SMAPに溺れてる人々の部屋

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ブリジットについて



子どもが幼稚園の時、

我が家には毎日親子づれで15人程の

幼稚園友達がわいわい集っていた。

その日もたしか 親5組程の家族が来ていたと思う。

もう5時半を過ぎ、ひと組の親子が帰るのを玄関で見送っていたときだった。


突然    「きゃーーーーーーーーー!!!!!」

ただならぬ叫び声と同時にあたしが見たものは

2階の窓から落ちていく子どもであった。


あたまが真っ白になりながら階段をかけおりるあたし。

下には小さなぐったりとした子どもの姿が。。。。


どうしようどうしようどうしよう!!!!!!!!


動転しながらも電話に走った。119番!!!!

「子どもが2階から落ちました。すぐ来て下さい!」

意外と冷静に住所や名前を告げるとなみだが溢れてきた。

子どもは来ていた人の子で、階段下でお母さんに抱かれてぐったりしている。

あたまの中にいろいろな想像が走った。

死んじゃったらどうしよう!!!!

それくらいおびただしい血の量だった。。。。



それから一ヵ月はただ、祈るだけの毎日だった。

頭を強くうっている彼は、

嘔吐が続き、意識ももうろうとして、本当にやばい状態ってやつだった。

あたしはただひたすら、病院を訪れ、

嫌な顔をされながらも誠意をみせるしかなかった。

うちだけが悪くないとわかってはいるものの、あたしを見ると憎しみが

こみあげてくるのを押さえられない彼の母親に対して

ただ頭をさげるしかできないあたしだった。


そういう辛い時 あたしはブリジットに出会った。

ブリジットは、娘の同級生ママ。いつも背筋をぴんとのばした

おしゃれな、ちょっと憧れのママだったけど

なかなか深く話したりする機会がなく、友達ってほどではなかった。

が、事件当日来ていたメンバーと、

クラスの 彼の仲良しのお母さん達と一緒に

千羽づるを折ろうということになって

集った席で初めてたくさんおしゃべりをした。

「お母さんがついてたのに事故がおこったんだから、アンは悪くないよ」

ブリジットが励ましてくれた。


これがブリジットとの出会いである。

その後 落ちた子どもは奇跡的な回復を見せて、

ふつうの生活に戻る事ができた。

あたしが人生で最大に神様に感謝した瞬間だったかもしれない。

でも、それがきっかけで彼の母親とは気まずくなり

引っ越した彼女達が今どうしてるか 知るよしもない。

時々思いだして、元気にしてるかなって考えたりもする。

ちょっと辛い思い出。。。。。

2003年2月5日。

事故からまる5年がたった。

いつも辛かった2月5日。

だけどなぜか今年は、

(ああ ブリジットと出会ってもう5年なんだ)って

そういう風に感じた2月5日だった。






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