裏・日記!

裏・日記!

チャリと昼下がり


平日なのだから、いつもなら大学に行っている時間のはず。
しかし、最近流行っている麻疹のせいで休校になってしまったのだ。
完全立入禁止。
世間で盛んに騒がれていたものの、俺が普段つるんでいるやつらに感染したかわいそうな人はいなくて、全く実感はなかった。

それが突然の休校騒動だ。
正直、実感なんて全くない上に、厄介だと思わざるを得ない。
休校になった分は消え去るわけもなく、夏休みに回されるのだ。
今一週間近く休めるのと比べても、夏休みが削られるのは痛い。
周りは夏休みを謳歌しているのに学校に通わなくちゃいけない。
こんな不公平なことはないだろう。

まぁ、それもどうせ一か月以上後のことなのだ。
何が一番困るって、「予定、大学」の日にいきなり学校が休みになることなのだ。
ぽっかりと空いた時間がすごくむなしく感じる。
ならば、友達と遊ぶなりすればいいじゃないかと思われるが、残念ながら夕方からバイトなのだ。
遊んだ後のバイトなんて、やる気がなくなるにきまっている。
だから、遊ぶという選択肢は消し去った。

もちろん、勉強なんてやるはずがない。
そもそも受験自体そんなに真剣に取り組んでないのだ。
自分の現在の学力で受かるようなところを選び、合格して入学。
高校時代の仲間には、目標を持って真剣に勉強し、有名な大学に入学した人も多い。
そんな中で自分は何をやっているんだと情けなくもなったが、後悔先に立たず。
こんな現状を見てわかると思うが、目標なんてあるわけがない。
今までと変わらず、勉強嫌だー、とかほざきながら日々を無駄に過ごしているというのが現在の状況である。




何度目かの“暇”をつぶやき、机に突っ伏したところでふと閃いた。
そこらへんをチャリでぶらぶらしよう。
何もせずにボーっとしているよりは時間を有効に使っている気がする。
もちろん、気のせいでしかないのだろうが。

ほかに思いつくことはなく、さっそく実行することにする。
寝巻き(T-シャツ、短パン)から、一応知り合いに見られてもはずかしくない服に着替え、ケータイと財布、家とチャリのカギを持って家を出る。
高校入学当初から使用している愛車は、3段ギアにオートライトと、なかなか高性能なやつである。
とはいえ、流石に3年も使うとやはりガタが来るようで、カギが開きにくかったり、ギア変更がスムーズにいかなかったりする。
なんだかんだ愛着があるので、壊れたら修理に出すつもりだが、やはりめんどくさいのだ。





カギを外して跨ると、ペダルを踏み出す。
マンションの周りは工場地帯で、面白いものは特にない。
通りをひとつ越えると住宅地で、平日の昼下がりということもあり、気だるい雰囲気を醸し出している。
家の中ではおばちゃんが煎餅をつまみに、ワイドショーでも見ながらのんびりしているに違いない。
断言はしているものの、実際にそのとおりかはわからない。何となくそんなイメージがあるのだ。

チャリを進めていくと、何やらにぎやかな声が聞こえてきた。
昔通った小学校の近くに来ていた。
体育の授業だろう、校庭でドッジボールをしていた。
屈託のない笑い声や、笑顔を聞いてるうちに、どことなく微笑ましい気持ちになってくる。

だがその一方で、なんだか複雑な気分にもなってくる。
身長も男としては低いながらも、あの頃よりは伸び、ヒゲだって生えるようになった。
そう考えると確かに成長してはいるのだ。
しかし、あの頃思い描いていた大学生と現在の自分にはものすごい隔たりがある。

大学生と言えば、もう大人の一員で、かっこいいという存在だった。
自由をいっぱい楽しんで、「せいしゅん」と言われる、憧れの時間を生きている人たちだったのだ。
それが、実際になってみてどうだ。
まだまだガキであるし、どう考えてもかっこよくなんてない。自由を楽しむどころか宿題やレポートに追われる。
挙句、「せいしゅん」なんて言葉とは無縁の、なんとも空しい日々を送っている。

そんなことを考えていたら、リフレッシュするために出てきたはずなのに、鬱々とした気分になってしまった。
現実を直視してしまい、凹まされる。
これ以上、あの無邪気さを見たくなくて、チャリを走りださせる。
それからは、なんかもうダメダメだった。
先程感じた鬱々さは抜けないし、ただチャリを走らせながらあたりを見回していただけだ。






ふと時間を気にしてみると、そろそろバイトの準備をしなければいけない時間になっていた。
コンビニでカップラーメンを買い、家に戻る。
結局、ただの時間が長い買い出しになってしまったことに苦笑しつつ、カップラーメンを作る。
久々に食べたカップラーメンは、意外と美味しく感じられ、満足することになる。

その後もいろいろと準備をしていたら、終わったころにはちょうどいい時間になっていた。
再び家のカギを閉め、チャリに跨る。
結局めんどくさくなってしまったバイトへと、何も考えずにチャリを走りださせる。

学校帰りの小学生たちを見つけた。
無邪気に笑いあいながら歩いている。
俺はチャリのスピードを上げた。
すれ違った彼らは、俺の視界から姿を消した。
















<あとがき>
なんとなく暇だったったんで書いてみました。
恐ろしくつまらないものが出来上がってしまいました^^;
けど、せっかくなんで載せてみようと。

ちなみに、この作品の主人公さん。モデルは秘密です(何

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: