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ハネケンさんのちよっとした思い出


あまりにもの突然の死に呆然...羽田健太郎さんが肝細胞がんで亡くなった。僅か58歳だった。このニュースが入ってきた時、自分が「死」というものに対しての捉え方が少し違ったのを肌で感じた。ショックという感覚を越えた温度差を覚えた。

ハネケンさんには5年くらい前に「想い出の夏」のアルバムが出た頃、仕事の関係で仲間と昼食を共にしたことがあった。気さくで人懐こくて殻をもたない。明るい。音楽談義やご自分のアルバムの話をしてく盛り上がった。その後も精力的に演奏活動やアルバム作成、作曲、編曲と大忙しの人だった。
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みなさんが一人のピアニストになって、夏のある日思い立ってフランスの感傷旅行に立ったと仮定しながら聴いて頂けると嬉しいなぁ。もちろん、一口にフランスと言っても喧噪の大都会から長閑な片田舎まで様々ですが、コースはみなさんのお気に入りの街を自由に選んで樹木の香り、海の匂いなど感じ取って下さい。旅のお供は私、ピアニスト羽田健太郎です。
ライナーもハネケンさんが自分で書いていて、収録されているのはフランス縁の曲。光景が眼に浮かびよく見える選曲曲順だ。

羽田健太郎.jpg

こんなことも話されてた。クラシックは、生涯の友だよ。「モーツァルトは、聴くのは好きだけど、弾くのは正直恐いね。ベートーヴェンは自分で弾いた方が面白いかもしれないけど。なぜかというと、モーツァルトやバッハの音楽には、ムダなものが一切ないから。ただ、バッハというのは、合理的な頭脳の持ち主の作曲家なんだけど、モーツァルトはもっと人間っぽいんだよね。だから、モーツァルトほど意見が極端に分かれる作曲家はいないんじゃないかな。ある人は最高にエロティックだというし、ある人は天衣無縫で子どものまま、あっという間に人生を走り抜けた人だというし。僕には、あまり悩みのなかった人のように思えるね。後から後から作品が沸いてきちゃってさ。その点、ベートーヴェンは苦悩の人でしょう。低いところで第3音が重複する、あれがベートーヴェンの特徴なんだけど、モーツァルトにそれは絶対ない。鈍いなぁ、重いなぁという音は、ちゃんと省いてある。

30代半ば頃から、再びクラシックのピアノ演奏に力を入れ、NHK交響楽団定期演奏会(指揮:ウォルフガング・サヴァリッシュ)にてR.シュトラウス「ブルレスケ」を演奏、その後日本の全てのプロ・オーケストラと共演。2004年には、モスクワ・フィルハーモニー交響楽団(指揮:ユーリ・シモノフ)と、ラヴェル「ピアノ協奏曲 ト長調」、ガーシュウィン「ラプソディー・イン・ブルー」(弾き振り)で、また2005年もラフマニノフ「ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調」で2年連続して共演。2006年春には音楽家生活満35年を迎えたばかり。

ドラマ、アニメ、映画等でドラマ「渡る世間は鬼ばかり」「西部警察PART2」等を手掛け、アニメ「超時空要塞マクロス」では日本アニメ大賞・音楽賞、映画「薔薇の標的」では日本アカデミー優秀音楽賞等数々の賞を受賞。そして「題名のない音楽会」の司会や弾振りはついこの間のこと.....残念至極、言葉がでない...



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