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6年前の97-98年のバスケシーズンにさかのぼる。大学(ナイキ契約)のバスケットボールホームカミングゲームのチケットを手配する為、私と友人は街の小さなチケットオフィスに足を運んだ。地元大学を応援し続けて30年という感じの気さくなスポーツ好きなオヤジさんと若いバイトの女の子によって運営されているオフィス内には、様々なポスターが飾ってあった。お目当てのホームカミングゲームのポスターも勿論飾ってあり、ポスターには、当時の大学のスター選手、ピーターソンが、“AIR
JORDAN”らしきシューズを履いてダンクしている。そのAJらしきシューズは、チームカラーの黒を基調としており、黄色のマークが鋭く光っていた。「この新しいジョーダン結構カッコイイじゃん」これが、私がTEAM
1を始めて見た時の感想になる。
今回のジョーダンマニアでは、JORDAN BRANDのTEAMシリーズでも日本で根強い人気のあるTEAM 1についてレビューする。
1997年、ナイキの子ブランドとしてJORDAN BRANDが誕生した。ブランドの最初のモデルは「JUMPMAN」。バスケ仲間の何人かはすぐに飛びついていたが、結局はチープなJORDANという印象が強すぎて、好きにはなれなかったモデルの一つだ。世間では、このリリースを失敗作と呼び、これといった新しい提案のないJORDANBRANDの存在理由を「売上拡大」以外で理解している人はいなかったのではないだろうか。そんな雰囲気の中、JORDAN TEAM 1がリリースとなる。
JORDAN TEAMとは、「チームでお揃いのJORDANシューズを履こう」というシリーズになる。ナイキがDUNK HIなどで成功を収めているバスケットボールチームシリーズのJORDAN
BRAND版になる。勿論、「BE TRUE TO YOUR SCHOOL」のコンセプトはこのTEAMシリーズでも適用され、現在はネット上でも探す事も購入する事もできないが、6-7色のTEAM
1がナイキ所属のバスケ名門校にそれぞれ支給された。名前の由来はTEAMシリーズの最初のモデルだからTEAM 1。とても解りやすいネーミングだ。

復刻されている事からも想像がつくが、TEAM1にはJORDAN TEAMシリーズで最も成功したモデルという側面もある。どうしてだろうか?発売当時の状況を少し考えてみよう。
TEAM1が発売された97年はAIR JORDAN13がリリースになった年だ。シリーズ中で不人気の1位をAJ16と競っている13である。AJ13の不人気の理由はデザイン。多くのバスケマンにとって、あの豹の目をモチーフにしたというバスケットボールシューズは理解不可能で、受け入れ難かった。個人的には、シューズの素材がすぐに疲れてくる事も嫌いだった理由の一つにある。しかし、不人気の理由はそれだけではない。同時期に発売されたTEAM1の存在自体が大きな影響を与えている。

2004年現在、AJ=最新テクノロジー、JORDANシューズ=AJの下位モデルという明確なラインが引かれている。実際に2004年に発売されたTEAMFLOWとAIR JORDAN19を比べれば、その違いは歴然だろう。しかし当時は違う。JORDAN BRANDが生まれたばかりの97年はその方程式は確立されていなかった。
単純にTEAM1とAJ13を比べてみよう。クッションにZOOM、ミドルソールに共にファイロン(TEAMにはInjection Molded Eva等の安いものは利用されていない)、インナーも同レベル。唯一変わっていたのは、デザインとスピードレーシングと価格だけになる。TEAM1人気の理由はそれだけではない。当時はTEAMシリーズがスタートしたばかりという事もあり、Nikeのプロモーションの力の入れようも違かった。その結果、多くの学校がTEAM1を履いた事で、露出度では確実にTEAM1が勝っていた。極めつけに、JORDANBRANDが始まったばかりという事もあり、殆どの人には、JUMPMANロゴ=AIR JORDANという思い違いまであったのだ。

ここで質問。目の前に2足のAIR JORDAN。あなたはどちらを購入するだろうか?AにはTEAMという名前がついており、Bは13。機能性はほとんど変わらないが若干だがTEAMが勝っている。TEAMのほうが日頃から目にする機会が多く、憧れのスタープレーヤーやひいきのチームがこぞって履いており、オマケに値段が安い。13はデザインが好きじゃないのだが、なんといってもマイケルジョーダンが履いている。さあどっち?

勿論、TEAM1を選ぶだろう。消費者は正直である。良いものを安く買えるなら、そうしない理由がない。このような経緯でTEAM1は大きな成功を収める事となる。どれだけ大きい成功か?あまりにも大きすぎて、2002年の復刻時に小売店が発注数の計算違いまでしてしまう位である。
さて。このようにアメリカの小売店注目のTEAM1も日本では展開が見合わされる事になる。大きな理由は、前年に発売されたAIR JORDAN12の大失敗が理由にある。AIRJORDANが売れないのに、“TEAM何とか”が売れるか!とても納得できる意見である。し・か・し。小売店の経験則に反し、TEAM1は日本人プレーヤーの間で根強い人気のシューズに育つ。特に高校生バスケ部の間ではナイキのシューズ注目度第二位の一足だ。全ては、TEAMコンセプトの実施にある。
2002年秋、ナイキ主催のバスケキャンプの写真がバスケ月刊誌に掲載された。注目すべきは、「どこ高校の誰」という事と「足元」。その時に輝ける選手達が履いていたのがTEAM1になる。その時点で、日本の多くの高校生の脳裏に、近所のスポーツショップでは取り扱っていない特別なJORDANが存在する事と、“選ばれた同世代の高校生”が特別なシューズを履いていた事実が刻みこまれる。

2002年冬。東京で毎年恒例ウィンターカップが開催される。各都道府県選抜の高校生が3年間の成果を競い合う高校バスケットボールの天王山だ。その年は優勝を逃した常勝能代工業だが、例年同様に多くの高校生はその年のチームの調整具合の確認と爆発的なゾーンプレスを勉強する為、試合会場をチームと一緒に移動する。
バスケファンは、統制のとれた練習風景、加藤監督の怒鳴り声、もちろん彼らの着ているナイキのジャージ、ユニフォーム、シューズのチェックも忘れたりはしない。能代の全てが気になるのだ。この感覚は、風邪の時に見る夢のような能代のプレスディフェンスからの連続得点シーンを一度見た事のある人なら理解できる感覚だろう。一通りチームを観察したところで、彼らは気が付く。「あれ。あのシューズ雑誌に載っていたやつじゃん」人は、ある情報を二つの異なるソースから聞いた場合、正しい情報として記憶する傾向にある。心理学で証明済みの事実である。
日本においてナイキが実践する能代をベースとしたTEAMコンセプトはとてもパワフルなマーケティングだ。2002年のJORDAN TEAM1、2003年のNIKEAIR ZOOM Flight5(+田臥効果大)は成功例の一部になる。日本未発売のシューズとは通常シューズマニアが探すものだが、TEAM1においては高校生がマニアを差し置いて探している。中々目にする事のない現象だ。

能代工業だけが人気の理由かと問われれば、そんな事はないと言える。とてもシンプルにまとめられたTEAM1のパッケージには、97年当時のナイキテクノロジーの全てが搭載されている。反発性を実現するZOOM
AIRソール。スピードプレーヤーには嬉しい超軽量級の400gの重量。適度な耐久性と柔軟性を備えたアッパーレザーはとても足に馴染みやすく、スタンダードなタイプのシューレースをすこしきつめに結べば....文字数制限オーバーの為、続きは JORDANS.JP
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