感動した新聞記事


―元衆院議員の爽やかな転身―

 最近、久しぶりに爽やかで感動的な記事を中日新聞
で見た。秘書給与詐取事件で衆院議員を棒にふった山
本譲司さんの消息である。記事をそのまま抜粋して紹
介したい。
          ☆  ☆
 大小便と嘔吐物にまみれた房をぞうきんで掃除する。
垂れ流しの人はお尻を洗って入浴させる。栃木県の黒
羽刑務所での一年四カ月、心身に障害のある受刑者が
収容される「寮内工場」で彼らの世話をする「指導補
助」として働いた。

初めはあまりの悪臭に立ちすくんだ。しかし「自分
の子のうんこと思えばいんんだよ」と先輩に諭された。
「閉ざされていても広くて深い世界だった。人生の学
校になりました」

 秘書給与詐取事件の反省と獄中生活を「獄窓記(ポ
プラ社)としてまとめた。読者の反響は「もう一度政
治家に」という声が多いが「私は税金を悪用したんで
す。税金がからむ仕事には一生就かない」

 「議員時代は他人に厳しい方だった、失敗して良か
ったのは、人を温かく見られるようになったこと。そ
うすると、体がよく動くようになるんですよ」

 今も「同囚者」が気にかかる。おむつが取れないA
さん、姉が身元引き受け人になってくれるか心配して
いたBさん。「毎日通いたいぐらい。夢に出てきます」

 今は週に二、三日、東京都内の知的障害者施設にス
タッフとして通う、「将来は障害者施設を運営し、出
所者も積極的に受け入れたい」。ずっと支えてくれた
妻と長男の三人暮らし。四十一歳。(佐々木 央)
          ☆  ☆
 人間にとって、幸せとは何だろう…ということを考
えさせられた記事であった。写真も出ていた。ぼさぼ
さ頭だったが、その表情は、実に爽やかだった。





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