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とある田舎の喫茶店
前半
夏休みが明けて久しぶりに級友たちと顔を会わせる日だ。
教室内ではみなそれぞれに話に花を咲かせており、そのどれもが明るい顔をしている。
日焼けした人やばっさり髪の毛を切った人なんかも例年通りちらほら見受けられる。
かくいう俺も、友人である穂乃川衛(ほのかわまもる)と園上春樹(そのかみはるき)とともに夏休みにあったことについて談笑に耽っていた。
「やっぱり花火をやったときが一番おもしろかったねえ」
おっとりとした口調で言ったのは衛だ。
双子の兄妹の兄である衛は、凶暴でいつも強気な妹の優(ゆう)とは違い温厚な性格をしている。
下がった眉と柔らかそうな真っ直ぐ伸びた髪の毛、女の子と見間違わんばかりの綺麗な顔立ちは、相手に安心感を与えて、例外なく好感を抱かせてしまう。
それに対して妹の優は顔立ちや姿は衛と見分けがつかないほどなのだが、性格のほうは正反対だ。
自分を人間と勘違いしているトラ、理性を持たない新人類、某国の最先端技術によって異常な戦闘力を身につけた人間型兵器などなど、彼女を評価する言葉を並べようとすると、そんな狂った言葉が乱舞する。全部俺がつけたのだが。
なんでもっと均等に性格のパーツを振り分けなかったのかと、俺はこの双子の片割れを見るといつも思う。
そんなふうに呆けてしまっていたのか、気づいたときには衛がその大きな瞳をじっとこちらに向けていた。
「秋斗、聞いてる?」
「あ、ああ、聞いてる。……やっぱりあれだな、なんと言っても春樹の暴走にはビビったぜ」
夏休みも半ばに差し掛かったあたり、俺は穂乃川衛(まもる)、優(ゆう)兄妹、それから春樹といっしょに公園で花火をした。
それだけなら楽しかったねー、で終わる話なのだが、何を血迷ったのか春樹は大人しか飲んでいはいけない某飲料を持参し、ハイになったテンションでそれをハイペースで開け続けたのだ。
その結果、人間相手に花火を発射する、口に花火をくわえて追っかけてくるなどの暴挙に出て、危うく警察沙汰の花火大会は奇跡的に全員無傷で無事帰宅したのだった。
だがそれでめでたしめでたしかというとそういうわけでもなく、問題なのは。
「それがおれもよく覚えてないんだよ。なんとなく秋斗を追いかけてたのはおぼえてるんだけどよお、俺、口に花火なんかくわえてたか?」
当の犯人が一切合切を覚えていないことだ。
人を散々怖い目に合わせておきながら自分は覚えてないなど都合がいいにも程がある。
「くわえてたよ~。春樹、秋斗を全力で追いかけるんだもん。秋斗あのとき本気で逃げてたよね?」
「ああ、マジでこれはやばいと思ったね。お前を気絶させてでも止めなきゃいけないとさえ思ったよ」
「うーん、そんな暴走してたのか……まったく覚えてねえ……」
「優に止めてもらわなきゃそれこそ俺は火傷してたかもしれねえんだぞ? 反省しろよ」
「でも結局やけどなんか負ってないだろ。俺なんか優にバケツごと水ぶっかけられたんだぜ?」
「そのおかげで俺は助かったんだよ。第一自業自得だろうが」
「だね」
「ちぇっ」
春樹は言い返すことができなくなってふてくされる。
なにげちぇっ、だ。殺人未遂で警察に突き出してやろうかと本気で思う。
だがほとんど悪気を感じていないのか、春樹はすぐに開き直って浮かれた笑顔を向けて俺のこめかみに血管を浮き上がられた。
しかし。
「なあ! それよりも平山のやつに彼女できたの知ってるか!?」
「は? それまじか?」
話の内容に反応せずにはいられなかった。
「うん、それなら知ってるよ。平山くんの彼女ってたしか二組の人だよね?」
衛の言葉で思わず教室の最前列でクラスメイトと話に夢中になっている平山の背を見つめた。
