キツネのセリフ






「 しんぼうが大事だよ。

  最初は、おれからすこしはなれて、こんなふうに、

  草の中にすわるんだ。

  おれは、あんたをちょいちょい横目でみる。

  あんたは、なんにもいわない。

  それも、ことばっていうやつが、勘ちがいのもとだからだよ。

  一日一日とたってゆくうちにゃ、あんたは、

  だんだんと近いところへきて、すわれるようになるんだ・・・ 」




「 いつも、おなじ時刻にやってくるほうがいいんだ。

  あんたが午後四時にやってくるとすると、

  おれ、三時には、もう、うれしくなりだすというものだ。

  そして、時刻がたつにつれて、おれはうれしくなるだろう。

  四時には、もう、おちおちしていられなくなって、

  おれは、幸福のありがたさを身にしみて思う。

  だけど、もし、あんたが、いつでもかまわずやってくるんだと、

  いつ、あんたを待つ気もちになっていいのか、

  てんでわかりっこないからなぁ・・・ きまり がいるんだよ 」




「 そいつがあればこそ、ひとつの日が、ほかの日とちがうんだし、

  ひとつの時間が、ほかの時間とちがうわけさ 」




「 さっきの秘密をいおうかね。なに、なんでもないことだよ。

  心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

  かんじんなことは、目には見えないんだよ 」








                           『 星の王子様 』
                             サン=テグジュペリ










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