あめりの小部屋

両方にゼリー



母性看護学実習での1コマ。

うちの学校の付属病院はそんなにお産件数が多くなかったので、そうそう分娩にも当たる機会がなくて、褥婦さん受け持ちしたり、切迫や中毒症で入院中の妊婦さんの受け持ちをする、ということが多かったです。

受け持ちの褥婦さんが昨日退院してしまわれたので、今日は誰も受け持ちさんがいなかったんです。で、分娩もなく・・・。

それで、切迫早産で入院している妊婦さんを受け持つことになりました。

切迫早産の方の場合、切迫早産徴候が進行していないか毎日NSTを行ないます。

2人モニターをつける方がいたので1人を見学させていただいて、もう1人を実施してみましょうという事になりました。

同じ実習メンバーのYちゃんも受け持ちさんが退院していたので、それなら2人で見学して2人で実施しようっていうことになりました。(ほんっとにお産が少なくて、入院さんもほとんどいない状態だったんですよ。。。)

助産師さんがテキパキとレオポルドの触診を行なって赤ちゃんの胎位・胎向を調べていき、モニターを装着していきました。

次に自分達で実施するんだから、ちゃんとできるようにしなくっちゃ!とYちゃんと一緒に食い入るように見学させていただきました。

それで、2人目の方に実施!

まず、妊婦さんに指導者さんがお断りをいれます。「今、看護学生が実習に来ているんですけど将来の勉強の為にお腹を触らせていただいたりモニターをつけさせて頂いてもいいですか?」

妊婦さんからはこころよくOKをいただけ、さっそくレオポルドをさせてもらいました。

お腹を1段・2段・3段・4段と順に触ってはいくもののどこが頭やら小部分やらさっぱり分からず・・・。Yちゃんも同じく・・・。

それで助産師さんにも確認していただき、第1胎向・頭位である、と。

「じゃあまずは心音からね。第1胎向だとどこで聞こえる?」

2人で「左臍棘線上です」「そうそう、じゃあ心音聞いてみましょう。」

おそるおそる左臍棘線上にドップラーをあてるとドッドッドッドッという元気な心音が聞こえました。「すごーく元気ですね」と妊婦さんニッコリ(^-^)

「はい、じゃあ次は陣痛計ね。どこにつける?」

2人で「子宮底の平らな部分です」「そうね、じゃあつけてみましょうか」

とそこで、「○○さーん、入院さん来ました~お願いします~」と他のスタッフさんからのお呼びがかかり。

「ごめんね、学生さん、場所はあってるからそこつけといてね。で、つけたらこのスイッチ押せ ば、波形が出るから。あとでまた見に来るからね。」と言って去ってしまいました。

2人顔を見合わせ、場所はここでいいから、ではつけてみよう!と。

そこで2人同時に1つの疑問が。

心音の方にはゼリーつけたけど、陣痛計にゼリーってつけてたっけ?

見学させてもらった人を一生懸命思い出すけど、つける位置ばっかり2人とも見ていたので思い出せず。ナースステーションを除いても誰もスタッフはおらず。

結局、Yちゃんが心音にもつけたからこっちにもつけるだろう、という結論にて陣痛計にもたっぷりゼリーをつけて装着しました。

で、私がモニターのスイッチON!

しばらく観察してるとちゃんと波形も出てきた。モニタリングできてるね!ってことで、指導者さんに一応確認してもらおうということに。

しかし、指導者さんは手が離せないらしく、他の助産師さんが見てくれることになりました。

けっこう年配の助産師さんはモニターを見て「うん、大丈夫ね」と言いながら、妊婦さんの服をめくりながら言いました。

一瞬「ん?」という顔をして「ん?」と私らの顔を見ました。

「陣痛計にゼリーつけた?もしかして。」

2人「・・・はい、つけました。」

「あららーこっちはつけなくていいんだってば!つけるのは心音だけ!△△さん、ごめんなさい ねー学生が間違えちゃったみたいで・・・。」

「あーそうなんですか?全然だいじょうぶですよー。ゼリーつけた方がよくとれたりとかしない んですか?」

「こっちは陣痛の波形をみるだけだからゼリーはいらないんですよ。むしろここの溝にゼリーが 入ると故障したりすることもあるから・・・」

2人して、冷や汗たらーり。

壊したらどうしよう・・・壊れたらどうしよう・・・高いよね、高そうだよね。

インシデントレポート?ヒヤリハットレポート書かないとだめ?

「△△さん、ごめんなさい、間違えてしまって・・・」と2人で平謝り・・・。

「いーですよぉ、全然だいじょうぶだから。学生さんなんだから、まだ分からないこと沢山あっ て当然ですよ。これでもう2度と間違えたりしないじゃないですか~(笑)」


2人して誓ったこと。

陣痛計にはゼリーはいらない、と。2度と間違うまい、と誓いました。

そして何とか、モニターは壊れることはありませんでした。


もう、助産師学生やってる今では到底考えられないニアミスですが、つくづく、恥ずかしい。。

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