アン・わたしの部屋

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宇江佐 真理

宇江佐 真理

畠中恵



宇江佐 真理(うえざ まり)

1949年10月20日 生まれ

日本の時代小説作家。

本名、伊藤香。

北海道函館市生まれ。

函館大谷女子短期大学卒業。

OLの後、主婦。
1995年、『幻の声』で
オール讀物新人賞を受賞しデビュー。

同作品を含んだ連作短編集
『幻の声 髪結い伊三次捕物余話』は
直木賞候補にもなり、注目される。

受賞歴 [編集]
1995年 
『幻の声』で第75回オール讀物新人賞

2000年 
『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞

2001年 
『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞



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無事、これ名馬
吉蔵は町火消し「は組」の頭です。火の手が上がれば、組を率いて駆け付け、命懸けで火事を鎮める。そんな吉蔵に、武家の息子・村椿太郎左衛門が弟子入りを志願しました。生来の臆病ゆえに、剣術の試合にどうしても勝てない太郎左衛門。吉蔵の心意気に感化され、生まれ変わることができるのでしょうか…?【目次】
好きよたろちゃん/すべった転んだ洟かんだ/つねりゃ紫喰いつきゃ紅よ/ざまァかんかん/雀放生/無事、これ名馬

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泣きの銀次
誰がお菊を殺したんでェ。最愛の妹の命を奪った下手人を追って、大店の若旦那の地位を捨てた。人呼んで「泣きの銀次」。物言わぬ死体の声を聞いて涙する。お侠な娘、お芳の健気な想いを背に受けて、めざす敵は果たして討てるのか?
鮮やかな筆が冴えわたる女流時代小説作家の人情捕物帳。
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雷桜
江戸から三日を要する山間の村で、生まれて間もない庄屋の一人娘遊が、雷雨の晩に何者かに掠われた。手がかりもがないまま、一家は十数年を過ごします。その間、遊の二人の兄は逞しく育ち、遊の生存を頑なに信じている次兄の助次郎は江戸へ出、やがて御三卿清水家の中間として抱えられる。が、お仕えする清水家の当主、斉道は心の病を抱え、屋敷の内外で狼藉を繰り返していた…。遊は十五年ぶりに生家に帰還するのだが―。
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深川恋物語
一途な愛。
儚い愛。江戸・深川の水面に映すせつなく揺れる六つの恋。
【目次】
下駄屋おけい/がたくり橋は渡らない/凧凧揚がれ/さびしい水音/仙台堀/狐拳
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幻の声

本業は髪結い。一方、町方同心の手先も勤める伊三次の捕物長。心を寄せつつも、甲斐性がないばかりに所帯の持てない芸者のお文との恋のみちゆき、江戸の下町の人々の悲喜こもごもの生き様が、短編の形でていねいに描かれています。
それぞれに思いを残す話ですが、「備後表」はなんとも言えない温かみのある話でした。
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恋いちもんめ
年頃を迎えた水茶屋の娘・お初の前に、前触れもなく現れた若い男。青物屋の跡取り息子で栄蔵と名乗る青年は、彼女の見合い相手でした。その清廉な人柄に、戸惑いながらもしだいに惹かれてゆくお初。けれど、ある事件を契機に二人の関係は思わぬ方向へ進み始めます・・・。運命のいたずらに翻弄される純愛の行き着く先は?感涙止まらない、傑作時代小説。
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卵のふわふわ

のぶちゃん、何かうまいもん作っておくれよ―。夫との心のすれ違いに悩むのぶをいつも扶けてくれるのは、喰い道楽で心優しい舅、忠右衛門だった。はかない「淡雪豆腐」、蓋を開けりゃ、埒もないことの方が多い「黄身返し卵」。忠右衛門の「喰い物覚え帖」は、江戸を彩る食べ物と、温かい人の心を映し出す。
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たば風

将来を誓い合った男女に降りかかった突然の災難。けれど、長い年月を経たのち、深い絆で結ばれたふたりに奇跡の刻が訪れた。函館在住の著者が、幕末の蝦夷・松前藩を舞台に描いた、郷土愛あふれる六つの短篇集。
【目次】

