に決まってるだろ・・・」
僕は呟く。
彼女は僕の言葉には無視して僕に近づく。
彼女が僕の目の前に来た瞬間、僕の腹部に激痛が走る。
「っ・・・ぁが!・・は!」
腹部を拳で思いっきり殴られた。
僕は床に膝と手を付き片手で腹を押さえる。
腹の底から戻しそうになったが何とかこらえた。
「これもダメ・・・」
彼女はそう呟くと床に顔をあわせている僕に蹴りを加えた。
顔がじんじんと痛む。
「ぐぁが・・・!」
僕は鼻から赤いものが流れてくるのが分かった。
「これもダメね・・・」
僕はやっとの思いで立ち上がり彼女の胸倉を掴んだ。
「何するんだよ!」
僕はそう叫んだ。
「貴方の本能が中々目覚めないからよ。」
「は?」
僕は胸倉を掴んだまま彼女に問う。
「前にも言ったでしょ・・。貴方の本能をいつでも目覚めさせれるように
しないといけないの」
彼女は胸倉を掴んでいた僕の手を強く叩く。
痛さに僕は手を離した。
「本来、本能というものは自分では動かせないものなの。」
「でも、いくつかは確認できる本能があるの。」
彼女は服を直しながら言う。
「まずは人間の三大欲求である食欲・・・。
人は何かを食べなくては生きられない。"空腹"と感じさせるのは自分が死ぬということを
知らせるため。これも立派な本能よ。自分の意思ではなく自然になるもの。」
彼女は喋る。
「次に性欲。これは子を成すことにより自分の子孫を残す。
結婚して子供が欲しいと感じたりするのも本能の一つよ。
そしてすべての動物に当てはまるわ。」
「そして睡眠欲。これは眠気を感じることは誰にだってある。
これは睡眠によって自身の体を休めさせ健康状態に回復させる為にある。
人間は自然に夜になると寝る習性がある。これも本能と言えるわ」
彼女はまるで医学者か何かかと思うほど詳しく喋った。
「それと僕に何が関係あるんだ?」
僕は言う。
「そしてこれらの欲求は、人間全員にある。でも、貴方にしかない
欲求・・・いえ本能があるとしたら?」
「僕にしかない・・本能・・・?」
彼女は不思議なことを言う。
「生存本能。生きるすべを瞬時に導き出し体を動かす。本来、生存本能と
いえば生きようとして普段は食べないものを食べたり、
生きるために脳が急激に活性化するものだけど、貴方の場合は違う。」
彼女は少し間をおいて口を開いた。
「生きるために人を殺す術を脳が導き出す。殺戮本能に近いかもしれないわ」
そんな話、聴いたこともない。今まで言われるまで一度も。
そもそも僕自身、そんな本能を持っているのすら知らない。
「・・・・・・もしかして、その、僕の本能を利用すれば君の言う組織の大きな
戦力になる・・・・。そのために僕を・・・」
確信した。僕は殺人の道具として使われる為に誘拐されたのだと。
「えぇ・・・・そうね」
彼女はそっけなく答える。
「僕は、人を殺さなきゃ生きていけないのか」
「その質問、前にも聞いたわ。」
彼女は僕と目をあわさずに答える。
「でも、心のどこかでは貴方は思っているんじゃないかしら?」
彼女が言う
「人を殺したいと」
こういう時にだけ僕と目を合わせる彼女に少し嫌気が差す
「ふげるなよ。僕は人なんて殺したくない」
僕は彼女に背を向けて言う。
「そうね。でも・・・・」
彼女は何かを言いかけながら僕の背中に手を置いた。
「自分が殺されると分かったのなら?」
彼女が言うと同時に背中側から内臓が押された。
体の中がひっくり返るような痛みとあまりの唐突さで受身を取れず地面に叩きつけられる。
「私を殺す勢いで来なさい、私は貴方を殺すわ」
銃を僕に突きつけると彼女は言った。
僕はとっさに身を翻して彼女を見る。
目の色が変わっている-----
その色は綺麗とは程遠く暗くて鉛のように鈍く光っていて・・・・腐ってた。
彼女の目を確認してからだだろうか。
僕は何も考えれないほど彼女に集中していた。
銃から出た鉛の玉が僕の脳天を目がけて飛んでくる。
銃弾は地面に音を立ててのめり込み、銃から排出された黄金の筒は地面に
軽い音を響かせながら落ちた。
僕は咄嗟に彼女の足を払おうと足を勢い良く動かしたが彼女は既に
後ろに飛び退き銃を再び撃った。
僕は横に体を避け立ち上がりながら銃弾を避ける。
なんだろう、この感覚は。
なんだろうこの動きやすさは。
なんだろうこの胸の置くが疼く感じは。
ああ、そうか、これがそうなのか。
【殺される恐怖】と言う奴か。
僕が走ると追いかけるように銃弾がついてくる。
彼女は僕を狙いやすいように動く。
僕は彼女の銃弾を物陰で防ぎ、動いて防ぐ。
彼女に集中していながら僕は頭の隅で思っていた。
【楽しい】と。
「いつまで銃弾と鬼ごっこするつもりなの?いい加減私を殺しに来たら?」
彼女の挑発が倉庫内に響く。
彼女がマガジンを排出し、入れるまで掛かる時間は役3秒。
僕と彼女の距離は約50m。
頭でパズルが組み立てられるように計画が作られる。
そして出来たパズルには彼女を撃ち殺す僕が写っていた。
何故だろうかここまで確信した事は無い。
成功する保障も無い、でも
死ぬ気がしなかった。
「そろそろ殺すわ」
「それは"俺"のセリフだ」
俺は物陰から出て彼女の目の前に立っていた。
彼女は僕に銃を構えている。
俺が走る為に身構えた瞬間、彼女は銃弾を撃っていた。
1発、2発、3発、4発、5発、6発、7発と銃弾は俺を目がけて雨のように
飛んでくる。
