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Jan 19, 2011
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カテゴリ: 観劇

初春歌舞伎公演 ・昼の部に行って参りました。

お正月は毎年都内あちこちの劇場で歌舞伎が上演されますが、
歌舞伎座休館中の今、メインはやっぱり新橋演舞場。
昼、夜ともお正月らしく華やかで見応えのある演目が並んでいます。

昼の部は「御摂勧進帳」、「妹背山婦女庭訓」から三笠山御殿の場、「寿曽我対面」。

「御摂勧進帳」、歌舞伎十八番の「勧進帳」をうんと歌舞伎らしくデフォルメした
パロディかと思ったら、こちらのほうが古かったんですね。ちょっとビックリ。
オリジナルは「義経記」、そして「義経記」から生まれた能の「安宅」、

十八番の「勧進帳」以前に同様の作品ができていても、確かに不思議ではないですよね。
「勧進帳」があまりにもメジャーなのでどうしてもそちら中心に考えてしまいがちですが・・・
「勧進帳」と「御摂勧進帳」、衣裳や演出が似通っている部分が多々あるのですが
これは古い「御摂勧進帳」が基になっているのか、
それとも後から「勧進帳」の影響を受けて変わったのか・・・
いろいろ考えてしまいました。

「御摂勧進帳」、ストーリーはほぼ「勧進帳」と同じですが
思いっきり荒事でハチャメチャです。でも、そこがものすごく楽しい。
番卒たちの首を引っこ抜き、天水桶に投げ込んでかき回す「芋洗い」なんて訳わかりません(笑)
きっと、市川家の「にらみ」同様ご利益だとか魔除けだとかの意味があるんでしょうね。
橋之助の弁慶、荒事には少し線が細い気もしますが、なかなか豪快で良かったです。

山伏たちは6人。駿河次郎の種太郎が大活躍です。
巳之助が、台詞も所作もすごく良くなっていて、嬉しい驚き。
そして、台詞がめちゃくちゃ下手くそなのが一人混ざってると思ったら、国生くん。
ついこの前まで子供子供してたのに、いつの間にこんなに大きくなったの??
まだ十五歳だもの、台詞が上手く言えなくても仕方ないね。

関所の役人役で名題の三津之助と新十郎が頑張っています。大きな役に大抜擢ですよね。
ふたりとも、みの虫、新七時代から注目して見ていたので、嬉しかったです。

続いて、「妹背山婦女庭訓」から三笠山御殿の場。
「妹背山」って本当に入り組んでいて良くわからないお話なんですが、私は結構好き。
一度全部通しで見たいと思っているのですが、難しいだろうなぁ・・・
さて、御殿の場。
花道から登場の漁師鱶七の團十郎、相変わらず訳分からない扮装が良く似合ってます(笑)
でっかいギンガムチェックの裃に長袴、首には手拭い、腰に酒徳利ですよ??
この鱶七と言う役、なかなか愛嬌があって面白く、豪快で明るい團十郎の芸風にピッタリ。
もちろんタダモノであるわけはなく、実は金輪五郎今国と言う侍なのですが
正体を現してぶっ返ったときの衣裳はキンキラです。
ぶっ返る直前、鬘が変わってるので隠すために手拭いをかぶって出て来るのですが、
何だかお風呂から出てきたようなのどかさを感じてしまうのは私だけでしょうか?
緊迫した場面のはずなんだけどね・・・
そして、もう一人の重要人物お三輪の登場。
これは、ジャッキーの素晴らしいお三輪の舞台が目に焼き付いています。
本当に可愛くて儚くて可哀想だったなぁ・・・
今回のお三輪は福助。
以前見たときには全然可哀想に見えなくて、いくらいじめられても大丈夫そうだったのですが
今回は良かったです。一生懸命さ、哀れさが良く伝わって来ました。
ただ、一番の見せどころの、嫉妬に狂ったお三輪の形相が一変し擬着の相をあらわすところ、
福助は良くやっていたとは思うのですが、たぶんこれは見る側の私の問題なんだけど、
福助のコワい顔は見慣れてしまっているので、今ひとつインパクトに欠けると言うか・・・
でも、深手を負って、苧環を抱きしめながら「未来は添うて下さりませ」と言うところは
素直に泣けました。
入鹿の妹橘姫に芝雀。本当に可愛くて素敵。
できることなら、ジャッキーの子芝雀のお三輪を見たかった・・・
求女は芝翫の予定でしたが、休演のため橋之助。
大丈夫でしょうか?富十郎のこともあるし、心配です。
豆腐買おむらは東蔵。いつもながら上手い!
出て来るところからリズムに乗っていて、ワクワクさせてくれます。

そして、「寿曽我対面」。お正月のお約束、曽我ものです。
曽我ものの中でも対面は本当に面白い。
歌舞伎のいろいろな登場人物が出て来るし、華やかだし、見どころ満載だし。
今回の五郎は三津五郎。
ちょうど十年前、2001年のお正月、襲名の舞台で同じ五郎を演じています。
十年ぶりの五郎、ますます鮮やかに逞しく大きくなり、十年の積み重ねの重みを感じました。
十郎に梅玉、上品でやわらかでいてキリッとした風情はさすが永遠の貴公子。
そして、工藤に吉右衛門。驚いたことに初役だそうです。
本当に大きくて華やかで立派な座頭。声も良く通って素晴らしい存在感。
歌昇の朝比奈、キビキビした小気味の良い動きは見ていて嬉しくなるほど。
大磯の虎に芝雀、本当に美しくて立派な立女形。
化粧坂の少将に巳之助、これって大抜擢ですよね?
慣れない女形だと思うけれど、違和感なく遜色なく立派に務めていました。
台詞をきちんとした間でゆっくりしゃべることができるようになったのは大手柄だと思います。
三津五郎も嬉しいだろうなぁ。
鬼王新左衛門に歌六、舞台に播磨屋が揃うのは何だか嬉しいです。
役者が揃ってこれぞ大歌舞伎と言う舞台、堪能いたしました。




しかし、「御摂勧進帳」の弁慶も、「妹背山」の豆腐買も、「対面」の工藤も
全部富十郎が演じたのが思い出されて、時々涙腺が緩んで困りました。
喪失感は大きい・・・











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Last updated  Jan 20, 2011 05:08:05 PM コメント(2) | コメントを書く


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