たば風/恋文/錦衣帰郷/柄杓星/血脈桜/黒百合
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甘露梅

岡っ引きの夫に先立たれた町家の女房、おとせ。時を同じくして息子が嫁を迎えたため、自分は手狭な家を出ることに。吉原で住み込みのお針子となったおとせの前には、遊女たちの痛切な生の営みがあった。さまざまな恋模様、その矜持と悲哀。そして自身にもほのかな思いが兆しはじめ…。今宵ひと夜の夢をのせて、吉原の四季はめぐる。哀切の傑作時代小説。
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涙堂
同心だった夫・高岡靫負はなぜ斬られたのか?蟠る疑問を胸に妻の琴は、侍を捨てて浮世絵師となった息子・賀太郎と日本橋通油町で同居を始める。幼なじみで医師の清順や汁粉屋の伊十と親しみ、移ろう江戸の風物に目を向けて筆を執るうちに、夫の死の謎が解けてきて…。名手が紡ぐ絶妙の連作短篇集。
【目次】
白蛇騒動/近星/魑魅魍魎/笑い般若/土中の鯉/涙堂
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おちゃっぴい
札差し・駿河屋の娘お吉は十六、蔵前小町。鉄火伝法が玉に瑕。人呼んでおちゃぴい。浅草寺に向かって、お吉は走る。追うのは、手代の惣吉…。婀娜や鯔背は江戸の華。やせ我慢も粋のうち。惚れたが悪いか恋の顛末。笑いと涙の人情譚六話収録。 【目次】
町入能/おちゃっぴい/れていても/概ね、よい女房/驚きの、また喜びの/あんちゃん
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十日えびす
錺職人の夫が急逝し、義理の子供たちから家を追い出されてしまった後添えの八重。先妻の子・おみちと日本橋堀江町に引っ越して小間物屋を開いた。血のつながりはないが、実の親子のように仲の良い二人。新しい生活は希望に満ちていた。しかし、向かいに岡っ引きでも手を焼く猛女のお熊が住んでいたからたまらない。しかも、この鼻摘まみ者の息子におみちが気のある様子。頭を悩ます八重のもとに、自分たちを追い出した義理の息子が金の無心に現われて…。
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春風ぞ吹く >

村椿五郎太、25歳。先祖の不始末といまいち野心に欠ける遺伝子が災いして、うだつのあがらぬ小普請の身。目下の目標は、学問吟味に合格して御番入りを果たすこと、なのだが、文茶屋での代書屋の内職も忙しい。そんなのんびり男を焦らせたのは、幼なじみの紀乃。学ならずんば、恋もままならず―。どうする、五郎太!代書屋に持ち込まれる騒動、そして一進一退の恋と学業の行方や如何に。
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深尾くれない

鳥取藩士・深尾角馬は短躯ゆえの反骨心から剣の道に邁進してきた。いまでは藩の剣法指南役も勤め、藩主の覚えもめでたき身。しかし姦通した新妻を、次いで後妻をも無残に斬り捨てた角馬の狂気は周囲を脅かす。やがて一人娘・ふきの不始末を知った時、果たして角馬の胸中に去来したものは…。紅牡丹を愛し、雖井蛙流を起こした剣客の凄絶な最期までを描き切った異色の長編時代小説。
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ひょうたん



鳳来堂の音松と、身投げしようとしていた謎の男のやりとりを描いた表題作や、男の爽やかな心意気を描いた『そぼろ助広』など7編を収録。女流時代小説家の手による上質の短編は、江戸の町にしっかりと息づく人情と心の機微を描き、現代人の心にもしみじみと響きます。
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余寒の雪
男髷を結い、女剣士として身を立てることを夢見る知佐。行く末を心配した両親が強引に子持ちの町方役人と祝言を挙げさせようとするが―。幼子とのぎこちない交流を通じ次第に大人の女へと成長する主人公を描いた表題作他、市井の人びとの姿を細やかに写し取る六篇。中山義秀文学賞受賞の傑作時代小説集。
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