Amieのフロリダ的生活

Amieのフロリダ的生活

クレープ発祥の地~ブルターニュ地方~1


フランソワ(フランス人らしい名前だ)の家に遊びに行った。

フランスのブルターニュ地方、Moelanというところだ。
そこは、どうやらクレープの発祥の地らしい。
彼とはオーストラリアから帰ってからも文通を続けていた。
そして、ある時こんなに近くの国にいるのだから遊びに行ってみようかと思い、
訪ねてみることにした。
特に恋愛感情があったというわけではなく、本当に友人として会いに行った。
数年ぶりに電話で話をしてみたら、彼は英語をほとんど忘れており意思疎通をはかるのが大変だった。
私もフランス語はあんまりわからないけど、いちおう短大時代の第二外国語だったので発音だけは覚えていた。
とりあえず、ユーロスターのチケットとTGVのチケットをロンドンで購入。
彼の家の最寄り駅まではたどり着ける。
駅まで迎えに来てくれるというので、駅に着いたら電話をすると言っておいた。


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パリから電話しようと思ったが、時間がなくてできなかった。
そしてようやくMoelanの最寄り駅に着いた。

さて。

小銭があったので公衆電話を探した。駅前ですぐ見つかった。小銭を入れてっと。。。
あれ?コインの投入口がない。
もしや。。。やっぱり!カード専用の公衆電話だった。
周りを見回し、他の公衆電話を見ても全てカード専用だった。
うううっ。。。どうしよう。
到着時間を知らせてないし、連絡しないと迎えに来てもらえない。
と、そこで駅のまん前に小さなお店があいているのに気がついた。
「グランマルシェ」と書かれていた。体格のいいおばちゃんが店番をしている。
じーーーっ。おばちゃんのほうを眺めてから意を決して店に入っていった。

Amie「エ、エ、エクスキュゼモワ。。。ピュ、ピュイジュ。。パルレ。。アナングレ?」
(す、すみません、え、英語話せますか?)

おばちゃん「ノン」
(いいーえ)

Amie「うぇ~っ」

おばちゃん「○○××△▽☆☆」

Amie「あ~わかんないよぉ、うー、うー」

グウの音も出なくなった。

気を取り直し、フランス語フレーズブックを見ながら

Amie「Je voudrais telephoner. Ou est-ce que je peux acheter une telecarte?」
(電話をかけたいんです。テレホンカードどこで買えますか?)

するとおばちゃん、うしろから電話を取り出しカウンターに載せた。
ジェスチャーでおばちゃんが電話をかけてくれるのがわかった。
そしてフランソワの電話番号を渡し、電話をかけてもらった。
おばちゃんは少し話をしてから私に代わってくれた。
きっとこう言っていたのだろう。

「もしもし~、なーんか今ねぇ、アジア人だと思うけど女の子がここにいるのよ。あなたのところに電話をかけたかったみたいなんだけど、テレホンカードがなくて困ってたみたいだから、ウチからかけてあげてるのよ。ちょっと話してみてくれる?待っててね、今変わるから。」

おばちゃん「Voila...」と受話器を差し出した。

満面の笑みで「お~メルシィ!」といって受話器をとった。
そしてフランソワに駅に着いたことを知らせ、15分くらいで駅まで迎えに来てもらえることになった。
そしておばちゃんにもう一度感謝の言葉を述べてお店を出た。
このときのおばちゃんは天使に見えた。
フランソワが到着するまでおばちゃんは興味深々で、前のベンチで待っている私のことを眺めていた。


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しばらくしてフランソワがお姉さんと一緒に現れた。
数年ぶりに会ったが変わらないなぁ。
でもあのベビーフェイスに髭を生やしている!
彼いわく、子供に見られないようにとの事。
ひととおりの挨拶を終え、フランソワとは久々の再開を喜び彼らの家へ向かった。

家に着くと、ママとパパが歓迎してくれた。フランスの田舎風石造りの家だった。
ママは私を見るなり「プティ!」と言った。
ん?
背が低いので小さいということか!ちょっと一人でウケてしまった(^-^)
そしてパパはマイケルダグラスにそっくりだった。カッコイイ~!!

荷物を置いて、お姉さんとフランソワと3人で夕食の為レストランに行くことになった。
「クレープを食べさせたいんだ!」とフランソワは言った。
私は内心「クレープって甘くておやつみたいだよなぁ。でもいいか。」と思った。
それまで、甘いクレープしか知らなかったのでレストランのメニューを見て驚いた。
きのこや、ベーコン、お肉、野菜などの具を選べるのだ。
おやつじゃなくてちゃんとした食事だった。
そして、もちろんデザートとしての甘いクレープもあった。
私はメインのクレープでお腹いっぱいになってしまったが、
フランソワたちはデザートもペロッと食べてしまった。

食事をしながら、このブルターニュ地方はクレープの発祥の地であること、
フランソワはクレープ職人になりたいということを話してくれた。
そうだったのかー、知らなかった。

家に帰るとすでに遅い時間だったので、その日はすぐに床についた。
ゲストルームのベッドはとても高かった。何がって、高さが。
ふかふかの掛け布団で自分の胸くらいの高さもあった。
ベッドによじ登るのは一苦労だった。

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