主要症状


 統合失調症の各病型に共通する基本症状としてBleuler,E.は4つの特徴を挙げ、すべての症例で共通してみられる基礎症状と、症例によってはみられる副症状とに分類している。また、Schneider,K.は自我障害が精神分裂病に特有であると考え、第一級症状として9つの主要症状を挙げている。Bleulerの基本障害は慢性の状態を、また、Schneiderの第一級症状は急性期の状態をよりよく示している。

1. Bleulerの基本障害・“4つのA”
1連合弛緩(loosening of associations);思路のまとまりを欠き、思考の連合が
弛緩する
2感情障害(disturbance of affect);感情の鈍麻、平板化など
3自閉性(autism);自分だけの世界に閉じこもり、現実から遊離する
4両価性(ambivalence);相反する思考,感情,願望などが同時に生じる。相反する方
ア向へ動きが同時に起こる状態
1~4の頭文字をとって基礎症状を“4A”とよんでいる。錯覚、幻覚、妄想、あるいは緊張病症状などのむしろ前景にたつ症状を副症状としている。

 2. Schneiderの第一級症状
1思考化声;自分の考えが声になって聞こえてくる
2対話形式の幻聴;
3自分の行為に注釈や干渉をする幻聴
4身体の被影響体験
5思考奪取;自分の考えが抜き取られる
6思考干渉;自分の考えが何者かによって、いちいち干渉される
7思考伝播;考えが何者かに読み取られる。あるいは外部に漏れ伝わる
8妄想知覚;ふと知覚されたことに誤った特別の意味が加わり、それが確信される
9感情、意欲・意志の領域におけるその他からの作為や被影響

 5~7の症状は、思考における自我障害の症状である。
 自我障害とは、自分の考え、自分が行動しているという人格の自律性が障害され
た状態で、統合失調症に重要な症状である。軽症の場合は離人体験として訴えられ、
離人神経症やうつ病にも見られ、この症状のみでは統合失調症とは診断できない。
重症になれば、自らの思考、行動を外部からの力によって“させられている”と感じるようになる《させられ体験》。

3.陽性症状と陰性症状
陽性症状と陰性症状はT.J.Crowらによって提唱された考えである。陽性症状とは急性期症状を指し、典型的な統合失調症では、この陽性症状によって発見されることが多く薬がよく効く。
陰性症状とは発症した時点から現われることもあるが、通常は発症後数年経つうちに目だってくるものである。陰性症状は陽性症状と反対に、正常な心理状態にまで及ばないものを指す。「及ばない」というのは、普通の人よりも感情の揺れや言葉・行動の動きが鈍くなり、通常の状態にまで至らなくなることを言う。

 ~主な陽性症状~
・幻視 正常な人には見えないものが見える
・幻聴 正常な人には聞こえない声が聞こえる
・妄想    明らかにありえない考え方を正しいと信じ込む
・焦燥感   イライラ
・激しい興奮 精神運動興奮
・奇異な行動    奇妙な格好や空笑
         無意味な行動を繰り返す
          攻撃的な行動など
・思考形式の障害  支離滅裂な言葉、不可解な返答など
・場にそぐわない感情

 ~代表的な陰性症状~
・自閉 自分の殻に引きこもる
・無為 意欲が低下し、何に対しても関心がなくなること
・情動の平板化
・情動鈍麻 表情が乏しくなる、自発性がなくなる、感情の変化が少なくなる、声の抑揚がなくなる
・思考の貧困 会話が少なくなる会話の内容が貧しくなる、すぐに返答ができなくなる、使う単語が少なくなる
・意欲・発動性欠如 身だしなみに気を遣わなくなる、だらしなくなる、仕事や勉強が長続きできない
・非社交的 趣味や娯楽などへの関心が薄れる、親近感を感じなくなる
・ 注意力の障害 ぼーっとしている、物事に集中できない

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