言われてみれば確かに髪型が微妙に変わっていて、一学期のころよりどこか雰囲気が違って見える。
自信がついた、ということだろうか? 表情も充実しているような明るさがあった。
「やっぱり中2の夏休みともなるといろんなカップルが生まれるもんなのかなあ……」
「うらやましい?」
不意打ちのように顔を覗かれながら放たれた衛の言葉に一瞬、ドキリとした。
全てを見透かしてしまいそうな深い漆黒を携えた瞳に見据えられる。
だが俺は目を逸らして余裕の笑みを作った。
「べっつにー。今はそこまで色恋沙汰とか興味ないし、俺たちにはあんま関係ない話だろー?」
平静を装って言った言葉はしかし、春樹の不気味な余裕を含んだ言葉で返された。
「秋斗、俺“達”ってのはやめてくれないか?」
反射的に違えんばかりの速度で顔が春樹の表情を捉えた。
まさか、と思ったが、それを肯定するように卑しく春樹の顔が崩れる。
そして、決定的な一言を言い放った。
「秋斗悪い……俺はもう、そっち側の人間じゃねえんだ」
「ぬぁぁにぃぃいいい――ッ!?」
「ええっ、うそっ!? 春樹彼女できたの? 誰!? どこの人!?」
あまり色恋沙汰に興味がない衛でも、これには珍しく反応せざるを得なかったらしい。
「三組の滝本由加里」
言葉尻に音譜が飛び交っているかのような浮かれた声色で紡がれた一つの名は、俺と衛を驚愕させるには十分すぎるものだった。
「はあ――っ!? 滝本由加里ってあの滝本由加里か!?」
滝本由加里と言えば押しも押されぬ、二年生の美少女ランキングトップ3には必ず入る美少女だ。
なぜそんな違う世界の人間が春樹のようなヘタレ野郎と!
「どういういきさつで付き合うことになったの?」
「いやあさ、俺がくそ暑い中アイス買いに行く途中にさ、自転車のチェーンがはずれて困ってた彼女と会ったわけよ。それを俺が直してあげてさ。それであっちからケータイのメルアド教えてくれたってわけ」
「それはなんていう少年漫画のストーリーだ? 怒らないからお兄さんに正直に本当のことを話してみなさい」
「本当のことだっつーの! 嘘だと思うなら滝本に聞きに行けばいい。本当だってわかるから」
「……」
もはや春樹の言葉に嘘や冗談は感じられなかった。
それを裏付けるかのように春樹の顔がいつもより三割増しで嫌な奴に見える。
「ふ~ん、そういうことなんだ……」
と、あっさり納得する衛に俺は内心でツッコミを入れる。
おいおい、なぜそこで納得できる。
こんな人格破綻者にあんな彼女ができて認められるわけがないだろうが。もっとツッコミどころがたくさんあるだろう。
「彼女の方がメルアドを渡してきた? お前がしつこいストーキングをするから彼女が恐怖のあまり付き合うことにしたとかそういうわけじゃなくて?」
「俺はストーカーか! ……ふ……まあしかし、今の俺様は寛大だからそれくらいの失言は許してやろう。なんたって俺は、彼女持ちだからな。負け組みのチミ達とはレベルが違うのだよ、レベルが」
ここで春樹の対する俺のリミッターが自動的に解除された。
うん、あれだ。もう容赦なんかいらないな。
無言で席を立つ。
「さぁて、じゃあ滝本由加里にお前の小学校時代の丸秘エピソードでも語りに行くか~」
「いやいやいや! ちょっと待てえ! ひがみか! ひがみかこの野郎! どこまで性格悪いんだてめえ!」
「えーと、小学四年生のマラソン大会で腹が痛くなったどこかの誰かさんはどういう行動に出たんだっけな~?」
「わかった! わかったからそれだけはやめてくれ! もう惚気話とかしないから! 自慢話とかしなから! 彼女とデートに何回も行ったときのこととか言わないから!」
さらりと春樹の言葉が出た言葉が俺のこめかみに再び血管を浮き上がらせた。
