バル対策本部  元帥の間

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三章 私から君に狂喜ヲ 第四話



これが俺に有る力なのか?

俺に宿って居るのは悪魔か?

「悪魔です・・・あなたは悪魔に選ばれました」


三章 私から君に狂喜ヲ 第四話 



俺の目に映る

【ついさっきまで人だった者】

そして

【正体不明の追跡者】

これから起こることを全て

目に焼き付けよう

そして

理解しよう

これは全て偽りなんかじゃない

真実・・・か

無論、本意ではないけど・・・

信じる覚悟をつけるか・・



「ふぅ・・・やはりこの姿は気分が良いです」

「さて、それではご覧あれ」

「我らが授けられた力をね・・・ククク」


狂鬼はチェイサーを狂ったような目で睨み付ける

たまに気味の悪い笑い声で笑ったりと

狂鬼は少しばかり興奮状態になっていた

チェイサーと戦うことが危険なことを承知しているはずなのに

何故恐れない・・・何故

確信しているからか?勝てると・・・


「これで何匹目でしょうか・・・・」

「忘れてしまいましたね・・・」

「キリの良い100匹目にしましょうか」

「記念すべき100匹目を引き裂く・・・ククク」

「やる気が出てきますねぇ・・・だから」

君も頑張ってくださいね


一瞬だ

狂鬼の姿が一瞬消えたと思えば

もう一度姿を確認できた時はすでにチェイサーの目の前に居た

怯んだチェイサーの顔面を鷲掴み

そのまま地面に叩き付けた

いや、押し潰したという方が正しいか

データの地面にめり込んだチェイサー

地面のデータがひび割れている

普通は地面が壊れるなんて事は絶対に有り得ない

ここは所詮ゲームの中だ

開発側がそう設定しない限り・・・


「ん・・・もう終わりですか・・・」

「申し訳ありません・・・調子に乗りすぎました」


チェイサーの頭はぐしゃぐしゃに潰れていた

赤い目も裂けた口も

確認できないほど、えげつない姿になっていた


「殺したのか?・・・」


今起こったえげつない恐怖を押し殺し

俺は狂鬼に問う


「こいつら・・・何で生み出されたんだ?」

「何故意思がある?何故自分で考え行動できる?」

「そして何故ここに・・・この世界に放たれてる?」

「被害にあった奴だって居るんじゃないのか?」

「GMは何をしている・・・」


聞きたいことが多すぎてまとまらない

すると狂鬼は目を細めてこう言った


「生み出された理由は私には分かりません」

「意思は人工知能AIに近いものだと思います」

「放たれたのではなく逃げられたという方が正しいです」

「被害にあったのは多分あなたのご友人だけ」

「普通のプレイヤーには興味を示しませんからね」

「まぁこの手の話はGMさんに聞いたほうが早いと思いますがね・・・」


GMに聞くって・・・

こんな事メールで伝えても・・・


「あぁ、もちろん直接ですよ?」



「え!?」

「直接って・・・会えるわけ無いだろ・・・」


直接会うって・・・管理者だぞ

会えるほうがおかしい・・・

そして不敵な笑みを浮かべる狂鬼

どうするつもりだ・・・


「会えない?いいえ、あなたはすでに会ってるじゃないですか」

「もしかして気づいてなかったんですか?」



「すでに会ってる?気づいてない?・・・」

「どういうことだ・・・俺はすでに会ってるのか!?」


すでに会っている・・・身近な人物

身近な人物・・・

誰だ・・・

この短い期間でいろんな奴に出会った

その中に居る・・・信じられない

けど・・・こいつは嘘は言わない

分かる・・・


「GMは恐らく我らを・・・いや、我らの悪魔を回収しに来るでしょう」

「正直驚きました・・・あなたが出会った人々の中に」

「GM・・・いや、観察者が混じっているとは」


観察者・・・俺を・・・俺の悪魔を観察するためか・・・


「あなたは悪魔に選ばれました」

「GMはあなたを逃しません」

「天使を用いてあなたを裁きに来るでしょうね」


「天使?・・・」

「天使ってなんだ?この力と同じ物か?」

天使・・・俺の悪魔とまた何か関係あるのか?

狂鬼が言ってた厄介な連中って・・・

GMの事か?GMが持つ天使の事か?



「おや・・・増援でしょうか」

「すいません、お話はもう少し後で・・・」


増援?・・・!!

来る・・・3体!?

地面、壁から奴らがまた這い出てきた

俺達を発見し

奴らの巨大な腕が剣に変わった


「チェイサーに元々形はありません」

「見たものを具現化し利用する・・・お利口ですねぇ・・・ククク」


グループクエスト時にはあの腕が弓に変わっていたが・・・

形が無い・・・人型以外にも居るのか?・・・


「お話中の邪魔は良くありませんね・・・」

「出るタイミングが悪い・・・うざったいですねぇ・・・!!」

「アスタロト!1stForm!!」


三章 私から君に狂喜ヲ 第四話 完



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