兄の名はヒョウ

兄の名はヒョウ

第4弾:玄苦大師


吐藩国の鳩摩智が、”六脈神剣”をねらってやってくると伝える。
しかし、”六脈神剣”は誰も会得できていないため、
段皇帝である段正明を、出家させ
6人の僧で技を分担して対抗することとなる。
それぞれ秘伝書を見ながら必死に修練している6人。傍に控え、経絡を見つめる段誉。


段誉の体に異常が現れた。
枯栄大師は、段誉の中に特別な力を感じ、共に鳩摩智の元に連れて行く。
天龍寺に現れた、鳩摩智は、亡くなった慕容博のために、
”六脈神剣”の秘伝書を見せてほしいと迫る。

ここに、鳩摩智VS天龍寺6人僧の戦いが始まった。
激闘のさなか、枯栄大師は、”六脈神剣”の秘伝書を燃やしてしまう。
怒った鳩摩智は段正明をさらおうとするが、段誉が突如、”六脈神剣”で反撃!!
なんと、みんなが秘伝書を練習している間に、”六脈神剣”を会得していたのだ。
しかし、戦い方がわからない段誉を右往左往。
鳩摩智は、段誉が六脈神剣を会得していると思い、捕まえて去ってゆく。

天龍寺からの追っ手をまいた鳩摩智は、
段誉とともに慕容博の墓を訪ねようとする。
旅の途中で、段誉に六脈神剣の秘伝書を書くように迫る鳩摩智。
だが、段誉は拒否する。
偶然、慕容家の侍女・阿碧と出会い、墓への案内を頼む。
段誉は、阿碧と同じ侍女の阿朱の機転によって、鳩摩智の手から逃れる。

段誉・阿朱・阿碧の3人は、慕容復の親族・王家に立ち寄る。
そこで”仙女様”の像に似た王語嫣に出会うのだが・・・
阿朱と阿碧は、王夫人の逆鱗に触れつかまってしまう。
うまく、王夫人に取り入った段誉は、王語嫣に一目ぼれ。
慕容復に会いたいという、王語嫣のために、段誉は阿朱と阿碧を助け出し、
4人で、慕容復を探す旅に出ることに。
阿朱の家に立ち寄った際、包不同が加わるが、段誉は仲間はずれにされてしまう。

一人ぼっちになった段誉は、とある店で喬峯と出会い、ともに酒を飲むことに。
二人は意気投合して、義兄弟の契りを結ぶことになる・・・

慕容復を探していた王語嫣たちは、丐幇とトラブルを起こしていた。
騒ぎを聞きつけた喬峯と段誉が、駆けつけると包不同が
丐幇主を無礼だと決め付けていた。
喬峯は、丐幇の幇主だったのだ。
王語嫣との再会を喜ぶ段誉だが、喬峯の元に丐幇の四大長老が現れる。
包不同と長老が一触即発になったところに、
風波悪が現れ、四大長老とケンカをはじめてしまう。
風波悪は、四大長老の一人・陳弧雁のサソリにかまれてしまう。
喬峯は、陳長老に解毒剤を出すように命ずる。
解毒剤で助かった風波悪は、またも戦いだすが、危ういところを喬峯に助けられる。
喬峯には、敵わないと悟った包不同と風波悪は、少林寺に向かった。
すると突然現れた全冠清たちが、喬峯に対し謀反を起こした。
なんと、四大長老も仲間だった、喬峯ピンチ!
慕容復という言葉を聴きつけた王語嫣、阿朱、阿碧、段誉はその場にとどまる。

そこに、全冠清に捕らえられていた白世鏡が駆けつける。
白世鏡の登場と、喬峯の機転により全冠清を取り押さえたため、
四大長老は潔く罪を認め、縛についた。
その訳を問いただす喬峯に対して、全冠清は
馬副幇主を殺したのは、喬峯だ。慕容復の配下を助けたのは
その証拠だと。主張する。
しかし、喬峯は馬副幇主の犯人は、慕容復ではなく、別な気がするとし、
なおかつ、四大長老の罪を許そうとするが・・・

全冠清は、あくまでも喬峯を追放しようとする。
そこに、徐長老が、大事な話があると乗り込んできた。
続いて、単正が馬夫人・康敏をつれてやってくる。
そして、譚公・譚婆夫婦と趙銭孫が現れる。
康敏は、馬副幇主の遺言による”謎の手紙”を見つけ徐長老に渡した事実を告げる。
そして、徐長老はその手紙を読み、重大な秘密を見つけた。
手紙は別人からのもので、丐幇の重大事が書かれていた。
その証人として譚夫婦と趙銭孫を呼んでいたのだ。

