あばら家のバラ

あばら家のバラ

野原の生き物 雑木林


林が...



家の北側の奥には
手入れのされていない
ちょっとした林があった
林にはさぞかし
いろいろな生き物が
いたであろうと思われる

ヘビが向かい側にある広場に
植えられている木に絡んでいたり
カエルもいつもこの道を横断して
広場のほうへ渡っていた
でも度々横断に失敗して
事故に遭っていた

春には鶯は勿論の事
コジュケイも鳴いた
始めて聞く鳴き声
ちょっとこい、とか
こっちこい、とかに
鳴き声が聞こえる鳥である
姿は見えないが
大きな声だった

林の中には水路もあって
坂を下るように谷津田に
向かって流れていた
一番下には溜りがあり
ザリガニやら
オタマジャクシやらを
みる事ができた
ここは近所の男の子達の
格好の遊び場だった
棒の先に糸を下げ
煮干をつけて
ザリガニ釣りをやるのである
ある時、この林が
伐採され全ての木がなくなった
小さい鳥が棲み家を
追われたのだろう
電線のカバーになっている筒に
出たり入ったりいていた
唯一残されたのは
山桜の木が一本だけであった

林の生き物はみんなどこへいったろう
見通しがよくなり、風も強く
吹き付けるようになった
木の上に生息する生き物は
居場所がなくなってしまっただろう
それはなんともいいがたい
さびしさだった





(c) 2010 abarayabara.



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