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人魚


人魚は次の朝、泡になりました


コンコン

夜、海の近くの小さな家の扉にノックする音が響いた。

「キラ、入っていい?」

キラは手にしていた本にやっていた視線を扉の方に向けた。

聞こえるのは愛しい人の声

「…いいよ。入って」

ゆっくりと扉を開けて。

部屋に入るアスランの姿にキラは見ほれていた。

「もう、キラ…」

そう自分の名前を呼ばれて、その男に目を奪われていたことを知る。

「本を読むときは電気付けなきゃ。目、悪くするよ?」

そうは言いつつも、アスランは電気を付けようとしない。

部屋に入った瞬間、異空間にいるような空気。窓際にあるベッドで、

月の光に照らされているキラの姿を密かに気に入っているから。

「何読んでるの?」

キラの隣に腰を下ろし、本を覗き込む。

「ん…人魚姫…」

優しい笑顔で、でもどこか寂しげな顔でキラは答えた。

「人魚が王子に恋をしたけど、それが叶わず泡になったやつ?」

「うーん…まあ、そうだけど…」

キラが苦笑し、もっと感動するお話なんだよ、とつけたす。

「人魚は最後まで王子を想って消えたんだよ。王子を殺して、

自分が生きるくらいなら、自分が消える方を選んで…すごいよね」

「それほど王子を愛していたんだろ…」

アスランはキラの身体を引き寄せ、抱きしめた。少しの間なのに、

ずっとそうしていた様に。

「僕…、僕が人魚でアスランが王子だったら、

僕は迷わず泡になることを選ぶよ!」

いきなりキラが顔を上げ、アスランの目を見ながらそう宣言してきた。

「だって僕、アスランがいないなら生きている意味無いもん」

アスランは大きく目を見開いていたが、優しく笑ってキラの頭をなでた。

「それは無理だね」

「どうして!?僕本気だよ!!」

くすくす笑って言うアスランをキラは勢いよく突き放した。

「だってそんな事しなくていいもん。

僕がキラ以外の人を好きになると思うの?キラは」

「ッ・・・・」

真顔でそんなことを言われ、キラは顔を赤く染めた。

けど、俯いて首を横に振った。

「ね?キラがそんな事しなくても、僕はちゃんと君に気付くんだから」

「…うん…////」

月の光に照らされて、2人はシーツに沈んだ。

このナイフで王子を殺しなさい。

そうすればあなたは泡にならずに済むわ。

    …イヤ…そんな事したくないわ…

どうして!?消えずに済むのよ!?

    …あの人が…

    あの人がいないなら…

    私が存在する意味も無いの…

だからって……!!

    お姉さん…私は

    自分の命よりあの人が大切なの

    たとえ泡になっても……


==後書きコメント==
やっと…やっとキリ番…!!(感涙)
…………何これ??…有り得ん。文おかしいよ!?
ご、ご、ごごごごごめんよぉ~~~
300HITの奏たん、こんなんで良ければ、
DLして持って帰ってください。
それじゃあ。

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西戸香也サマのサイトでキリ番を踏んで頂いた小説ですv
SEEDの中ではいちばん好きなCPのアスキラですvv
めっちゃ萌えますし、ロマンチックですし・・私もこれくらい文才が欲しいです・・(ムリ)
何気に感動させますし・・(笑)
香也サマありがとうございました!!!




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