「どうやらそんなに自分の秘密を全校生徒にぶちまけてほしいようだな」
「っておいっ!! なんかぶちまける相手がスケールアップしてんじゃねえか!! 冗談に決まってるだろ!? ……まったくこれだから冗談の通じない奴は……」
「俺は冗談がわかる人間だぞ? お前だから無視しているだけだ」
「なおのこと質が悪いわ!」
それを聞いていた衛はふと、クスクスと笑い声をこぼした。
「二人見てると全然あきないねえ~。ほんとおもしろいよ」
「「……」」
衛が吹き出す姿などなかなか見れるものではなく、後輩の女子生徒の間で天使の笑顔などと称されるのも納得できる光景ではあったが、それよりもスルーできないものがあった。
「ほんとおもしろよ、じゃなくてだな。お前自身はどうなんだよ。彼女とか興味ないわけ?」
「うん、ないよ」
あっさりと言ってのけた。
中二の男子で自分自身の色恋沙汰に興味がない奴なんていない。
そう言いたいところではあるが、小学校の頃からの付き合いである俺には残念ながらこいつが本心から言っているのだとわかってしまっている。
「あいかわらず変わってるよなー、衛ってば。やっぱりあんなさわがしい妹がいると女子になんか興味がなくなるもんか?」
その名前で俺は思わず顔をしかめた。
妹とはもちろん優のことだ。
さわがしい……そんな優しい言葉で言い表される性格だっただろうか?
そんな内心での反論を飲み込んで、今は衛の反応に注目した。
衛は苦笑していた。
「別に優は関係ないって。それに双子だから妹っていう感覚じゃないよ」
確かに二人は兄妹には見えない。知らない人が見たらそのほとんどが姉弟と答えるだろう。
「まああの性格だからしょうがないな……あれじゃ男なんかよりつかねえよ」
いつも手加減なしにドえぐい打撃を入れてくる双子の妹を思い浮かべて半ば皮肉を込めて言った。
そこでふと、春樹が口にする。
「そういえば優にはそういう話ってないな」
「無理無理、あんな気の強いやさしさの欠片もない女なんかに彼氏なんかできないって」
だがそこでの春樹の反応は予想とは違っていた。
「そうか? 優ってああ見えて案外優しいと思うぞ? お前だけじゃねえの? そう思ってるの」
寝耳に水のような話だった。
優が優しい? どこをどう見ればそんな的外れなことが言えるんだ?
「なんだそれ? 俺は優しくされた覚えなんて一度もないぞ?」
「それは僕達が幼馴染だからじゃないの?」
衛の言うとおり、優の性格は子供の頃から変わっていない。
しかしそれならば、だ。
「なんで同じ幼馴染の春樹には優しいんだよ……」
「そりゃああれだろ、俺小学校の頃は衛と優と遊んでないからだろ」
確かに、春樹と穂乃川兄妹が遊ぶようになったのは中学に入ってからだ。それまではずっと俺という人間を介した友達の友達でしかなかったのだ。
しかしながら中学に入ってからもう一年半、遠慮なんてものがあの女に残っているとは思えない。
やはりどう考えてもおかしい。
「俺にはどうもあの女が俺をいっつも目の敵にしてる気がするんだが……」
その疑問の答えを見つけるべく思考をめぐらせた直後、春樹がさらりととんでもないことを言った。
「それは小さい頃からの好きな子に対する不器用な乙女の接し方、ってやつじゃねえの?」
「……は?」
思わず春樹の顔を凝視してしまう。
春樹は何か言いたげな含みのある笑みを作っていた。
「まあまあ、話を聞け。そこんとこ兄はどう思ってるのよ? お前の妹はどういう奴が好みなのよ?」
「さあ……どうなんだろう。優に好きな人ができたなんて聞いたことないけど。それにお互いそういうことは話さないからね」
「ほらほら、優はずっと一途に思っているのですよ。小さい頃からの幼馴染を」
春樹がこちらの横っ腹を小突いてくる。
お返しにボディブローを叩き込んでやろうか。