そのころ、丐幇一派を襲うため、西夏一品堂が迫っていた。

趙銭孫が証言を拒んだところに、天台山の智光大師が現れた。
智光大師は、丐幇の重大事を知る人物だった。
徐長老に呼ばれ、真実を話すように頼まれたのだ。
智光大師によって、喬峯の秘密が語られる。
そう・・・30年前のあの事実が・・・

武功の達人で、みなの尊敬を受けていた「カシラ」と呼ばれる人物の呼びかけによって、
集まった者たちに、契丹人が少林寺を攻めようとしていると告げられる。
少林寺を襲撃し、武術の秘伝書を奪ったのち、
その武術を遼の兵に教えようとしているというのだ。
そこで、王剣通(元丐幇幇主)や智光とともに、雁門閑にて、向かい撃とうということになった。
遼の第一陣は、簡単に全滅できたが、次に現れた契丹人は凄腕で、
カシラを含めた数人は命を取り留めたが、他の皆は全滅してしまった。
しかし、一緒にいた妻と赤ん坊を殺されたことに、絶望した契丹人の男は、
石の壁に、文字を刻んだあと、妻と赤ん坊の亡き骸ともども身を投げた。
しかし、赤ん坊が生きているとわかると、かしらの元に赤ん坊だけ投げ返した。
カシラと智光大師は、残された赤ん坊と、壁の文字を拓本にして持ち帰った。
拓本の中には、今回の事は大変な過ちであったことがかかれてあった。
その過ちを償おうと、赤子は喬三櫂の元で育ち、
7歳のときより、少林寺の玄苦の弟子となり成長した。
それが喬峯だったのだ。
と・・・

そして、この手紙は、カシラから王幇主へ、喬峯を幇主にするなというものだった。
その手紙を喬峯が受け取ろうとしたとき、
智光大師は、名前の部分を切り取り、食べてしまった。
カシラの正体を明かすことは出来ないという智光大師。
そして、全冠清は、喬峯のオオカミの刺青こそ契丹人の証拠だと言い放つ。
それを聞いた喬峯は、丐幇主の座を降りると宣言する。
丐幇の中で、喬峯を幇主とする者と、契丹人だとするもの分かれるが
喬峯は、打狗棒を置いて立ち去る。

残された丐幇の者たちの前に、一品堂が現れる。
そこに、雲中鶴も現れるが、王語嫣のアドバイスを得た
呉長老に撃退される。
と、突然、丐幇のものたちは、一品堂の悲酥清風(毒)にあたり倒れてしまう。
一品堂は、王語嫣の知識に興味を持ち、連れ去ろうとするが
毒の効かない段誉が、王語嫣を連れて逃げ出した。

一品堂は、残った丐幇の者たちと、阿朱と阿碧を別々に連れさる。
阿朱と阿碧は、通りかかった喬峯に助けられる。
阿朱から丐幇のものが連れ去られたことを聞いた喬峯は、
助けようと、一品堂の後を追った。

段誉は体が動かなくなった王語嫣をつれて追っ手から逃げ、
水車小屋に隠れた。
それを見ていた慕容復は、一品堂の一人に化けて、水車小屋に
乗り込む。
慕容復以外の手下は、王語嫣の助言を受けた段誉によって
やっつけてしまう。
最後に、変装した慕容復が現れる。
王語嫣を守るため、段誉は李将軍(慕容復)と戦う。
段誉に対する嫉妬に恥じ入った慕容復は、解毒剤を
渡して立ち去った。

水車小屋を後にした、段誉たちは偶然、阿朱と阿碧に出会う。
4人は、慕容復をさがして少林寺に向かうことに。
途中、一品堂が寺に丐幇のものを捕らえていることがわかったため、
阿朱が喬峯に、段誉が慕容復に変装して、
丐幇の者を助けることにした。

完璧な変装をした二人は、寺に乗り込む。
寺に入れた二人をまちかまえていたのが、南海鰐神。
慕容復(段誉)の機転で南海鰐神をうまくだました二人だったが、
突然、一品堂の連中は、動けなくなってしまった。
誰かが、悲酥清風をまいたのだ。

