algernon 666’s

2005/03/20
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●最終章

鼻歌気分でタンクの錆び抜きを始めるはずだったsatoru君
予想とは裏腹に数々の厄介事のバーゲンセールをくぐり抜け
挙句の果てには異臭騒ぎ寸前の最大のピンチ!
化学反応全開のガソリンタンクの前で呆然と立ち尽くすsatoru君
遂に最終章!

「うわぁぁぁどーすんだこれぇぇぇぇ」見下ろすガソリンタンクは情け容赦なくボコボコ異臭と白煙を噴き、「誰に見られようともかんけーねーんだよっ!」と100人居たら100人迷わず振り返るようなエンターティーナーっぷりを発揮してる。

「くっそぉぉぉ~どーすっかな~」なんて悩んでると二階の住人の声がベランダから「なんか臭くない?ガス漏れじゃないの?え?火事?」やばい!もう一人じゃ無理だ!即効ミュージシャンの友達に電話!機材車があるはずだからそいつでとにかく場所移動だな!トゥルルル「もしもし!俺!俺!ん?移動中?ナイスタイミング!即効俺ん家来て!そっこーね!」よーしこれで一安心


そして友達到着!「お~い!さとちゃーんどうしたの~?うわっ!なにそれー!!!」
「みなまで聞くな!とにかく俺とこいつを異国へ!」「ちょっと!まってまって!俺らこれからレコーディングなんだよー」「まじっ?!くっそー!じゃーさ、俺とこいつ事務所でいいから移動させてくれ!8時間から12時間はこの状態維持しなきゃいけねーんだよ」「おーけーおーけーじゃ、こっちは夜かえって来るからそれでまた合流ね」ふぅ~これで一安心だよ、なんとか異臭騒ぎから開放されたw

さてまた一人か・・・さすがに事務所ん中に置いとく訳にはいかないからさ、外の階段の裏に置くことにしたの、うわ~蓋代わりにつかってたガムテープも死の煙によって溶けてる・・・「やっベーな~なんか溶けない蓋になるもんないかな~」事務所を物色、いい具合の湯のみがあってさw底の丸い所がタンクの給口の穴に寸分狂わずぴったりでさ、「まさかっ!裏にホンダのマークがあるんじゃ!」確認したけどなかったw

さて、これで安全圏だ~逆にこうなるとあとは待つだけだからさ、のんびりヤリ飽きたゲームやったりしながら待つんだけど退屈で遂に昼寝~
夜になってミュージシャン軍団が帰ってきた。
「お~居る居るw昼間はすごかったねあれ~今どうなったの?」「うん、今階段の裏に置いてあるよ」「お~見てこよ~」ドラマーが階段を下りてく
「うわぁぁぁぁ!!!」「どうしたー!」そっこー俺も見に行く!
「ひっでぇー俺が気に入ってた湯のみが・・・」
「あ・それね、ホンダの純正だったからさw」
「え?そうなの?」「うん、うんw」
寂しげな横顔の彼と部屋に戻る


これからタンクの中の溶剤をポリタンクに抜くんだけど、スーパー極上劇薬じゃん?その辺ぶちまける訳にもいかないし、ザバーっと一気に抜きたいからこの辺りじゃまた異臭たちこめて洒落んならん・・そんな話をしているとドラマーが「とりあえず車で移動しながらポイント探そうよ」「そうだな」

これがまた厄介でさ、このタンクすっごく重いのね、しかも下手に揺らして液体こぼしたらタンクの塗装は溶けるし抱きかかえてるから化学反応火傷するし、「ゆっくり移動してね」「うん、」
気が付けばもう夜中、車の中は妙に臭いしタンクは指にめり込んで痛いし、
「こらー!!!!!」「え?何?」この男いきなりおもむろにタバコをくわえたのだ!
「そりゃやべーだろ~100%引火するって・・・」「あ~そっかそっかw」「そっかじゃねー!これで爆破して事故処理が来て見たらぜってー自殺志願者って思われてもおかしくねーぜ」「たしかに・・・」


車内は完璧なハモリの「森のクマさん」を熱唱しながらガリガリ君を指揮棒のようにぶん回す二人!