「何がほらなんだっつーの。やめろよなぁっ、なんで俺があんな暴力女と……」
「またまたぁ、お前もまんざらでもない様子じゃん。そのうち告られるかもよ?」
「――っ、バ、バカ! 俺はアイツのことなんかなんとも思ってねえっつーの! そ、それに俺はあんな暴力女願い下げだ!」
自分でも顔が赤くなってしまったのがわかった。
くそっ、春樹め、からかいやがって。
なんで俺が優のことで顔を赤くしなければいけないんだ。
次にどう言い訳をしようか考えていると、唐突に春樹が声を上げた。
「あ……」
呆然とした春樹の顔があった。
「……なんだよ?」
すると春樹はゆっくりと腕を上げこちらの背後を指差した。
そこで俺は悟った。
嫌な予感とかそういうレベルではなく、もはや確信に近いレベルで。
できれば振り向きたくない。だが振り向かないわけにはいかなかった。“アイツ”は手加減なんかしない。
後頭部に受けるよりは前で受けたほうが絶対にいいと、俺の防衛本能が勝手に身体を動かしていた。
俺は錆びて動かなくなったロボットのごとく、緩慢な動きで首を回した。
「……」
そこには、衛が立っていた。
……否、双子のもう一人の片割れだ。
私服登校の上に服の趣味が一緒なせいか、Tシャツとジーパンという衛と瓜二つの格好をしていたが、向かって右の髪の毛にある水色のリボンが衛ではないことを示していた。
穂乃川優、その人だった。
「「……」」
不気味な沈黙の中、俺は彼女の顔から目が離せなかった。
完熟トマトのように真っ赤になった顔。
それとは正反対の氷のような冷徹な目。
この世の終わりを予感させる不気味としか言えない光景だった。
しかし、残念ながら俺はこの光景がなんの前兆であるかを本能的に悟ってしまった。
「……」
どんな言葉を紡げばいいのか。
それを考え始めたちょうどそのとき、身の毛もよだつ声を俺は聞いた。
「……誰が…………だってぇ……?」
すべてを聞き取ることはできなかったがそれは問題ではない。
問題はいかに短く、かつ効果的な言葉で彼女の心を静めるかだ。
落ち着け秋斗。
なにか手があるはずだ。
今すぐこの場で土下座するか……?
……いや、駄目だ。それは前にやってかかと落としを食らったじゃないか。
では脱兎のごとく逃げるのは?
……これもだめだ。未来からやってきたロボット型暗殺者状態の優から逃げきるなんて凡人でしかない俺には到底不可能だ。
なにか他に手は?
他に生き延びる方法は!?
考えろ。考えろ、考えろ、考えろ考えろ考えろ――ッ!
……だが神は残酷だった。
俺が結論を導き出す前に優の口が再び開いたのだ。
「……誰が……誰が願い下げだってぇぇえええ――ッ!?」
瞬間。
全感覚はスローモーションになる。
優の右腰が後ろへとわずかに回転。“タメ”にはいる
左肩の肩甲骨のあたりがこちらに見えるほどまで回転すると、優の体は静止した。
よく見れば左足がわずかに浮いている。
そして。
左足を前に踏み込み上半身を回転。
わずかに遅れて下半身が回転する。
それと同時に右足を振り上げてこちらの左側頭部へと鞭のように凶悪の一言に尽きる速度で迫ってきた。
中二の女子がやるにしてはあまりにも完璧、そしてあまりにも容赦のない一撃だった。
インパクトの直前、俺は一つの結論に至る。
……ああ、俺、今回ばかりはさすがに死ぬかも。あはははは……。
直後、感覚は走馬灯から現実へ復帰した。
「ブふぅ――ッ!」
こめかみへの感触は一瞬。次の瞬間には俺の身体は背後の机どころか直線状にある全ての椅子をなぎ倒して吹き飛んでいた。
「ばべら――ッ!」
窓際の壁に頭を打ちつけながら聞いた己の遺言は、全く持って意味不明だった。
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