パリ郊外にて。
Paris Nord Villepinte(パリノール見本市会場)
こちらで行われている、
Maison&Objet(メゾン エ オブジェ)2008
。
ヨーロッパではかなり大きな展示会。
今回の旅での、
私たちの最大の目的は、
この展示会を視察することだ。
会場までは、
ポルト・マイヨからシャトルバスが運行されていたが、
ホテルから少々離れていたため、
違う手段で会場に向かうことにした。
会場までは、
地下鉄を利用しても行くことが出来る。
RERの郊外線で、
シャルル・ドゴール空港駅の一つ手前、
Parc des Expositions(パルク・デ・ゼクスポジション)駅。
こちらで降りれば、会場はすぐそこだ。
ただ、
現地の日本人ガイドに話を聞いたところ、
郊外線は、
いわゆるダウンタウンのような所の路線でもあって、
少々危ない駅を通るらしい。
タクシーで行っても、
30~35ユーロほどだという事だったので、
往路はタクシーを利用することにした。
会場についてみると、
そこは、幕張メッセやビックサイトを、
とぉ~っても大きくしたような、
巨大な展示会場。
ホールが7つもあって、
それぞれのインテリアカテゴリーに分かれて、
所狭しと展示されている。
各国各地から訪れた人々は、
ほとんどがバイヤーやデザイナーで、
入場のためのパスポートを手に入れるために、
長蛇の列が出来ていた。
アンケート用紙に会社名を記入し、
細かいアンケートにチェックを入れて、
やっとチケット売り場の列に並ぶことが出来た。
長い列に並びながら、
横の人、後ろの人、斜め前の人など、
あちこちの人を観察してみる。
どの人も、自信に溢れていて、
どの人も、個性的で、
多くの人が、
ハイクラスで、
ハイセンスなファッションスタイルをしている。
それも、男女を問わず。
それこそ、目の保養になるほど、だ。
ある意味、
巷で言う、成功者たちなのかもしれない。
やっと順番が来てチケットを購入。
ひとりにつき70ユーロ近く。
かなりいい値段。
でも、
これで希望通りの商品が手に入り、
希望どおりの商談が出来れば、
チケット代など安いもの、なのかもしれない。
一応、全部のホールを見て回る予定ではいたが、
まずは、いちばん気になるホールから。
なんといっても、広いのだから。
まるで路地裏を歩いているみたいに、
くねくねと蛇行しながら、
通路を進んでいく。
気になるブースは立ち止まり、
中に入って見学をし、
時にはオーナーやスタッフと話をしたり、
パンフレットを貰って眺めたり。。。
時折、
日本の「和」の製品を扱うブースに出会うことがあった。
中でも面白かったのは、
いぐさ。
畳の原料となる、いぐさだ。
いぐさを使った製品を展示して、
いぐさのecoな部分を、
わかりやすくアピールしていた。
また他にも、染めの暖簾や、
暖簾をアレンジしたタペストリーや屏風など、
あるいは、織りを使ったものなど、
面白い発想の商品に出会ったりした。
しかし、
多くは純和風というわけではなくて、
そこはやはり、
ヨーロッパ向け、
フランス向けにアレンジされていたりして、
そのアレンジが日本人の私にしてみると、
「これは、どこの国のもの?」
といった感じで、
ちょっと可笑しかったり。
日本人の私から見れば、
それは、
もうすでに「和もの」には思えないから。笑
しかし、
どんな異文化も異国の品物も、
その国に入ってしまえば、
その国の人々の使いやすいように、
その国の人々の美的感覚で磨かれていくのだし、
そうなれば、
それは新たな文化となったり、
新たな使い道を提供するものとなったりするわけだから、
それはそれで、
かえって発想が面白かったりして、
それはそれで、いいのだと思う。
それにしても、
今回、とても意外なものをよく目にした。
それは、「鉄瓶」。
あの南部鉄で有名な「鉄瓶」だ。
その鉄瓶を、
赤や黄色、オレンジや緑、青といった、
カラフルで色鮮やかな色で塗装した鉄瓶が、
あちこちで展示されていた。
それこそ、
パリではこれが今年のトレンドなのか?、と、
錯覚しまうほど。
確かに日本の茶器などは、
パリで人気があるらしいことを、
以前にどこかで聞いたことがある。
それを証明するかのように、
茶器や急須なども多く展示されていた。
そうだとすると、
鉄瓶は「So Cool!」ということなのだろうか?
だとしたら、
なんとも、この発想が面白い。
私としても、
アーユルヴェーダに携わってきた過程で、
鉄瓶がとても素晴らしいことは、
よく知っている。
が、それにしても、
目のつけどころがなんとも、面白い。
そんなわけで、
見るに事欠かないブースが集まっているホールは、
じっくり見ていると、
軽く2時間ほど掛かってしまう。
この調子で回っていると、
7つのホールを全部回るのは、
とても一日では無理だろう。
ヒトッティーも私も、
出来れば今日中に全部回り終えて、
明日からプライベートとして行動したかった。
でも、そこはやはり出張目的の旅。
今日で回りきれなければ、
明日もここへ足を運ぶしかない。
そう思いながら、
5つ目のホールを回り終えて、
残すところあと2つとなった。
が、残りのホールは、
ヒトッティーの目的趣旨とは違うブースばかりで、
結局、ほとんど素通りすることに。
というわけで、
夕方近くになって、
今回の展示会視察は終了となった。
私も、
そして私以上にヒトッティーは、
沢山のブースから、
発想、アイデア、ヒントをもらい、
多くの人たちとお話しすることが出来て、
とても実り多い視察となった。
さてさて、
展示会を引き上げて帰っていく人たちが、
まだそう多くない内に、
そして
夕方のラッシュの時間帯を避けるように、
早々にパリ市内へ戻ることにした。
帰りもタクシーで、と思ったのだが、
タクシー乗り場は長い列が出来ていて、
最後尾が見えないほどだった。
あれじゃ、
いつになったら乗れるかわからないぞ、
と思った途端、
暗黙の了解で、復路は郊外線で戻ることに。
早めに会場を後にしたのが効を奏して、
思ったより込み合わない電車に乗ることが出来た。
隣の席では、
どこの国の人なのだろうか、
ヨーロッパなまりの英語が聴こえてくる。
展示会を後にした二人のバイヤーが、
今回の勝算などを語り合っていた。
その横で、
ヒトッティーと私は、しばし黙っていた。
パリの郊外。
夕暮れに染まる郊外の景色を眺めながら、
のんびりと電車に揺られる。
ステキな景色だった。
しばらくすると、
ガイドに教えられた、
「ちょっと危ない駅」に着いた。
この辺りまで来ると、
車内は随分と込み合っていた。
ドアが閉まりかけたとき、
走りこんで、
飛び乗ってきた男女二人。
男性は幼児を乗せたバギーを抱えながら。
女性は、赤ちゃんを抱きながら。
体が滑り込んだ瞬間、
扉が閉じた。
それを見ている私のほうが、
ちょっとビックリ、
かなりヒヤヒヤ。
ある意味、
「ちょっと危ない駅」だった。笑
扉近くの席に座っていた私たちは、
もうすぐ降りるつもりだったのもあって、
その男女に席を譲った。
そして、ホテルまで散歩するつもりで、
それから幾つかめの駅で降りた。