そんな馬鹿二人が走る事もう二時間、「なんか人気少なくね?この辺でいいんじゃん?」そうだねじゃ、適当に車止めるね」「ってかここどこだ?ずいぶんと遠い所来ちまって・・街灯もほとんどないし・・・」「さとちゃん、なんか秩父って書いてあるね」「うぉっ!ほんとだーだから木ばっかなんだ~」

とりあえず作業を開始!俺が魔女釜タンクをもって、友達が空のポリタンクとじょうご
すっごく重いのと、こぼさない為の微妙な抱きかかえた持ち方のせいでヨチヨチ歩きになっちゃうんだよ~
「あんよが上手!あんよが上手!」の掛け声と共にヨチヨチ暗い森の中へ、
「はっ!」妙な看板が・・・
「身元の確認出来ない女性と思われる手首」やら「頭髪」やら・・・
「え?何?バラバラ殺人?現場?」「おっかね・・」
サイレントモードに入るバカ二人。

ようやく12時間物のしっかり寝かせた劇薬ワインをタンクからポリタンへ排出!
その最中に友達が不気味な話をしてきた、

「あのさ~さっき思ったんだけど、この森入る時に夜中なのに道路の向かいの真っ暗なボロイ廃墟っぽい民家あったじゃん?よく見たらあの家の二階の窓少し空いててさ、俺なんか気になってチラチラ見てたらさ、隙間から見開いた人の目がジーって見てた気がするんだよ~」
「おっかねー!俺がホラー好きだからって、このシチュレーションではやめてくれよ~おっかねーって!さっきの看板で大ダメージなんだから!」「でも見えた気がするんだよ~」

奴を置いて逃げ出したい気分の中、作業をしながらふと頭によぎった
「なぁ、もしよ、お前が見たその人影がよ、実際の人間だとすんじゃん?そんで逆の立場で考えるとさ、向こうから見たらさ、俺達どうゆう映像に見える?」「う~ん、ポリタン持った男と、なんか重そうな物持ってヨチヨチ歩く男・・・」「だろ?でさ、その人間が俺達見て何分ぐらいたってる?」「20分ぐらいかな?」「・・・ダッシュ!」道具を持って走る俺!「え?なに?なに?」「いいから早く発進!」「え?うん!」

そして走る事、約5~10分、回転灯を回したパトカー二台とすれ違う。
「・・・だろ?」
「うん、うん、そーゆうことか・・・さっきの俺達 バラバラ殺人の証拠隠滅作業とほぼ一緒って事ね・・・」最近埼玉県の秩父や、隣の奥多摩などにはやたら身元のわからない手首や引き抜かれたような髪の毛の束などの怪しい人見たら目撃情報ください看板を見かける事が多いのだ。

遂に夜が明けて来た。いや~疲れた疲れたほんとおっかなかったよーだってさ、あれで捕まって殺人じゃなくてもあんな劇薬持ってたらろくな事になんなかったよきっとw

その森でA液を抜いて、濯ぎ用のB液入れて濯ぎながら移動。B液は量は少なく缶ジュース程度、かなりタンクは軽くなってらくちんになったんだよ、そして今度は適当な峠道でB液を抜く、少ないから楽だと思ったらなんと、前回に書いた様にタンクの小部屋のような場所のせいでちゃんと抜けきらない!さかさまにして振ってもチャプチャプのこってる。

もう太陽も昇って来て疲れて来たからそのまま最後のC液投入!これはものすごくドロドロしていてなかなか流れない、これが最終的にタンクの内側をコーティングするゴムのような物なんだけど、こんなに粘性が強いんじゃタンクの中に全て行き届くのにどれだけの時間がかかるんだろうって感じなんだよ。

しかしそれはいい感じにクリアーできた!さっきわずかに残ってたB液のおかげで柔らかくユルユルになったのw「おおおっ結果オーライじゃんって感じで抱きかかえグリグリタンク回しながらドライブしながらの内側コーティング開始!
「ほぉ~らよしよし~」「さとちゃんいつからそれ赤子になったの・・・?」
もうやり始めて二日目、ここまで肌身離さず一緒に居ると手がかかった分、可愛くなってきたらしい。

