ちびころ誕生
これがすべての始まり。
結婚して１０ヶ月目、健康には自信のある私が初めて
「何かおかしい」
と思った。
病気を覚悟で診てもらい、人生初の内診を受けた。
結果、
「おめでとう、妊娠してますよ」
その言葉を聞いてから、7ヶ月・・・
切迫流産、切迫早産になりながらもいよいよ、この時をむかえる。
もともとお腹が張り気味で妊娠8ヶ月の時から胎児は骨盤のほうへ
下がってきていた。
先生からも
「強い陣痛がきたら一気にお産が進むから、おかしいと思ったら
早めに病院へ来てください」
と何回も言われていた。
２００４年５月２０日の午前６時。
睡眠から目覚めると同時に腰の具合が変。
初産なので、どんなのが陣痛かなんて分からないから
この日も普通に朝食を食べていたが、やっぱり腰が痛い。
いつも張っているお腹だけど、安静にして
張る間隔を測ってみると１０分間隔！！
1時間測定して終わった頃には、どんどん間隔が短くなってる。
急いで私の父に連絡して、病院まで送ってもらうことに。
病院まで４０分、午前８時３０分を回った道路は
通勤ラッシュの名残があり、まだ混雑している。
その間にも５分、３分と確実に陣痛がきている。
車の中でもだえながら
「事故らないでとばしてえぇぇぇ」
と半べそで叫ぶ。
ようやく病院に着いて、先生に診てもらうと
子宮口が８割方開いていて
「よくここまでがんばったね、お昼までには生まれますよ」
とのやさしい励まし。
しかし・・・
お昼過ぎても生まれない。
子宮口はほぼ全開なのに、赤ちゃんが産道に入ってこないらしい。
急に不安になってきた。
その不安がまた悪い方へ。陣痛が弱まってきたのだ。
人口破膜して、陣痛を促す。
それでもまた弱ってきたので、促進剤の点滴をする。
お腹の赤ちゃんの心音はずっと正常で元気だということを励みに
がんばるしかない。
どうやら、通常赤ちゃんは回旋しながら産道に入るのだが
私の赤ちゃんは逆方向に回旋して、なかなか産道が見つけられないらしい。
回旋異常。
この状態になると母胎も胎児も体力が落ちるので
帝王切開になることが多いらしい。
だけど私の赤ちゃんは強い！！
とっても元気らしいので分娩室へｇｏのサイン。
やっとイキめると思ったらうれしくなり、そんな私の気持ちの変化に
赤ちゃんも気付いたのか、正常に産道へ下りてきた。
「よっしゃ～」
それからは早かった。
２００４年５月２０日午後３時４６分、吸引分娩にて
２８４８グラム、身長４８、８センチの長男が誕生。
涙が出るのも忘れて、ただただ小さな我が子を見つめていました。
★後日談★
ちびころが産声をあげた時、待合室には夫と夫の両親と私の母がいました。
私は分からなかったけど、産声をあげてからなかなか
待合室に赤ちゃんを連れてきてくれなかったそうです。
夫の母親は、
「赤ちゃんに何かあったのか」
と心配されてたそうです。
しかし、わたしの母親は心の中で
「娘に何かあったのか」
と心配し、ずっと祈っていてくれたそうです。
私はその話を母から聞き、心の中で泣きました。
いつまでたっても母と子は強く結ばれていて、とても大切な存在なのだと。
私はこんな母を心から誇りに思います。
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