俺は彼女の銃弾を避けながらスピードを落さずに近づく。
1発目の銃弾は地面に、2発目は奥の壁に3発、4発目は俺の腕をかすり
5,6,7発目は壁に当たった。
彼女は危機を察知し避けたが俺のほうが早かった。
俺は彼女の腕を蹴り上げその勢いで彼女の胸倉を掴み押し倒した。
蹴り上げられた衝撃で射出された銃弾は天井の窓ガラスに当たり
ガラスの破片が俺と彼女に降り注ぐ。
銃は彼女の手から離れ、遠くに滑って行った。
彼女に馬乗りになった俺は首を絞めている。
やわらかい首筋がどんどん絞まっていく。
手には骨が押され、気道が絞まる感触が広がる。
ああ、今、俺は人を殺そうとしている。
【なんて心地良いんだ・・・・っ!】
そんな気分を害したのは腹の横に走る激痛だった。
彼女は落ちてきた大きなガラスの破片で俺の腹部を刺している。
彼女は怯んだ俺の顔面を殴るとその勢いで起き上がり息を整えた。
「惜しい・・・。もう少しで殺せたのに!」
俺は腹から込み上げるイライラを彼女にぶつけた。
「ハァ・・・ハァ・・・ゲホ!ゲホ!・・・まだよ・・・」
彼女は俺に向かって走ってくると腕を掴み背負い投げをする・・・が
俺は空中で体を翻し逆に彼女を投げた。
彼女は壁に激突し悲痛な声を上げる。
俺は歩きながら彼女に近づく。
俺の腹部からは血が垂れ流れる。
彼女は再び体を起こし俺に向かって走り俺の肩にジャブをし、足に蹴りをいれ
腹部の傷口に平手を入れた。
自分の腹の中に彼女の手が入ってきたのが分かると共に激痛が走る。
「く・・・くぁああああ・・・があああああぁ!」
俺は痛みに顔を歪ませた。
だが、俺はそのまま彼女の髪を掴み頭突きをくらわせる。
彼女が後ろに仰け反るが再び胸倉を掴み俺の方に引き寄せ
頭突きをする。
彼女と俺の額からは血が流れ彼女は意識朦朧とした目で俺を見るが
彼女の目はまだ腐った色だった。
俺は彼女に三度頭突きを食らわせると今度はそのまま倒れ
また彼女に馬乗りになり感度は鳩尾を殴った。
彼女は激痛を顔を歪ませ表した。
俺は再び鳩尾に強烈な拳を入れる。
彼女は口から胃の中のモノを吐き出し整った顔を汚しながら
激しく咳をする。
俺は彼女の首に手を回し再び力を入れた。
彼女の意識が吹き飛びそうなのを自分の目で確認しながら殺すという
快感に浸っていた・・・がその時俺は落ちているガラスの破片を見た。
ガラスの破片に写っている俺は酷く醜く汚く穢れていて
目が腐っている。
俺は自分の手に入れた力を緩め彼女を見た。
目からは涙を流し激しく咳をし息を荒げている。
俺がこれをやったのか・・・?
頭の中にこの文字だけが浮かび上がる。
先ほどの快感は一瞬のうちに払い除けられ逆に
どす黒い罪悪感と恐怖心が心を飲み込む。
「う、う、うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
倉庫内に響く"僕"の声。
僕は彼女の上から飛びのけると壁まで走り叫びながら頭を壁に思いっきりぶつけた。
何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も
何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も
何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も!
視界がぐら付き体がバランスを保てなくなり生温かい血が頭から地面にボタボタと流れる。
僕は何をしていたんだ・・・。
僕は人を殺そうとしていた。
それだけじゃない、殺すことに快感と悦楽を!
人間じゃない!僕は人間じゃない!
そうだ、僕は人間じゃない!死のう!死ぬんだ!僕は死ねば良いんだ!
こんな危ない生命体!死ねば良いんだ!
僕は銃が落ちているところまで歩いていくと銃を拾い上げ
自分のこめかみに突きつけた。
引き鉄に手を掛け指を引いた---------------------
倉庫内に銃声が響く
黄金の薬莢が地面に軽い音を立て弾きかえる。
銃弾は僕の足の横の地面に当たっていた。
「何でだよ・・・何で何だよ・・・・・・!何で死なせてくれないんだよ!」
僕は自分の体にしがみ付いている彼女に向けて言った。
彼女が咄嗟に腕を掴み地面に落とした為に銃弾が外れた。
彼女を掴み自分の目の前に持ってきて胸倉を掴んで揺さぶる。
「何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!何で!」
「何で僕を殺させてくれないんだああああああああああああああああ!」
僕は彼女を揺さぶりながら言う。
彼女はうつむいたまま何かを呟いた。
「・・・・・し・・も・・で・・・・・な・・ん・・・で・・・」
そして彼女は僕の目を見ながら叫んだ
「何で私をあのまま殺してくれなかったのっ!?何で!何で!あのまま私を殺して!
殺して・・・ほしかった・・のに・ ・ ・ ・ 何で・・何・・・で・・・」
彼女の目からは涙が流れている。
大粒の涙が。
自然に胸倉を掴む僕の手が緩む。
彼女はそのままズルズルと下に下がり地面に腰を落として
顔に手を当てて泣いた。
倉庫内には少女の悲痛な泣き声と心が壊れた少年だけどが残されていた・・・・・。
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