軽く中身を見てみると厚くなってる所と、薄くなってる所がまだらだ、これをマメに見て均等に白くなるようにグリグリ回すのだwある程度綺麗に行き届いたら蓋を閉めて乾くのを待つ、しかしこのまま置きっ放しだと時間をかけて下に溜まってしまうので、結局タンクから目を離す事は出来ない、

二日目、作業も遂に夜中になってしまった、「そろそろ開けて見るか・・・」おもむろにガムテープを剥がして見る( ̄□ ̄;)!!
なんと全て下に溜まってしまい、残りわずかな鍋の中のクリームシチュー状態になってしまっている!
「なぜだー!数時間マメに回したのに!」原因はあの抜ききらなかった濯ぎ用のB液だった、ユルユルになったコーティング液は乾く事無くツヤツヤに光っている・・・

「そうか、蓋を開けたままで乾かせば溶剤も飛ぶしコーティング液も固まりやすくなる
この時点で友達とはさよならして自宅で作業することに変更、死ぬほど疲れたからだ
そしてまた回す・・・蓋を開けて回すとどんどん溶剤が飛んでくのがわかり、徐々にコーティング液も硬くなってくるのがわかる

そして三日目の朝になり、全体的に真っ白になり、いい感じの予感、完了の予感がしてきた
そして気がついたら爆酔~

起きたのは夜中だった。「どれどれ完成したかな?ん?( ̄□ ̄;)!!」
なんとタンクの中はカチカチに固まっているものの寝すぎた為に微妙に下に流れて行くコーティング液に対応出来ず、上の方は薄くなってしまったしかもガソリンタンクってのは中を空で放置すると瞬く間に錆び始めるのだ。
どんな状態かと言うと、半分より下はパーフェクト!むしろ厚いぐらいだ、おそらく問題の錆水が溜まってた部屋も撃沈する事が出来ただろう、そして半分より上はセロハン並の薄さ&所々錆が浮いている(-_-;)

そっこー逆さまにして振りまくり、わずかに固まりきれてないコーティング液をそっちに流す、あれやこれやで数時間 外の公園で全力の振りまくり!知らない人が見たら、本気でUFOでも呼ぼうとしてるんじゃないかって勢いだ!ムラだらけになりながらも新しく生まれた錆の上は通過。腕がパンパンになり自力でネジも摘めなくなった所で終了(ToT)

仕上がり報告なんですけど、微妙・・・
いや、コーティングできましたよ?
ただね・・わかるんですよ・・次は上の方からくるな・・・って・・・
・・・錆の奴がね・・・

終了!!!

今回の経験できっと次やる時はかなりの仕上がりで完成させる事が出来るだろう。けどもうやらない、もう関わらない・・・次は迷わず新品買う、(-_-;)
そしてあれから半年以上経ってるかなぁ~バイク?順調ですよ?かなり調子いいしね。
けどね・・・辛いんですよ・・ガソリン入れに行く度に店員さんが穴を覗いて
「えっ!これは・・・」って表情に心の中で「そーゆうもんなんだよっ!」
ってツッコミ入れるのがねっ!(-_-;)
おそらく そーゆう俺みたいな人達の為に出来たと思われる
セルフのガソリンスタンドに感謝w

現在 タンクキャップの老朽化からとても水が入りやすくなっており
「魔女釜」から出世して「水槽」と呼ばれており、
多くの観光客にひたしまれ幸せに暮らしているそうです。

終劇





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Last updated  2007/08/27 07:29:09 PM
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Re:「恐怖のガソリンタンク最終章」(03/20)  
Mini。  さん
久しぶり♪

かなり大変な作業だったね。お疲れ様。

Mini号褒めてくれてありがと☆ (2005/03/21 01:29:28 PM)

こんにちは  
中学生kuro  さん
初めまして。ご訪問ありがとうございます。また、宜しくお願いします。 (2005/05/19 03:29:27 PM)

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