猫のすみか

第一章(1)


「はぁ、はぁ、今の夢は・・・?!」
俺はさっきまで見ていた夢がなんのことなのかわからぬまま目が覚めた。
(またあの夢か)
ここのところ同じ夢ばかり見ている気がする・・・・。いや、正確に言うと同じような夢、だ。
最初は月だった。月だけが夜空に浮かんでいる夢ただそれだけの夢に何か恐ろしさをおぼえて今と同じ様に目覚めた。

「有貴(ユキ)~、遅刻するぞ~!!」
これは俺の父親の声。そう、俺は有貴、蒼木(アオキ)有貴。ちなみに中学3年生。
「はぃはぃ、今いくから・・・」
そう言いながら着替え・洗顔を済まし席に着き3分で朝飯を食い家をあとにする。
全て含め7分で用意が整う。よく女子どもは準備に30分、いや1時間もかかると言うがそんなに何をするんだろうか。やはり女子の考えることはよくわからない。

(はぁ~~~っ、今日も秋晴れのいい天気だ。)
と伸びをしながら玄関を出て歩いてゆく。
学校までは徒歩10分程度。ゆっくり歩いても十分間に合う。
今の時間は通学ラッシュだ。俺と同じ制服の男女がそれぞれ歩いてゆく。

急に頭をこづかれた。
「オッス!ぉはょ。」
「いて~よ、ぉまえ何すんだょ。」
こいつは竹原明良(タケハラアキラ)。俺とは小学校のときからの仲だ。
朝はだいたいこいつと登校する。というかこいつがまちぶせでもしてたかの様に俺が家から出るとちょうどこいつがうちの前を通るのだ。
「ぁ、そうそう、お前今日もあの夢見たのか?!」
こいつだけにはあの夢のことを言ってあるのだ。
「あぁ、まったく何であんな夢見るのか全然わかんねーょ。」
「いいじゃん、いいじゃん、なんかミステリーってかんじで。」
と明良が笑う。
「お前なぁ、人事だと思って・・・まったく。」
明良はこの夢のこととても楽しそうに聞き、そして目を輝かせながら感想を言う。まったく、こっちは毎朝目覚めの悪い思いをしているというのに。とはいってもコイツがこんなに明るいおかげで俺はその夢のことはあまり気にならない。
「そのうち俺が解決してやっから。」
少しはにかんだ顔をして明良が言う。
「はぃはぃ、頑張ってくださぃ。」
いつになるのやら・・・・・。

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