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【会津の風景】
前述した三十三観音のなかの3基です。上は左手に丸くて扁平なものを捧持していますが、そこに「Χ(キー)」が彫られています。真ん中はある方が「天使ガブリエル」とおっしゃった「観音菩薩」石仏です。そして、下は実に不思議な「観音菩薩」石仏です。
現在のローマ・カトリック教会の御ミサへ行くと、御ミサの中で司祭さんがこうした所作をされているのを見ることが出来ると思います。会津キリシタン研究所の御ミサでは、多分所長が座っている位置では見えないだろうと思います。小生が祭壇を背にした時にはこうした所作はしないからです。
この下の「観音菩薩」石仏に彫られた像は、どう見ても観音菩薩像には見えません。しかし、こうした所作を知っていなければこれを彫ることは出来なかったであろうと思われます。この所作を石工が知っていた可能性もありますし、村人の間にこうした所作が伝わっていた可能性もあるかと思います。
キリシタンの時代の御ミサでも、御ミサの中である奉仕をしていた人々にはかろうじて、斜め後ろから見えた可能性があります。それが印象に残っていて、この三十三観音石仏が奉納された文化年間まで伝わっていたのかもしれません。会津では、そうしたことは十分にあり得ると小生は考えています。この一帯では、宗門人別制度に組み入れられながらも、隠れてキリシタンの信仰と習慣を守り続けていた村々があったからです。このことは、かなり知られていることのようで、小生はこの一帯からかなり離れたところに住んでいらっしゃる方からお伺いしました。