東京フリー・メソジスト教団付協力牧師 甲斐慎一郎 説教要約

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10月1日朝の日記 象さん123さん

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聖書預言@ Re:説教要約 1266(08/08) 『JDファラグ聖書預言』でネット検索すれ…
2019.11.09
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カテゴリ: カテゴリ未分類
「裸の起源に見る進化論の誤り(1)」

インターネットのテレビ局CGNTV(⇒みことばに聞く⇒関東
⇒東京B)の番組に当教会の牧師が出演しました。
2015年11月5日放映「 神の思いと人の思い(1) 」


「裸の起源に見る進化論の誤り(1)」
             甲斐慎一郎
              創世記1章27節

一、完璧な衣類を動物に着せられた神

 私は1970年から房総半島の山の中で野生のサルの群れを迫い
かけ始めたが、その最初の時から、この問題はうっすらと意識に上
っていた。雨の中で野生のニホンザルの群れを追いかけるのは、ほ
んとうに難しかった。木の葉を打つ雨の音のためにサルたちの声が
聞こえにくいとか、雨や霞に隠されてその姿が見えにくいといった
事情よりも、雨に濡れることで追いかけているこちらが消耗してし
まうのが切実な問題だった。雨具の改良とか、新素材が必要とか、
伝統的な蓑のほうがいっそいいのでは、といろいろと思い迷った形
跡がフィールドノートの端々に残されている。

 しかし、問題意識が決定的になったのは、ある台風の日に山の中
でサルの群れを追跡した時だった。

 それは1982年の秋のことで、その日、サルの群れは調査基地
を置いていた村の近くの林に泊まった。それまでニホンザルの群れ
は暴風雨の時には動かずに、洞窟や深い森の避難場所でじっとして
いる、と言われていた。しかし、学者が生態を近々と観察するにつ
けても、これらの都会生活者が暴風雨の時に野外に出かけるかどう
かあやしいものだと常々疑っていた。だから、暴風雨の時にサルた
ちがどうしているのかを知ろうと思ったら、それは自分で確認する
しかなかった。

 翌日、台風が房総半島を直撃した。早朝から雨で、そのトタン屋
根を叩く音は激しく、出かける前から意気は上がらない。「ほんと
うに行くんですか?]と言う佐倉統さん(現在、東京大学助教授)
といっしょに弁当を作って豪雨の中を出かけた。サルの群れは、そ
の夜、泊まっていた村近くの林から山の中へ向かい、奥谷という名
の山中の水田に出たときには、昼飯時になった。

 「お弁当はせめて、あそこにある藁小屋の中で食べましょう」。
佐倉さんは提案した。「いいや、ここで。雨の中で立ったまま喰う
ぞ」。私は厳かに宣言した。「なんとならば、この豪雨である。雨
具も服も何の役にも立たない。雨と汗とでびしょ濡れだ。体は冷え
きっている。こんな状態で小屋の中に入って食事でもしてみろ、も
う絶対そこから出てくる気はなくなる」。そういう雨風の中だった。

 立ったままでも握り飯は食べられるという利点がある。飲み水は
どこにでもある。なにしろ雨の中である。こうして風雨の中で昼飯
を食べ終わり、奥谷からまた山の中に入ったサルの群れを夕方まで
追いかけた。サルたちの移動距離も食べている様子も、普段の日と
まったく変わらない。

 暴風雨の中でもサルたちの行動が変わらないことは、いぶかしか
ったが、迫いかけ、観察し、記録することに一生懸命だから、とに
かくその日の寝場所までついていった。そこは谷間だったが、風雨
をうまく避けているという場所ではなかった。あるいはほんとうに
夜になれば、もう少し吹きさらしでない場所へ移ったかもしれない
が、とにかく暗くなってサルの姿が見えなくなるまで、彼らは風雨
の中にいた。

 よく見ようと思って木に登ると、船の上のように木が揺れる。こ
れほどの風と雨だから、いくらかはサルの活動も鈍っていいものだ
がと、隣の木を見ると、2、3歳のコザルたちが跳ね回って遊んで
いる。

愕然とした。これだけの風雨も、彼らには何の影響も及ぼしてい
なかった。こちらは夕方になって冷え込んできて、濡れた体は、も
うこれ以上、無理と言っている。しかしこのサルの子供たちは、雨
具もなく服もなく、ただ濡れるだけ濡れているはずなのに、普段と
同じか、あるいはそれ以上に風に揺れる枝の動きを楽しんで遊んで
いる。確かに毛皮も濡れてはいる。だが、プルッとひとつ身震いす
ると、水滴は飛んでしまって、また快適な毛皮である。

 夕暮れの山道を、私は黙りこくって歩いた。この経験は壮烈だっ
た。毛皮は、それほどに完全で、強力なのだ。私は雨の中でサルの
群れを追いかけるたびに、あらゆる雨具の不完全さに憤っていた。
だが、そこに完璧な雨具があった。寒暖、風雪、晴雨にかかわらず、
常に体を守る衣類がそこにあった。それがサルたちの毛皮だった。
なぜ、こんなに大切なものを、人間は失ったのだろうか。

 この台風の日以来、この疑問は私の心の中にしっかり錨を下ろし
た。(島泰三『裸の起源』木楽舎、2004年、10~13頁)。

甲斐慎一郎の著書→ 説教集

久米小百合氏司会「本の旅」→「 使徒パウロの生涯 」










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Last updated  2019.11.10 12:19:24
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