恋涙 ~ renrui ~

恋涙 ~ renrui ~

前世の追憶壱拾七


隣に眠るのは夜兎。
私は雪の行為が許せず辛くて目の前に現れた夜兎に縋りついた
私はどこまで卑怯なのだろう
最初に裏切りをしたのは私のほうなのに、雪に同じことをやられて
私は心が引き裂かれるほど許せない怒りと悲しみを覚えた

私は夜兎に全てを話した、緑青に襲われそうになったこと
雪が桔梗と肉体関係を結んだであろうこと。そしてこんな自分が
薄汚くて許せないこと
夜兎は黙って私の話を聞いてそして抱き寄せてくれた
私の頭を撫でながら何度も耳元で

《梓は何も悪くないから、梓は汚れてなんていない》

私は夜兎の優しさが嬉しくて切なくて悲しくて涙を溢した
泣く資格なんて私にありはしないはずなのに
それから求めるように唇を重ねた、吐息さえももったいないかのように
何度も何度も角度を変えながらその唇は唇から首筋そして胸から太腿へと
移動し私の躰に小さい火が灯るように夜兎の唇は私を熱くさせた

言葉は必要なかった、重ねあう唇が言葉を遮る
夜兎が私の中で突き上げる快楽が二人の言葉となる
とめどなく与えられる愛撫の中で目を開けた私の瞳に映ったのは
夜兎の悲しみ色に染まった瞳であった。
私はこの人を苦しめている、いい加減はっきりしなければいけない
自分の為にも夜兎の為にも雪の為にも
登りつめる快楽の中で私はそう決心した


夜兎の寝顔を見ていると愛おしさがこみ上げる
その瞬間、胸がまた熱くなりその熱はすぐに引いた
自分の胸元を見ると花弁に似た痣がの花びらがまた増えそして
流水のように記憶が流れ込んできた

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