慕容復(段誉)は、喬峯(阿朱)と丐幇の者たちに解毒剤をかがせ、助け出した。
喬峯(阿朱)に感謝する呉長老たちだが、慕容復(段誉)が一緒だったため
不信を抱くが、うまく逃げ出す。
そのあと、本物の喬峯がやってくる。
が、助けた覚えがなく、話が合わないまま、皆に別れを告げた。

変装を解いた段誉は、大理国に戻り、
王語嫣と阿朱は、慕容復を探しに少林寺に。
そして、阿碧は家に戻ることになった。

喬峯は、父母の下を尋ねる。

>喬峯「父上、母上、喬峯が帰ってまいりました。」
 喬三櫂「お前が、大きくなったな。」
 たくましくなった息子を、見つめる喬夫婦。
 喬峯「お元気でしたか?今日は、お聞きしたいことがあり戻ってまいりました。」
 喬三櫂「・・・何かな?」
 喬峯「私は、本当にお二人の息子なのですか?」
 喬三櫂「何を言う。誰がそんなことを?」
 喬峯「智光大師から聞きました。」
 喬三櫂「智光大師が・・・、なぜ?」
 喬峯「カシラと呼ばれる人物から、王幇主への手紙が見つかったのです。」
 喬三櫂「カシラ・・・?」
 喬峯「本当のことを教えてください!私の親は誰なのです?カシラとは一体誰です?」
 喬三櫂「何をいうお前は、私たちの息子に間違いない。」
 喬峯「本当ですか?では、カシラという人物は誰です?」
 喬三櫂「本当だ・・・。それに、カシラというのは、誰だかわからん。」
 「喬峯!」
 そこに、少林寺から玄生たちが現れた。
 玄生「喬峯!やはり現れたな。育ての親を襲うとは!なんと恩知らずな!」
 喬峯「何をバカな!そんなことをするか!」
 玄生「とりあえず、少林寺までおとなしくついて来い!」
 喬峯「大事に育てていただいた恩は、決して忘れません。しかし、わが身の出生については
 調べねばなりません。父上、母上、お元気で!」
 降龍十八掌で壁を吹き飛ばし、穴から逃げた喬峯。

 追っ手を逃れた喬峯は、少林寺に向かった。
 玄苦大師の下に忍び込んだ喬峯。
 喬峯「師匠・・・。」
 玄苦「お前は?喬峯か?」
 喬峯「そうです、師匠。弟子の喬峯です。お久しぶりです。」
 玄苦「そうか。立派になったな。しかし、大変なことになった。」
 喬峯「師匠。何がなんだか・・・」
 玄苦「喬峯、お前をなんとしても捕らえるように指令が出ておる。ここにいてはいかん。」
 喬峯「師匠。本当のことを教えてください。私は契丹人なのですか?」
 玄苦「喬峯、私もよくわからんのだ。ただ、玄慈方丈よりお前を見守るように言 われただけなのじゃ。」
 「喬峯が来た!喬峯が忍び込んだぞ!」
 外が騒がしくなり、沢山の僧が寺の中を走り回っている。
 玄苦「とにかく、しばらくの間おとなしく隠れておるのじゃ。私が真相を探って みる。」
 玄苦は、隠れ場所を記した地図を渡す。
 喬峯は、部屋を飛び出し、とある仏像の影に隠れる。

そこに、5人の若い僧が現れる。
仲間の一人が、4人を倒して、隠してあった秘伝書を盗む。
見つかりそうになった泥棒僧が隠れた場所は、喬峯と同じ仏像の裏だった。
そこに現れた、玄慈方丈・玄難・玄寂は、隠れた二人に襲い掛かる。
泥棒僧をかばいながら戦う喬峯だが、玄慈方丈の一撃が椅子ごしに
泥棒僧に当たてしまう。
何とか逃れた二人だが、泥棒僧の傷は深かった。
泥棒僧が、変装していることに気づいた喬峯。
変装をはがしてみると、それは、なんと阿朱だった。

許家集の町までたどり着いた喬峯は、医者に阿朱を見せる。
しかし、容態は、瀕死の状態であり、手の施しようがない。
阿朱の体に、喬峯は、自分の真気を送り込み
何とか、命を保っていた。
寝ずの看病をするうち、喬峯は、近くに神がかりな医術を持つ、
薛神医が聚賢荘にくるという話を耳にする。

聚賢荘には、薛神医と游兄弟の回状に、江湖の英雄が集まってきていた。

《続く》

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